2026年10月現在、男子バレーボール日本代表の主将・石川祐希は、イタリアでの長い挑戦に区切りをつけ、トルコ1部リーグの強豪ジラート・バンク・アンカラで新たなキャリアを歩んでいる。2025-26シーズンにはイタリアのペルージャで国内リーグ、世界クラブ選手権、スーペルコッパ、欧州チャンピオンズリーグの4冠を経験。日本人選手として積み重ねてきた欧州での実績は、次のステージへの大きな足掛かりとなった。
一方、2025-26シーズンは右膝の負傷によって出場機会が限られた時期もあり、チームの4冠と本人の個人成績は分けて見る必要がある。2026年のネーションズリーグでは日本を4位に導き、9月のアジア選手権では優勝と2028年ロサンゼルス五輪の出場権獲得を経験した。現在の所属先、移籍の背景、最新の試合状況、これまでの経歴を整理する。
【2026年最新】石川祐希の現在の所属チームはトルコのジラート

石川祐希の2026-27シーズンの所属先は、トルコ男子1部リーグの強豪ジラート・バンク・アンカラ(Ziraat Bankası Ankara)だ。クラブ名は「Ziraat Bankkart」と表記されることもあり、日本の報道ではジラート、ジラート・バンクなどの名称が使われている。
2026年6月5日、所属事務所とクラブから移籍が正式発表された。中央大学在学中の2014年からイタリアでプレーしてきた石川にとって、トルコリーグは初挑戦となる。
ジラートはトルコの首都アンカラを本拠地とする伝統あるクラブだ。2025-26シーズンまでの6シーズンで5度のリーグ優勝を記録した実績を持ち、欧州チャンピオンズリーグでも3位に入った強豪である。2026-27シーズンはリーグ3連覇を狙う立場にある。
新天地での石川の背番号は11番。日本代表で着用する14番とは異なるため、試合映像やユニフォームを見る際には混同しないようにしたい。
トルコリーグでのデビューと序盤の状況2026年10月18日のリーグ開幕戦では、ジラートがフェネルバフチェを3-0で下した。石川は先発出場し、スパイクで15得点、サーブで1得点を記録。合計16得点で両チーム最多となり、新天地で存在感を示した。
しかし、10月24日の第2節アルテクマ戦ではベンチ入りせず、欠場となった。報道ではコンディションへの懸念が取り上げられたものの、クラブから具体的な状態について公式発表はなかった。ジラートはこの試合をフルセットで制し、続く10月27日の第3節も勝利している。
開幕戦の16得点は新天地への適応力を示す好材料だが、シーズンを通じた評価には継続的な出場とコンディションの安定が欠かせない。2026年10月末は、まさにその過程を見極める時期にあたる。
【ペルージャ4冠】2025-26シーズンの成績と石川祐希の本当の評価
石川が2025-26シーズンまで所属したイタリアのペルージャは、欧州屈指の強豪クラブだ。2024年に加入した石川は、2025-26シーズンにクラブ史上でも重要なタイトル獲得の瞬間を経験した。
ペルージャが達成したのは、次の4大会での優勝である。
- 世界クラブ選手権:2025年12月、ブラジルで開催された大会で優勝。
- イタリア・スーペルコッパ:2026年3月、ラナ・ヴェローナを破って優勝。
- イタリア・セリエA:2026年5月、プレーオフ決勝でチビタノーバを破り優勝。
- CEVチャンピオンズリーグ:2026年5月、ポーランドのザビエルチェを3-0で破って連覇。
世界クラブ選手権、国内スーパーカップ、国内リーグ、欧州最高峰のクラブ大会を制した四冠は、ペルージャの選手層と総合力を示す結果だった。特にチャンピオンズリーグ決勝では、前年に続いてザビエルチェを下し、欧州王者の座を守っている。
4冠でも石川本人には悔しさが残ったシーズンただし、ここで注意したいのがクラブの成績と石川個人の出場状況だ。2025-26シーズンの石川は右膝を負傷し、約3カ月にわたって実戦から離れる時期があった。
5月6日のセリエAプレーオフ決勝第3戦で復帰したものの、チャンピオンズリーグ決勝での出場は第1セットのリリーフサーバーとしての一度にとどまった。チームが4冠を獲得したことと、石川がすべてのタイトル争いで中心選手として活躍したことは同じではない。
Volleyball Worldの2025-26シーズンのセリエA個人成績ページには、石川の記録として次の数字が掲載されている。
- 総得点:105点
- アタック得点:98点
- ブロック得点:2点
- サーブ得点:5点
- アタック効率:49.75%
これはセリエAの個人成績であり、世界クラブ選手権や欧州大会を含む全公式戦の合計ではない。負傷による出場制限も踏まえて読む必要がある。
2026年8月のSportivaのインタビュー記事でも、石川はこのシーズンを複雑なものとして振り返っている。チームがタイトルを重ねる一方、自身はコートに立つ機会が少なく、喜びと悔しさが入り交じるシーズンだった。
この経験をどう次の成長につなげるか。トルコ移籍後の石川を評価するうえでは、単純な得点数だけでなく、出場時間、攻守の安定性、負傷からの回復状況にも目を向けたい。
【移籍理由と経緯】イタリア11シーズンからトルコを選んだ背景
石川祐希の移籍を理解するには、2014年から続いたイタリアでの挑戦を振り返る必要がある。
中央大学在学中にイタリアのモデナと契約した石川は、その後ラティーナ、シエナ、パドヴァ、ミラノ、ペルージャと複数のクラブで経験を積んだ。イタリア・セリエAは世界トップクラスの選手が集まるリーグであり、石川はそこで約11シーズンにわたりプレーしてきた。
移籍発表までの流れ2026年5月、ペルージャでのシーズンを終えて帰国した石川は、イタリアでの長いキャリアに一区切りをつける意向を示した。5月21日の帰国時には、ペルージャで経験した喜びや悔しさについて語り、新しい環境での挑戦を見据えていた。
その後、6月5日にジラート・バンク・アンカラとの2026-27シーズンの契約が正式発表された。9月21日には自身のSNSを通じてトルコへ出発したことを報告し、新シーズンに向けてチームに合流した。
本人が語った移籍の理由移籍発表時、石川はトルコリーグでプレーすることについて、初めての経験であり、その新しい経験が自分を成長させると確信している趣旨のコメントを発表した。
また、トルコリーグだけでなく、カップ戦やチャンピオンズリーグでの優勝を目指す意欲も示している。
ここから読み取れるのは、移籍が単なる所属先の変更ではなく、競技者として新たな環境に身を置くための挑戦だということだ。イタリアで11シーズンを経験した選手が、あえて別の国のリーグに進むことには、プレーの幅を広げる意味もある。
一方、ペルージャでの出場機会が限られたことを移籍の唯一の理由とするのは適切ではない。負傷と競争の厳しさは2025-26シーズンの背景にあったが、本人が公表した移籍の中心的な説明は、新しい経験による成長とタイトル獲得への意欲である。
【男子日本代表主将】2026年ネーションズリーグとアジア選手権の実績
クラブでの挑戦と並んで、石川祐希を語るうえで欠かせないのが男子日本代表での役割だ。石川は2021年に日本代表の主将に就任し、東京五輪、パリ五輪を含む国際大会でチームをけん引してきた。
ネーションズリーグ2026は日本が4位2026年のバレーボールネーションズリーグでは、男子日本代表が予選ラウンドを12勝0敗で突破した。安定した戦いを続け、決勝ラウンドでも上位進出を果たした。
しかし、準決勝ではアメリカに2-3で惜敗。3位決定戦でもスロベニアに1-3で敗れ、最終順位は4位となった。
優勝には届かなかったものの、予選ラウンドでの12連勝は日本の競争力を示す結果だった。主将としての石川には、攻撃面の貢献だけでなく、苦しい試合でチームをまとめる役割も求められる。
アジア選手権2026で優勝、ロサンゼルス五輪の出場権を獲得2026年9月13日、福岡県北九州市で開催された男子アジア選手権の決勝で、日本はイランと対戦した。
日本は25-21、26-24、25-23のセットカウント3-0で勝利。アジア王者に輝くとともに、2028年ロサンゼルス五輪の出場権を獲得した。
この試合では主将の石川がスターティングメンバーに名を連ね、チームをけん引した。五輪出場を大会の早い段階で決められたことは、今後の代表強化にとっても大きな意味を持つ。
2026年の代表活動を整理すると、ネーションズリーグ4位という課題と、アジア選手権優勝という成果の両方が見えてくる。石川にとってトルコでのクラブ活動は、次の国際大会に向けて個人の状態とプレーの幅を整える機会にもなる。
【プロフィール・経歴】身長192cmのアウトサイドヒッターが歩んだ道
石川祐希は1995年12月11日生まれ、愛知県出身。日本バレーボール界を代表するアウトサイドヒッターで、身長は192cm。2026年10月31日時点では30歳だ。
アウトサイドヒッターは、攻撃だけでなくサーブレシーブや守備にも関わるポジションである。石川の持ち味は、強烈なスパイクだけではない。相手ブロックを見極めたコース打ち、レシーブの安定感、試合展開を読む判断力など、攻守を通じた総合力にある。
星城高校から中央大学、そしてイタリアへ石川は星城高校時代、2012年と2013年に2年連続で高校3冠を達成した。高校バレーで圧倒的な実績を残した後、2014年に中央大学へ進学。同年には日本代表デビューも果たし、大学在学中からイタリアのトップリーグに挑戦した。
特筆すべきなのは、大学での学業・競技活動と海外クラブでの経験を並行させていたことだ。海外でのプレー経験を早い段階から積み重ね、卒業後は本格的にプロ選手としての道を歩んだ。
これまでの主な経歴を時系列で整理すると、次のようになる。
| 時期 | 所属・出来事 | 主な実績・備考 |
|---|---|---|
| 2012~2013年 | 星城高校 | 2年連続で高校3冠を達成 |
| 2014~2015年 | 中央大学・モデナ | 大学在学中にイタリア挑戦、日本代表デビュー |
| 2016~2018年 | ラティーナ | イタリア1部で2シーズンプレー |
| 2018~2019年 | シエナ | 大学卒業後、本格的にプロ活動 |
| 2019~2020年 | パドヴァ | セリエAで経験を積む |
| 2020~2024年 | ミラノ | 攻守の中心選手として活躍 |
| 2024~2026年 | ペルージャ | 2025-26シーズンにクラブが4冠 |
| 2026~ | ジラート・バンク・アンカラ | トルコリーグ初挑戦 |
2014-15シーズンのモデナから2025-26シーズンのペルージャまで、イタリアで積み上げた経験は約11シーズンに及ぶ。複数のクラブを渡り歩きながら、世界トップレベルの選手や指導者と競い続けたことが、現在のプレースタイルの土台になっている。
【プロの分析】トルコ移籍後に注目すべき3つのポイント
石川祐希の2026-27シーズンを評価する際、単純に得点ランキングや勝敗だけを追うと、本当の成長を見落とす可能性がある。注目したいのは、次の3つのポイントだ。
1. 新しいリーグへの適応力イタリアで長年プレーしてきた石川にとって、トルコリーグは初めての環境だ。チームの戦術、練習方法、試合の進め方、チームメートとの連係など、新たに適応すべき要素は少なくない。
特にアウトサイドヒッターは、攻撃だけでなくレシーブの安定性も求められる。相手のサーブに対応しながら攻撃参加を続けられるかどうかが、シーズンを通じた評価の基準になる。
2. 負傷からの回復と出場時間ペルージャでの最終シーズンは、右膝の負傷が大きな課題になった。開幕戦で16得点を挙げたことは好材料だが、第2節でベンチ外となったことも含め、コンディションの推移は注意深く見る必要がある。
一試合の得点数だけではなく、複数試合にわたって先発出場できるか、攻撃と守備の両方で安定したプレーを続けられるかが重要だ。
3. クラブと日本代表の両立石川はジラートの主力候補であると同時に、日本代表の主将でもある。クラブではリーグ優勝と欧州大会制覇を目指し、代表ではロサンゼルス五輪に向けたチーム強化を担う。
2028年五輪の出場権を獲得した日本代表にとって、今後は本大会でメダルを狙えるチームを作ることが課題となる。石川自身のプレーの成熟だけでなく、若手選手との連係やチーム全体の完成度を高める役割も大きい。
トルコ移籍の価値は、タイトルを獲得できるかどうかだけでは測れない。異なる競技環境でプレーの引き出しを増やし、その経験を代表チームに持ち帰れるか。ここに新天地での挑戦の本質がある。
【石川祐希バレー】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:石川祐希の現在の所属チームはどこですか?
A1:2026-27シーズンはトルコ1部リーグのジラート・バンク・アンカラ(Ziraat Bankkart)に所属しています。クラブでの背番号は11番です。
Q2:石川祐希はペルージャで何冠を達成しましたか?
A2:2025-26シーズンにペルージャが4冠を達成しました。世界クラブ選手権、イタリア・スーペルコッパ、セリエA、CEVチャンピオンズリーグの4大会です。ただし、石川本人は負傷の影響で出場機会が限られていました。
Q3:石川祐希がトルコに移籍した理由は何ですか?
A3:本人は、新しい経験が自身の成長につながると説明しています。トルコリーグ、カップ戦、チャンピオンズリーグでの優勝も新天地での目標として掲げています。
Q4:石川祐希の身長とポジションは?
A4:身長192cm、ポジションはアウトサイドヒッター(OH)です。スパイクだけでなく、サーブレシーブや守備、試合全体を読む判断力にも優れています。
Q5:石川祐希は日本代表の主将ですか?
A5:はい。2021年から男子日本代表の主将を務めています。2026年のネーションズリーグでは日本が4位、アジア選手権では優勝し、ロサンゼルス五輪の出場権を獲得しました。
Q6:石川祐希の出身高校と大学はどこですか?
A6:愛知県の星城高校から中央大学へ進学しました。高校時代は2012年と2013年に2年連続で高校3冠を達成し、大学在学中の2014年からイタリアでプレーしました。
石川祐希の2026年は、長年プレーしたイタリアを離れ、トルコのジラート・バンク・アンカラへ移籍した大きな転換点となった。
ペルージャでは2025-26シーズンの4冠を経験した一方、右膝の負傷によって個人としては出場機会に恵まれない時期もあった。その悔しさを新天地でどう生かすかが、今シーズンの大きな見どころだ。
日本代表では主将として2026年アジア選手権を制し、2028年ロサンゼルス五輪の出場権を獲得。ネーションズリーグでも4位という結果を残した。
今後の石川祐希を追うなら、確認すべきポイントは3つ。ジラートでの出場時間と得点、負傷からの完全な回復、そして日本代表でのリーダーシップである。
イタリアで築いた11シーズンの実績を持ち、新たにトルコリーグへ挑む30歳のアウトサイドヒッター。クラブでのタイトル獲得と、2028年ロサンゼルス五輪でのメダル獲得という2つの目標に向けた石川祐希の次の挑戦から目が離せない。
主要な参照資料: 日本バレーボール協会、JOC、FIVB、Volleyball World、CEV、ジラート公式クラブ情報、日刊スポーツ、TBS NEWS DIG、バレーボールキング、Sportivaなどの大会記録・公式発表・報道資料。