事故が起きたのは、2025年11月22日(土)の京都競馬場第3レース。2歳未勝利戦の芝1200メートルでした。
JRAの公式発表によると、幸英明騎手が騎乗していた17番ニュートラが競走中に疾病を発症し、4コーナーで転倒しました。
この転倒により、後続馬に騎乗していた浜中俊騎手と高倉稜騎手も巻き込まれて落馬。合計3人の騎手が負傷し、救急搬送される事態になりました。
事故の直接的なきっかけとなったのは、幸騎手自身の騎乗ミスではなく、ニュートラが競走中に発症した疾病による転倒です。
事故当日の状況
- 発生日:2025年11月22日
- 競馬場:京都競馬場
- レース:第3R・2歳未勝利戦
- 距離:芝1200メートル
- 発端:4コーナーでニュートラが転倒
- 負傷した騎手:幸英明、浜中俊、高倉稜
JRAは事故当日、幸騎手の負傷を「背部の負傷」と発表。その後の検査によって、実際には複数箇所の骨折や肺の損傷を伴う重傷だったことが明らかになりました。
なお、ニュートラは右第3中手骨の粉砕骨折と診断され、予後不良となりました。
この事故では、後続の騎手まで巻き込まれたことから、競馬における集団落馬の危険性も改めて浮き彫りになりました。
【負傷内容】肋骨10本・右鎖骨・左足関節骨折に肺挫傷と気胸

幸英明騎手の負傷は、単純な骨折だけではありませんでした。
2025年12月2日、検査結果として報じられた診断内容には、両側の多発肋骨骨折、右鎖骨骨幹部骨折、腰椎横突起骨折、左足関節果部骨折、左肺挫傷などが含まれていました。
特に深刻だったのが、胸部の損傷です。
公表された主な負傷内容
| 負傷部位 | 診断内容 | 状況 |
|---|---|---|
| 肋骨 | 両側多発肋骨骨折・計10本 | 肺に近い部分も損傷 |
| 右肩 | 右鎖骨骨幹部骨折 | 手術を実施 |
| 腰 | 腰椎横突起骨折 | 複数箇所の負傷の一部 |
| 左足首 | 左足関節果部骨折 | 手術を実施 |
| 左肺 | 肺挫傷・外傷性肺嚢胞 | 呼吸機能に関わる損傷 |
| 胸部 | 外傷性血気胸・緊張性気胸 | 生命に関わる重篤な状態 |
※診断名は2025年12月2日の報道に基づき整理。手術は3カ所で行われたと報じられています。
特に危険だった肺挫傷と気胸
肺挫傷とは、強い衝撃によって肺の組織が損傷する状態です。
一方、気胸は肺から漏れた空気が胸腔内にたまり、肺が十分に膨らめなくなる病態です。緊張性気胸では胸腔内の圧力が高まり、心臓や血管にも影響する可能性があります。
幸騎手の場合、折れた肋骨のうち3本が肺にかかっていたことも報じられています。
2026年1月28日の日刊スポーツの取材では、幸騎手自身が搬送中の状態について振り返っています。
「死ぬのかなと思いました」
さらに、主治医からは搬送が15~20分遅れていれば危険だったと伝えられたといいます。
この言葉からも、今回の事故が単なる競技復帰までの休養ではなく、生命の危険を伴う重大な負傷だったことが伝わります。
手術は3カ所、全治は当初未定
幸騎手は骨折と胸部損傷に対して3カ所の手術を受けました。
事故直後の段階では全治も明確になっておらず、長期離脱が避けられない状況でした。
しかも、幸騎手は2025年の夏にも落馬事故を経験しています。
2025年8月9日の中京4Rでは、本馬場入場時の落馬で右足踵骨を骨折。約3か月の休養を経て11月8日に復帰していました。
そのわずか2週間後に、再び重大な落馬事故に遭ったのです。
【完全時系列】落馬事故から2026年10月31日の復活勝利まで
幸英明騎手の事故と復帰を理解するには、2025年夏から2026年秋までの流れを追う必要があります。
JRA公式発表、日刊スポーツ、競馬報道各社の公表情報をもとに整理。
| 日付 | 出来事 | 詳細 |
|---|---|---|
| 2025年8月9日 | 中京で落馬 | 右足踵骨を骨折 |
| 2025年11月8日 | レース復帰 | 約3か月の休養から復帰 |
| 2025年11月22日 | 京都3Rで落馬 | ニュートラの転倒に巻き込まれる |
| 2025年12月2日 | 負傷内容が判明 | 肋骨10本などの骨折、肺損傷 |
| 2026年1月28日 | 調教騎乗を再開 | 栗東トレセンで調教に復帰 |
| 2026年1月31日 | レース復帰 | 京都7Rでソルチェリアに騎乗し1着 |
| 2026年10月31日 | ハロウィンS | ソルチェリアで1着 |
復帰日は2026年1月31日
2026年1月28日、幸騎手は栗東トレーニングセンターで調教騎乗を再開しました。
このとき騎乗した馬の一頭が、2月1日のシルクロードステークス(GIII)に出走予定だったオタルエバーです。
幸騎手は調教再開後、馬上での感覚について「思った以上に違和感はなかったです」と話しています。
そして1月31日、京都競馬場で実戦に復帰しました。
事故から約70日。大きな負傷を乗り越え、再びレースに戻ってきた瞬間でした。
【2026年最新】復帰後初勝利のソルチェリアと10月31日の騎乗結果
復帰初日の2026年1月31日、幸騎手は京都7Rの3歳1勝クラスでソルチェリアに騎乗しました。
ソルチェリアは6番人気。ダート1800メートルのレースで、幸騎手は好スタートから先手を取り、道中もマイペースで逃げる競馬を展開しました。
直線でも脚色は衰えず、追い込んできた2着馬シルバーレシオを1馬身差で振り切って勝利。
勝ち時計は1分52秒8でした。
この勝利は復帰後わずか4戦目。復帰初日に初勝利という結果は、多くの競馬ファンにとって印象的なニュースとなりました。
ソルチェリアとのコンビが再び結果を出す
さらに注目したいのが、2026年10月31日のハロウィンステークスです。
京都競馬場で行われた第10R、3歳以上3勝クラスのダート1900メートル戦。
幸騎手は、復帰後初勝利を挙げたソルチェリアと再びコンビを組みました。
1分55秒8
2026年10月31日 ハロウィンステークス
ソルチェリア
牡3・大根田裕之厩舎・馬番3
騎手:幸英明(56kg)
単勝3番人気・馬体重500kg
上位3頭の結果
| 着順 | 馬名 | 騎手 | タイム |
|---|---|---|---|
| 1着 | ソルチェリア | 幸英明 | 1:55.8 |
| 2着 | ペンナヴェローチェ | 岩田望来 | 1:56.1 |
| 3着 | システマソラー | 川田将雅 | 1:56.4 |
JRA公式レース結果に基づく。京都・ダート1900m、稍重。
レース後、幸騎手はソルチェリアについて、次のようにコメントしています。
「ずっと手応えが良かったです。課題は砂を被ったときにどうかですが、どんどん力をつけています」
単に勝利を喜ぶだけでなく、馬の課題と成長についても具体的に言及しています。
10月31日はソルチェリア以外でも勝利
この日の幸騎手は京都競馬場で9鞍に騎乗しました。
注目すべきは、ハロウィンステークスだけではありません。
- 京都6R:サイモンレコルトで1着(11番人気)
- 京都10R:ソルチェリアで1着(3番人気)
- 京都9R:キタサンハナビラで3着
つまり、10月31日は2勝・3着1回という成績を残しています。
2026年10月26日時点の年間成績は633鞍で39勝、勝率6.2%でした。その後の10月31日にさらに2勝を挙げています。
少なくとも、現在の幸騎手は実戦への復帰を果たし、複数のレースで勝利を重ねる現役騎手として活動しています。
【引退を考えた理由】息子・大斗さんの言葉が復帰を後押し
今回の事故で多くの人が注目したのが、幸騎手が一時的に引退を考えていたという事実です。
長年にわたって騎手として活躍し、「鉄人」と呼ばれてきた幸騎手でも、今回の負傷は精神的に大きなダメージを与えるものでした。
2026年1月29日の競馬報道では、幸騎手が引退を考えた背景について詳しく伝えられています。
引退が頭をよぎった3つの理由
1. 生命の危険を感じるほどの負傷
肺挫傷や気胸を伴う重傷で、搬送中には死を意識するほどの状態でした。
2. 家族への負担
事故によって家族に心配や負担をかけることへの思いもあり、一度は騎手を辞めようと考えました。
3. 短期間での相次ぐ落馬
2025年8月の落馬から復帰した直後、11月に再び大きな事故に遭いました。精神的にも厳しい状況だったことが伝えられています。
息子・幸大斗さんの「デビューするまで乗ってほしい」
幸騎手の引退を思いとどまるきっかけの一つになったのが、息子の大斗さんでした。
幸大斗(みゆき・ひろと)さんは、父と同じ騎手を目指してJRA競馬学校に進んだ人物です。
2024年4月、騎手課程第43期生の入学式に出席。当時17歳で、197人の応募者から選ばれた9人の一人でした。
入学時には、父が2003年に達成した牝馬三冠に憧れ、自分も同じ舞台で勝ちたいという目標を語っています。
そして、2026年1月の報道によると、大斗さんは療養中の父に対して「デビューするまで乗ってほしい」という希望を伝えていました。
幸騎手はこの言葉を受け、もう一度頑張ろうという気持ちになったとされています。
また、妻の理解や周囲の騎手からの応援も支えになったと報じられました。
2026年10月現在、大斗さんはまだ競馬学校の生徒
ここは誤解しやすいポイントです。
JRAが2026年9月に公表した騎手課程第43期生の模擬レース関連情報にも、幸大斗さんの名前が掲載されています。
つまり、2026年10月31日時点では、まだ騎手デビュー前の競馬学校生です。
父と息子が同じ競馬場で騎手として活躍する日を目指していることは、今回の復帰を語るうえで欠かせないエピソードです。
【幸英明のプロフィール】JRAでの経歴と代表的な実績
みゆき・ひであき
- 生年月日:1976年1月12日
- 年齢:50歳(2026年10月現在)
- 所属:栗東・フリー
- 初免許年:1994年
- 出身:鹿児島県
幸英明騎手は、1994年にJRAの騎手としてデビューしたベテランです。
2003年にはスティルインラブに騎乗し、桜花賞、優駿牝馬(オークス)、秋華賞を制覇。牝馬三冠を達成しました。
その後もファイングレイン、セイウンコウセイ、ホッコータルマエ、アカイイトなどの実力馬とともに、JRAのGI競走で勝利を重ねています。
幸英明騎手の代表的なGI勝利
| 年 | 競走 | 騎乗馬 |
|---|---|---|
| 2003年 | 桜花賞 | スティルインラブ |
| 2003年 | 優駿牝馬 | スティルインラブ |
| 2003年 | 秋華賞 | スティルインラブ |
| 2008年 | 高松宮記念 | ファイングレイン |
| 2014年 | チャンピオンズカップ | ホッコータルマエ |
| 2017年 | 高松宮記念 | セイウンコウセイ |
| 2018年 | ヴィクトリアマイル | ジュールポレール |
| 2021年 | エリザベス女王杯 | アカイイト |
こうした実績を持つ幸騎手は、長年にわたり数多くの馬に騎乗してきた経験豊富なジョッキーです。
今回の事故からの復帰も、単に騎乗を再開したというだけではなく、これまで築いてきたキャリアを継続する大きな節目になりました。
【プロの結論】今回の復帰で注目すべき3つのポイント競馬ファンが幸騎手の今後を見守るうえで、押さえておきたいポイントは次の3つです。
1. 復帰初日の勝利だけでなく、その後の継続的な騎乗
1月31日の復帰初勝利は印象的ですが、より重要なのは、その後も騎乗を続けていることです。10月31日には9鞍に騎乗し、2勝を挙げています。
2. 勝利数だけでなく騎乗内容にも注目
ソルチェリアとのコンビでは、復帰初勝利に加えてハロウィンステークスも制覇しました。馬の状態やレース展開を見極めながら結果を残している点が注目されます。
3. 息子の騎手デビューという新しい目標
大斗さんは2026年10月現在も競馬学校で学んでいます。将来、親子が同じ競馬場で騎乗する姿が実現するかも、今後の注目材料です。
幸騎手の評価は、事故前と同じ勝利数をすぐに求めることではなく、継続的な騎乗実績とレース内容を合わせて判断することが大切です。
【幸英明落馬】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:幸英明騎手の落馬事故はいつ、どこで起きましたか?
A1:2025年11月22日の京都競馬場第3Rです。幸騎手が騎乗していたニュートラが4コーナーで転倒し、後続の浜中俊騎手、高倉稜騎手も落馬しました。
Q2:幸英明騎手はどこを骨折しましたか?
A2:肋骨10本、右鎖骨、腰椎横突起、左足関節などを骨折しました。さらに左肺挫傷、外傷性肺嚢胞、血気胸や緊張性気胸も診断され、3カ所の手術を受けました。
Q3:幸英明騎手はいつ復帰しましたか?
A3:2026年1月31日に京都競馬場でレース復帰しました。同日の京都7Rでソルチェリアに騎乗し、復帰後4戦目で初勝利を挙げています。
Q4:2026年10月31日のハロウィンステークスの結果は?
A4:ソルチェリアに騎乗して1着でした。3番人気で、勝ち時計は1分55秒8。2着ペンナヴェローチェに2馬身差をつけました。
Q5:幸英明騎手は引退を考えていたのですか?
A5:はい。重傷による生命の危険や家族への負担から、一度は引退を考えたと報じられています。息子の大斗さんから「デビューするまで乗ってほしい」と希望されたことなどが、復帰を後押ししました。
Q6:幸英明騎手の息子・大斗さんは騎手デビューしていますか?
A6:2026年10月31日時点では、JRA競馬学校の騎手課程第43期生です。2024年4月に入学し、騎手を目指して訓練を続けています。
Q7:現在の幸英明騎手は現役を続けていますか?
A7:はい。2026年10月31日にも京都競馬場で9鞍に騎乗し、サイモンレコルトとソルチェリアで2勝を挙げています。現役騎手として活動を続けています。
2025年11月22日の京都競馬場で起きた落馬事故は、幸英明騎手にとって騎手人生を左右しかねない重大な出来事でした。
肋骨10本、右鎖骨、左足関節などの骨折に加え、肺挫傷や気胸まで伴う重傷。一時は引退を考えるほど追い込まれました。
しかし、家族や周囲の支え、そして騎手デビューを目指す息子・大斗さんの言葉もあり、2026年1月31日に競馬場へ戻ってきました。
復帰初日のソルチェリアでの勝利に続き、2026年10月31日のハロウィンステークスでも同馬と勝利。さらに同日の京都6Rでも勝ち星を挙げています。
今回の経過を整理すると、重要なのは次の点です。
- 2025年11月22日: 京都3Rで重大な落馬事故。
- 2025年12月: 肋骨10本などの負傷内容が判明。
- 2026年1月31日: レース復帰初日にソルチェリアで勝利。
- 2026年10月31日: ハロウィンステークスを含む2勝を記録。
- 今後の注目: 騎乗の継続と息子・大斗さんの騎手デビュー。
幸英明騎手の復帰は、単なる競技生活への復帰にとどまりません。生命の危険を感じるほどの事故を乗り越え、再び勝負の舞台で結果を残していることに大きな意味があります。
息子との同じ舞台での騎乗という新たな目標も含め、これからの幸英明騎手の活躍に注目が集まります。