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去就とは?読み方・進退との違い、類語やビジネスでの使い方を徹底解説

如月 なお 如月 なお • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
目次

「去就とは、どのような意味の言葉なのか」「ニュースで見かける『去就が注目される』とは何を意味するのか」と疑問に感じたことはないでしょうか。去就(きょしゅう)は、ある地位や役職から去ることと、その立場にとどまることの両方を含み、今後どのように身を処するかという選択や態度を表す言葉です。政治家の進退、企業経営者の続投、スポーツ選手の現役続行や引退など、さまざまな場面で使われます。

辞書では「去ることとつき従うこと」という意味に加え、「ことのなりゆき・成否」という第二の意味も記載されています。この記事では、精選版日本国語大辞典やデジタル大辞泉の記述を踏まえ、読み方、語源、進退との違い、類語、ビジネスやニュースでの使い方、実際の例文まで整理します。

【基本解説】去就とは?意味と正しい読み方を辞書から確認

去就とは

去就は「きょしゅう」と読みます。日常会話よりも、新聞やニュース、ビジネス文書、政治・スポーツ関連の報道などで目にすることが多い熟語です。

小学館のデジタル大辞泉では、去就について、主に次の2つの意味が示されています。

  • 背き離れることと、つき従うこと。
  • どう身を処するかの態度。進退。

精選版日本国語大辞典では、さらに具体的に、ある地位や役職から退くことと、そのまま留まること、すなわち身の処置や進退を意味すると説明されています。

簡単に言えば、去就とは「自分が今いる立場を離れるのか、それともそこに残るのか」という選択に関係する言葉です。

「去」と「就」が表す意味

去就という熟語は、2つの漢字の意味を理解すると覚えやすくなります。

  • 去:去る、立ち去る、その場から離れる。
  • 就:つく、ある地位や仕事に就く、つき従う。

つまり、「去」は離れる方向、「就」はある場所や立場につく方向を表しています。この対照的な意味を持つ漢字が組み合わさることで、立場を離れることと、そこにとどまることに関係する意味が生まれています。

去就の正しい読み方と間違えやすい読み方

正しい読み方は「きょしゅう」です。

「去」は「過去(かこ)」などで「コ」と読むこともあるため、「こしゅう」と読み間違えないように注意しましょう。去就は音読みの組み合わせで「きょしゅう」と読みます。

ビジネス会議や報道の場で口頭使用する場合も、読み方を正しく理解しておくと安心です。

【辞書で深掘り】去就の語源・由来と第二の意味「成り行き・成否」

去就の語源を理解するには、漢字それぞれの意味と、古い文献における使用例を確認する必要があります。

「去」はその場から離れること、「就」は地位や仕事などに就くことを表します。この2字の意味が組み合わさり、離れるか、つくかという身の処し方を表す熟語として使われてきました。

精選版日本国語大辞典に記録された古い用例

精選版日本国語大辞典では、去就の第一の意味について、菅原道真の漢詩文集『菅家文草』に収録された900年頃の用例を初出の実例として挙げています。

これは、去就という言葉が現代のビジネス用語やニュース用語として生まれたものではなく、古い漢文的な表現の中でも使われていたことを示す記録です。

なお、辞書に記載された初出は、現在確認されている文献上の用例を示すものであり、言葉が生まれた正確な瞬間を意味するものではありません。

去就には「ことのなりゆき・成否」という第二の意味もある

見落とされやすいのが、去就には第一の意味とは異なる第二の意味があることです。

精選版日本国語大辞典では、次の意味も掲載しています。

② ことのなりゆき。成否。

ここでいう「なりゆき」とは、物事が今後どのように進んでいくかという展開のことです。「成否」は、物事が成功するか失敗するかという結果を指します。

第一の意味が人物の身の振り方や立場の選択に関係するのに対し、第二の意味は物事や事業そのものの展開、結果に焦点を当てています。

辞書には、宮崎湖処子の小説『帰省』(1890年)の「事業の去就」という用例が掲載されています。この用法では、事業が今後どのような方向に進み、どういう結果になるかという意味合いで理解できます。

2つの意味の違いを整理
  • 第一の意味:人が今の地位や役職を離れるか、とどまるかという身の処し方。
  • 第二の意味:物事や事業が今後どう展開するか、その成否やなりゆき。

現在の一般的なニュースやビジネス会話では、第一の意味で使われるケースが中心です。第二の意味は文学的・歴史的な用例を理解する際に知っておきたい辞書上の意味です。

【徹底比較】去就と進退の違いは?類語・言い換えも解説

去就とよく似た言葉に「進退(しんたい)」があります。実際、辞書でも両者は類語として扱われています。

ただし、使われる文脈や言葉が持つニュアンスには違いがあります。

去就と進退の比較表
比較項目 去就(きょしゅう) 進退(しんたい)
基本的な意味 去ることとつき従うこと。身の処し方。 進むことと退くこと。身の去就。
主な焦点 ある立場から離れるか、とどまるかという選択や態度。 立場や職務において進むか退くかという行動や判断。
よく使われる場面 政治家、経営者、選手、所属組織などの今後の立場。 辞任、続投、職務上の責任、立場の維持や変更。
代表的な表現 去就が注目される、去就を決する。 進退を問われる、進退を決する。
言葉の印象 やや硬く、人物の今後の選択や態度に焦点を当てる。 身の処し方だけでなく、行動や責任にも使われる。

大切なのは、去就と進退を完全に別の意味の言葉として扱わないことです。

デジタル大辞泉では「進退」の第三の意味を「職を辞めるかとどまるかという、身の去就」と説明しています。つまり、職務を続けるか辞めるかという場面では、両者の意味はかなり重なります。

違いをあえて整理するなら、去就は「その立場から去るか、そこにとどまるか」という選択や態度に注目しやすく、進退は「進むか退くか」という行動や責任の判断にも広く使われる表現です。

去就の類語・言い換え表現

文章の目的や相手に合わせて、次のような言葉に言い換えることができます。

  • 進退:職務や役職を続けるか辞めるかという身の処し方。
  • 身の振り方:自分が今後どのような立場や方向を選ぶかを表す、比較的わかりやすい表現。
  • 出処進退:世の中や組織の中で、どのように行動し、身を処するかという意味。
  • 進路:今後進む方向や選択する道。職業や人生の方向性にも使う。
  • 動向:人や組織が今後どのように動くかという状況。
  • 立場の選択:ある組織や役職に残るか、離れるかという判断を具体的に示す表現。
退任・辞任・引退は去就の完全な言い換えではない

注意したいのは、「退任」「辞任」「引退」などは、去就と同じ意味ではないという点です。

これらは、去就に関する判断が具体的な結果として決まった場合に使う言葉です。

  • 退任:現在の役職を退くこと。
  • 辞任:自分の意思で役職を辞めること。
  • 引退:現役の活動や職業上の活動から退くこと。
  • 続投:現在の役職や任務を引き続き担当すること。
  • 残留:現在所属している組織やチームにとどまること。

したがって、「社長の去就が注目される」という表現を「社長の退任が決まった」と言い換えることはできません。去就はまだ選択が確定していない段階でも使用できるからです。

【実践編】去就の使い方とビジネス・ニュースでの表現

去就は、人物が現在の立場を続けるのか、それとも離れるのかが話題になる場面でよく使われます。特に、政治、企業経営、スポーツ、芸能など、所属や役職の継続が注目される分野と相性のよい言葉です。

「去就が注目される」の意味

「去就が注目される」とは、ある人物が今後の立場をどうするのか、周囲や報道関係者などが関心を寄せている状態を意味します。

例えば、企業の経営者が経営方針の変更を迫られている場合、続投するのか退任するのかが明らかになっていなければ、その経営者の去就が注目されると表現できます。

この言葉には、本人の判断がまだ確定していないというニュアンスが含まれる場合があります。

ただし、「注目される」と書かれているからといって、辞任や引退が確実に決まっているわけではありません。あくまで今後の選択に関心が集まっているという意味です。

「去就を明らかにする」の意味

「去就を明らかにする」とは、現在の立場を離れるのか、それとも引き続きとどまるのか、自分の今後の方針や身の処し方をはっきり示すことです。

例えば、監督の続投が不透明な状況で、本人が次のシーズンも指揮を執ると発表すれば、去就を明らかにしたことになります。

重要なのは、去就を明らかにすること自体が、辞任や退任を意味するわけではないという点です。続投を表明することも、去就を明らかにすることに含まれます。

ニュースでよく使われる表現
  • 去就が注目される:今後の立場や選択に関心が集まっている。
  • 去就を明らかにする:今後の身の処し方を公表する。
  • 去就を決する:残るか離れるかなど、今後の方針を決定する。
  • 去就に迷う:現在の立場を続けるか離れるかで悩む。
  • 去就を見守る:本人の今後の判断や発表を注視する。
  • 去就が不透明だ:今後どのような立場になるのか、まだ明確になっていない。
ビジネスでの使い方と注意点

ビジネスの場面では、社長や役員の人事、管理職の異動、プロジェクト責任者の交代、企業の経営方針などに関連して使われます。

例えば、経営者の続投・退任が議論されている場合や、役員の任期満了を前に次の役職が決まっていない場合などです。

一方、一般的な社内コミュニケーションで「あなたの去就はどうなっていますか」と尋ねると、相手に退職や退任を迫っているような印象を与える可能性があります。

社内メールや面談では、「今後のご意向をお聞かせください」「今後の役職についてのお考えをお聞かせください」など、具体的で柔らかい表現に置き換えると自然です。

また、ニュース記事や社内報で使用する場合は、本人の意思、会社の決定、報道上の見通しを区別することも大切です。

【保存版】去就の例文10選!日常・ビジネス・ニュース別に紹介

去就は意味を理解するだけでなく、具体的な文章で覚えると使い方が身につきます。ここでは、一般的な用法に沿った例文を場面別に紹介します。

① ビジネスでの例文

例文1:「次期社長の人事をめぐり、現社長の去就が注目されている。」

現社長が続投するのか、退任するのかに関心が集まっているという意味です。

例文2:「経営会議の結果を受けて、担当役員は自身の去就を決する意向を示した。」

担当役員が今後の立場について判断するという意味です。

例文3:「組織再編に伴い、部門責任者の去就についても検討が進められている。」

組織の変更によって、責任者が現在の役職にとどまるかどうかが検討されている状況です。

② ニュース・報道での例文

例文4:「選挙結果を受け、党代表の去就に注目が集まっている。」

党代表が続投するのか、代表を辞めるのかという今後の判断が注目されていることを表します。

例文5:「本人は会見で、自身の去就を明らかにする方針を示した。」

今後の立場について、正式に発表する考えを示したという意味です。

例文6:「監督の去就については、シーズン終了後に判断される見通しだ。」

監督が次のシーズンも指揮を執るのか、退任するのかが後日決まるという意味です。

③ 日常生活・一般的な場面での例文

例文7:「転職の誘いを受け、現在の会社に残るかどうか、自分の去就に迷っている。」

現在の会社にとどまるか、転職するかという選択に悩んでいる状態です。

例文8:「長年所属してきた団体を離れるかどうか、彼は自身の去就を慎重に考えている。」

現在の所属先から離れるかどうかを検討しているという意味です。

④ スポーツ・エンタメでの例文

例文9:「ベテラン選手の去就は、今シーズン終了後の大きな注目点となっている。」

現役を続けるのか、引退するのか、あるいは別のチームに移籍するのかという選択に関心が集まっていることを表します。

例文10:「所属事務所との契約満了を控え、俳優の去就が話題になっている。」

現在の事務所に残るのか、別の事務所に移るのか、独立するのかなど、今後の所属や活動方針に注目が集まっている状況です。

これらの例文に共通するのは、去就が単なる退職や辞任ではなく、複数の選択肢がある状況で使われていることです。

【プロの結論】去就を正しく使うために知っておきたい判断基準

去就という言葉を使うときに、最も注意したいのは「すでに決まった結果」と「まだ決まっていない選択」を混同しないことです。

ニュースで「去就が注目される」と報じられた場合、それは退任が確定したという意味ではありません。続投、退任、移籍、独立など、複数の可能性が残されている状態を表すことがあります。

去就という言葉が適している3つの条件
  • 複数の選択肢が存在する:現在の役職や所属を続けるか、離れるかという判断がある。
  • 本人の立場や態度が焦点になっている:単なる人事異動ではなく、本人がどのような身の処し方をするかが話題になっている。
  • 今後の方針が関心の対象になっている:正式発表前の段階や、決断を待っている状況である。

この3つの条件に当てはまるなら、「去就」という言葉は比較的自然に使えます。

去就を使わないほうが自然なケース

一方、単純な異動や配置転換など、本人の意思や進退が問題になっていない場合には、「人事異動」「配置転換」「担当変更」などの具体的な言葉を使ったほうが正確です。

また、退任が正式発表された後であれば「去就が注目される」ではなく、「退任が発表された」と書くほうが、事実関係を明確に伝えられます。

「去就」と「成り行き」を混同しない

もう一つの注意点は、辞書に記載された第二の意味です。

精選版日本国語大辞典には「ことのなりゆき。成否」という意味もありますが、現代の一般的なニュースで「去就」といえば、多くの場合は人物の身の処し方を指します。

例えば「監督の去就」とあれば、監督が続投するか退任するかという意味に理解するのが自然です。一方、「事業の去就」のような表現では、事業の今後の展開や成否を意味する可能性があります。

読解する際には、去就の前に置かれた言葉が人物なのか、事業などの物事なのかを確認すると、意味を取り違えにくくなります。

【去就とは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:去就は何と読みますか?
A1:去就は「きょしゅう」と読みます。「こしゅう」ではありません。ビジネスやニュース、新聞記事などで使われる熟語です。

Q2:去就と進退は同じ意味ですか?
A2:非常に近い意味を持つ類語です。どちらも職や地位を離れるか、とどまるかという身の処し方を表します。去就は立場を離れるか、そこにつくかという選択や態度に焦点を当て、進退は進むことと退くこと、職務上の行動や責任にも使われます。

Q3:「去就が注目される」とは退任が決まったという意味ですか?
A3:いいえ。今後の立場や判断に関心が集まっているという意味です。続投する可能性も含まれており、辞任や引退が確定したことを表す言葉ではありません。

去就とは「きょしゅう」と読み、ある立場から去ることと、その立場にとどまることに関係する身の処し方や態度を表す言葉です。

精選版日本国語大辞典では、第一の意味として「去ることとつき従うこと。ある地位や役職から退くことと留まること。身の処置。進退」を挙げ、第二の意味として「ことのなりゆき。成否」を記載しています。

進退とは意味が重なる部分も多いものの、去就は人物の今後の立場や選択に焦点を当てる場面で特に使いやすい表現です。

「去就が注目される」は今後の判断に関心が集まっていること、「去就を明らかにする」は自分の今後の立場をはっきり示すことを意味します。いずれも、退任や引退が確定したという意味ではありません。

ニュースを読む際には、去就という言葉だけで結論を判断せず、本人の発表や組織の公式決定があるかを確認することが大切です。ビジネス文書では、相手に伝わりやすいよう「続投」「退任」「今後の意向」など具体的な言葉と使い分けると、より正確な表現になります。

読み方と基本的な意味に加え、進退との違いや第二の意味まで押さえておけば、ニュース記事やビジネスシーンで「去就」という言葉に出会ったときも、文脈に応じて正しく理解できるでしょう。

主な辞書資料: 小学館『デジタル大辞泉』、小学館『精選版 日本国語大辞典』、日本漢字能力検定協会『漢字ペディア』、文化庁「常用漢字表の音訓索引」。

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如月 なお
コンテンツディレクター 如月 なお
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アイドルグループのリリース情報とライブ告知を追いかけて8年。卒業や加入の発表は必ず公式発表の日付とあわせて記録しています。

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