鈴木大介九段が麻雀のプロを目指した背景には、長年にわたる麻雀への愛着と、競技として本格的に取り組みたいという思いがありました。
意外に思われるかもしれませんが、麻雀は将棋棋士になってから始めた趣味ではありません。本人が2023年5月11日の日本プロ麻雀連盟入会記者会見で説明したところによると、麻雀との出会いは家族麻雀でした。
その後も趣味として麻雀を続け、テレビの麻雀対局番組「モンド杯」を視聴したり、麻雀専門誌「近代麻雀」を読んだりする熱心なファンだったといいます。
プロへの憧れを具体的な目標に変える転機となったのが、2019年の麻雀最強戦でした。
2019年、麻雀最強戦で最強位を獲得2019年12月14日に開催された麻雀最強戦2019ファイナルで、鈴木九段は著名人代表として出場しました。
決勝で対戦したのは、鈴木大介、金子正輝、堀慎吾、近藤誠一の4人です。プロ雀士やタイトルホルダーが顔をそろえる舞台で、鈴木九段は積極的な攻めを見せ、最終的に44,800点を獲得して優勝しました。
麻雀最強戦の公式記録によると、2019年大会には約3万人が参加し、予選開催店舗は46店舗。大規模な大会を勝ち抜いた末の最強位獲得でした。
この優勝によって、将棋棋士として知られていた鈴木九段の麻雀の実力にも注目が集まります。本人にとっても、プロ雀士への憧れを現実的に考える大きなきっかけになりました。
2023年5月、日本プロ麻雀連盟への入会を発表最強位を獲得してから約3年半後の2023年5月、鈴木九段は日本プロ麻雀連盟への入会を発表しました。
5月11日には入会記者会見が開かれ、本人がプロ転身の経緯を説明しています。
会見で語られた理由は、単に麻雀最強戦で優勝したからではありません。優勝後、麻雀プロとの交流が増え、競技としての麻雀に対する興味がさらに深まったことが背景にありました。
また、Mリーグの発足も大きな刺激になったといいます。以前から麻雀プロへの憧れがあったものの、当時は日本将棋連盟の常務理事を務めており、活動時間を確保することが難しい状況でした。
ところが、2023年6月に常務理事を退任することが決まり、今後の活動を考えた際、麻雀を単なる趣味ではなく競技として続けたいという気持ちが強くなったのです。
日本プロ麻雀連盟の森山茂和会長に相談し、正式に入会する運びとなりました。
ここで重要なのは、2019年の最強位獲得と2023年のプロ入会は別の出来事だということです。大会優勝をきっかけにプロへの関心が高まり、本人の意思と活動環境が整った段階で正式な入会に至りました。
【Mリーグでの活動】鈴木大介はBEAST Xで何をしている?

日本プロ麻雀連盟への入会後、鈴木九段の活動の舞台はプロ団体内の競技だけにとどまりませんでした。
2023年6月30日のMリーグドラフト会議で、BEAST Japanextから指名を受け、Mリーガーとしての道も開きます。Mリーグ機構の公式発表でも、2023-24シーズンの新規指名選手として鈴木大介の名前が掲載されています。
現在はチーム名をBEAST Xとして活動しており、2026-27シーズンも所属選手として登録されています。
Mリーグでの鈴木大介の特徴BEAST Xの公式選手紹介では、鈴木九段の雀風は攻撃型とされています。高い打点を目指す手組みと、勝負どころでの強気な選択が特徴です。
この攻撃的なスタイルは、将棋で知られる豪快な振り飛車の棋風とも重なる部分があります。
ただし、将棋の攻めと麻雀の攻めは同じではありません。麻雀では相手の手牌が見えず、ツモや配牌による不確実性もあります。攻撃する局面だけでなく、危険牌を避ける判断や点数状況に応じた戦略も必要です。
鈴木九段がMリーグというトップレベルの舞台に立ち続けていることは、将棋で培った経験だけに依存せず、麻雀の競技環境にも身を置いていることを意味します。
2026-27シーズンもBEAST Xで参戦2026年10月現在、BEAST Xの公式チームページには鈴木大介のプロフィールが掲載されています。チームは2026-27シーズンもMリーグに参加しており、鈴木九段は将棋と並行して麻雀の公式戦に取り組んでいます。
チームの活動情報はBS10のBEAST X公式ページでも紹介されています。Mリーグの試合結果だけでなく、チーム関連番組やイベントを通じて活動を追うこともできます。
【将棋と麻雀の二刀流】鈴木大介九段の活動が持つ意味
鈴木大介九段の経歴を特徴づけるのは、単に2種類のゲームを楽しんでいることではありません。日本将棋連盟の現役プロ棋士でありながら、日本プロ麻雀連盟にも所属し、双方の競技でプロとして活動している点です。
マイナビ出版の棋士プロフィールでも、将棋と麻雀の両方でプロとなった史上初の人物として紹介されています。
将棋と麻雀にはどのような違いがある?両競技はともに高度な思考力を必要としますが、勝負の構造は大きく異なります。
| 比較項目 | 将棋 | 麻雀 |
|---|---|---|
| 情報 | 盤上の駒がすべて見える | 相手の手牌は見えない |
| 主な判断 | 読み・形勢判断・戦術 | 牌効率・押し引き・確率判断 |
| 勝負の要素 | 読みと指し手の選択 | 技術・判断・偶然性 |
| 対戦形式 | 1対1 | 基本的に4人 |
| 主な特徴 | 完全情報ゲーム | 不完全情報ゲーム |
将棋では盤上の情報をすべて把握できるため、相手の次の手や数手先の展開を読みながら指し手を決定します。
一方、麻雀では他のプレイヤーの手牌が分からないため、捨て牌や鳴き、リーチなどの情報から状況を推測しなければなりません。さらに、配牌やツモによる偶然性も結果に影響します。
そのため、両競技に共通する思考力がある一方で、麻雀には不確実な状況で判断を続ける能力が求められます。
鈴木九段の二刀流は、将棋で培った読みや局面判断を生かしながら、麻雀固有の戦術や確率判断にも取り組むキャリアとして捉えると理解しやすくなります。
二刀流を成立させる鍵はスケジュールと競技への理解プロとして2つの競技を続ける場合、実力だけではなく時間の管理も重要です。
将棋には順位戦や竜王戦などの年間を通じた棋戦があり、対局日程も競技団体によって決まります。麻雀にも日本プロ麻雀連盟の対局やMリーグのシーズン日程があります。
鈴木九段自身、2023年の入会会見で、常務理事を務めていた時期には時間の確保が難しかったことを説明しています。
常務理事の退任が二刀流への転機になったことからも、競技活動と組織運営の両立が現実的な課題だったことが分かります。
また、2024年12月には将棋で通算600勝を達成しています。麻雀のプロ活動を始めたからといって、将棋棋士としてのキャリアが終わったわけではありません。
むしろ、長年積み上げた将棋の実績を維持しながら、別の競技にも挑戦している点に鈴木九段のキャリアの特徴があります。
【鈴木大介九段の現在の活動】2026年に注目したい3つのポイント
2026年10月時点で、鈴木九段の活動を追うなら、将棋の公式戦、Mリーグ、そして麻雀プロとしての競技活動という3つの軸を押さえる必要があります。
それぞれの活動を整理すると、現在の立ち位置が見えてきます。
1.将棋棋士としての公式戦
日本将棋連盟の2026年度成績では、10月30日対局分までで26局16勝10敗、勝率61.54%です。順位戦ではC級1組に所属し、竜王戦では3組に在籍しています。
また、A級在籍経験は通算4期。現役棋士として引き続き公式戦に出場しています。
2.BEAST XのMリーガーとしての活動
2026-27シーズンもBEAST Xの所属選手です。将棋棋士という肩書だけでなく、プロ麻雀リーグで戦う選手としての活動も継続しています。
チームの公式プロフィールでは、攻撃型の雀風と高打点を目指す手組みが特徴として紹介されています。
3.麻雀プロとしての活動と発信
日本プロ麻雀連盟に所属するプロ雀士として、競技麻雀の世界にも身を置いています。Mリーグへの参戦は、その活動を一般の麻雀ファンにも広く届ける機会になっています。
また、将棋と麻雀の両方をテーマにした著書もあります。マイナビ出版からは『鈴木システム 四間飛車編』などの将棋関連書籍が刊行されており、振り飛車の研究者・解説者としての一面も持っています。
2026年の活動を理解するうえでは、どちらか一方の成績だけで人物を評価するのではなく、将棋の公式戦と麻雀の競技活動を分けて追うことが大切です。
【将棋鈴木大介】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:鈴木大介九段の棋士番号はいくつですか?
A1:日本将棋連盟の棋士番号は213です。1974年7月11日生まれで、東京都町田市出身。師匠は大内延介九段です。
Q2:鈴木大介が麻雀プロになった理由は何ですか?
A2:子どもの頃から家族麻雀を楽しみ、麻雀番組や専門誌にも親しんでいました。2019年の麻雀最強戦で最強位を獲得したことや、麻雀プロとの交流、Mリーグの発足がプロ転身への関心を強めました。2023年6月の常務理事退任を前に、競技として麻雀に取り組む決断をしました。
Q3:鈴木大介は現在、Mリーグのどのチームに所属していますか?
A3:2026-27シーズンはBEAST Xに所属しています。2023年のMリーグドラフトではBEAST Japanextから指名され、Mリーガーとしての活動を始めました。
鈴木大介九段は、1974年生まれ、棋士番号213、大内延介九段門下という経歴を持つ将棋棋士です。1994年のプロ入りから実績を積み重ね、2017年に九段へ昇段。2024年12月には通算600勝を達成しました。
将棋では振り飛車を得意とし、新・石田流の研究で升田幸三賞を受賞。NHK杯戦優勝や竜王戦・棋聖戦への挑戦など、長いキャリアの中で数々の実績を残しています。
一方、麻雀では2019年の麻雀最強戦で最強位を獲得し、2023年5月に日本プロ麻雀連盟へ入会。さらにMリーグのBEAST Japanextから指名され、現在はBEAST Xの選手として活動しています。
【プロの結論】鈴木大介九段の二刀流を理解するうえで重要なのは、麻雀への転身を将棋からの引退や単なる趣味の延長と捉えないことです。
2019年の優勝は麻雀への挑戦を後押しした転機であり、2023年のプロ入会は競技者として新しいキャリアを築く決断でした。その間も将棋棋士としての活動を続け、現在も両方の競技に取り組んでいます。
鈴木大介九段の今後を追う際は、将棋の勝敗や順位だけでなく、麻雀最強戦などの大会実績、日本プロ麻雀連盟での活動、BEAST XでのMリーグ成績をそれぞれ確認するのがおすすめです。
将棋界で築いた実績を土台に、麻雀界でも挑戦を続ける。その歩みこそが、鈴木大介九段という棋士・プロ雀士の最大の特徴です。