読売ジャイアンツの守護神、ライデル・マルティネスが2026年シーズンも圧倒的な存在感を示した。57試合に登板して42セーブ、防御率1.38。3年連続4度目となる最多セーブのタイトルを獲得し、9月10日にはNPB史上最速となる通算411試合目で250セーブに到達した。
中日ドラゴンズで育成選手から球界屈指のクローザーへと成長し、2025年に巨人へ移籍した右腕。背番号92を背負う現在の活躍だけでなく、移籍を決断した理由、キューバ代表としての活動、4年契約の残り期間も注目されている。2026年10月31日時点の公式記録と報道をもとに、実績と今後の展望を整理する。
【2026年成績】57登板・42セーブ・防御率1.38で3年連続セーブ王

2026年のライデル・マルティネスは、巨人の絶対的な守護神としてシーズンを完走した。NPB公式の2026年度個人投手成績によると、最終成績は57試合登板、5勝4敗、42セーブ、3ホールド、防御率1.38だった。
特に注目したいのは、42セーブという数字だけではない。52回1/3を投げて被安打30、奪三振56、与四球13、被本塁打2。相手打線に大きなチャンスを与えにくい投球を続け、救援投手として高い安定感を維持した。
NPBが発表した2026年度セントラル・リーグ表彰では、マルティネスが42セーブで最多セーブ投手賞を受賞。これで3年連続4度目のタイトル獲得となった。
タイトル獲得の内訳は2022年の中日時代に初受賞し、2024年に2度目、巨人移籍後の2025年に3度目、そして2026年に4度目という流れだ。外国人投手としても最多回数の受賞となり、長期間にわたって日本球界のトップクラスで活躍していることが分かる。
2025年は58試合登板、46セーブ、防御率1.11。2026年は登板数が1試合減り、セーブ数も4つ減少したものの、防御率1.38で42セーブを記録している。数字の変化だけを見て調子を落としたと判断するのは早計だ。42セーブはリーグ最多であり、十分に優秀なシーズンだった。
2026年はキューバ代表としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加した影響もあり、巨人への合流が遅れた。3月26日にチームの全体練習に合流し、開幕時点では調整を優先する状況だった。それでも57試合に登板し、42セーブまで積み上げた点は評価に値する。
【250セーブ達成】史上最速411試合目の記録とNPB名球会の価値
2026年9月10日、東京ドームで行われた中日戦。巨人が5対3でリードする9回にマルティネスが登板した。相手は2017年から2024年まで所属した古巣・中日だった。
先頭打者を二ゴロ、続く打者を三ゴロ、最後の打者も二ゴロに打ち取り、わずか5球で試合を締めくくった。このセーブによって通算250セーブを達成した。
この記録が歴史的なのは、達成までに要した登板数にある。従来の最速記録は元横浜などで活躍した佐々木主浩の435試合。マルティネスはこれを大きく更新し、通算411試合目で250セーブに到達した。
NPB史上6人目、外国籍投手としては初めての250セーブ達成であり、20代でこの記録に到達したことも史上初だった。
NPB公式の記録記事では、達成時点の通算防御率は1.59、WHIPは0.86と紹介されている。250セーブという積み重ねに加え、長期間にわたって失点を抑えてきた投球の質が記録を支えている。
また、通算250セーブは日本プロ野球名球会の投手部門における入会資格を満たす重要な基準でもある。マルティネスは外国籍選手として初めて、この250セーブの条件を達成した投手となった。名球会の公式発表でも、その功績が紹介されている。
なお、250セーブ達成時の411試合と、2026年シーズン終了時の418試合は、集計時点が異なる数字だ。9月10日の記録達成後も登板を重ね、最終的には通算254セーブ、418登板まで数字を伸ばした。
2026年終了時点のNPB通算セーブランキングでは、岩瀬仁紀の407セーブ、高津臣吾の286セーブに続く歴代3位。252セーブの佐々木主浩も上回っている。現役選手ではトップの数字だ。
【中日から巨人へ】ライデル・マルティネスの移籍理由は優勝への思い
マルティネスの日本でのキャリアは2017年に始まった。20歳でキューバから来日し、中日ドラゴンズに育成選手として入団。当初の背番号は211だった。
2018年4月に支配下登録を勝ち取り、背番号97に変更。2019年から本格的に抑えを任されるようになり、速球を中心とした力強い投球で評価を高めていった。
中日時代の大きな転換点は2020年だ。40試合に登板して21セーブ、防御率1.13を記録。2021年には23セーブ、2022年には39セーブを挙げ、初めて最多セーブのタイトルを獲得した。
2023年には防御率0.39という圧巻の数字を残し、2024年には60試合登板、43セーブ、防御率1.09を記録。中日で最後のシーズンもリーグ屈指の守護神として活躍した。
2024年オフ、中日を自由契約となったマルティネスには複数球団が関心を示した。最終的に巨人との契約合意が発表されたのは2024年12月16日。2025年から新天地でプレーすることになった。
では、なぜ中日から巨人への移籍を決断したのか。
2025年1月26日の巨人入団会見で、本人は8年間ドラゴンズでプレーしたことを振り返りながら、優勝争いができるチームでプレーしたいという気持ちがあったと説明した。
さらに、契約金額について質問された際には、お金よりもプレーオフに出られる競争力のあるチームでプレーしたいという思いが強かったと語り、「優勝の瞬間を経験したい」という趣旨の発言もしている。
つまり、移籍の背景には単なる条件面だけでなく、選手として優勝を経験したいという明確な目標があった。巨人は優勝争いを続けるチームであり、本人の希望と球団の補強方針が一致した形だ。
2025年1月26日の入団会見では、どのポジションを任されても100%の力を尽くすという姿勢も示していた。実際には守護神として起用され、巨人の勝利を締めくくる役割を担っている。
【年度別成績を比較】中日時代と巨人移籍後で何が変わった?
ライデル・マルティネスの評価を正しく理解するには、中日時代と巨人移籍後の成績を並べることが有効だ。NPB公式の年度別成績を中心に整理すると、長年にわたる安定感と、移籍後も変わらない実力が見えてくる。
| 年度 | 所属球団 | 登板 | セーブ | 防御率 |
|---|---|---|---|---|
| 2018年 | 中日 | 7 | 0 | 6.65 |
| 2019年 | 中日 | 43 | 8 | 2.66 |
| 2020年 | 中日 | 40 | 21 | 1.13 |
| 2021年 | 中日 | 49 | 23 | 2.06 |
| 2022年 | 中日 | 56 | 39 | 0.97 |
| 2023年 | 中日 | 48 | 32 | 0.39 |
| 2024年 | 中日 | 60 | 43 | 1.09 |
| 2025年 | 巨人 | 58 | 46 | 1.11 |
| 2026年 | 巨人 | 57 | 42 | 1.38 |
中日時代の2018年から2024年までの7シーズンでは、303試合に登板して166セーブを記録した。一方、巨人移籍後の2025年と2026年は115試合で88セーブ。所属球団が変わっても、セーブを積み重ねる能力は維持されている。
特に目を引くのが2025年の46セーブだ。巨人加入1年目から最多セーブのタイトルを獲得し、新しいチームの守護神としてすぐに結果を出した。2026年も42セーブでタイトルを守り、移籍が成功だったことを成績で示している。
中日時代の最高の防御率は2023年の0.39。2026年の1.38と比較すると、数字の上では中日時代のほうが優れていたシーズンもある。ただし、防御率だけでクローザーの価値を判断することはできない。
重要なのは、チームの勝利が懸かる終盤で何度も登板し、リードを守り切る能力だ。2025年と2026年の2年間で合計88セーブを記録した実績は、巨人のブルペンにおける存在感を明確に示している。
【4年契約と背番号92】2026年10月現在の契約状況とキューバ代表での活動
巨人とマルティネスの契約は2025年からの4年契約として報じられている。2026年シーズンはその2年目に当たり、10月にシーズンを終えた時点で契約期間はまだ残っている。
4年契約を2025年からの契約期間として考えれば、2027年と2028年が残る2シーズンに当たる。契約の具体的な出来高や細かな条項については公表情報が限られているため、報道された契約期間と非公表の契約条件は区別して理解したい。
移籍後の背番号は92。これは中日時代から使用していた番号であり、巨人でも同じ背番号を選んだ。新しい球団に移籍しても、本人が長く使用してきた番号を継続した点はファンにとっても分かりやすい特徴だ。
また、2026年はキューバ代表としてWBCに参加したシーズンでもある。代表活動を終えてから日本に戻るまでに時間を要し、3月26日に巨人の全体練習に合流した。開幕時点では調整が必要だったものの、その後は守護神として本来の役割を果たした。
2026年10月21日にはキューバへの帰国前に取材に応じ、今シーズンについて振り返っている。報道によると、本人はWBCによってチームへの合流が遅れたものの、シーズン全体としては良い年だったという趣旨のコメントを残した。
一方で、個人成績だけでは満足していない。巨人は2026年の優勝争いを繰り広げたものの、最終的にリーグ優勝には届かず、クライマックスシリーズのファーストステージでもDeNAに敗れた。
マルティネス自身も、シーズン終盤の敗戦について納得していないという思いを示し、さらに練習を続ける必要性を語っている。個人タイトルを獲得しても、チームとして目指した優勝や日本一を達成できなかったことが、次のシーズンへの課題になっている。
【プロの視点】ライデル・マルティネスの本当の強さと2027年以降の展望
マルティネスの強さは、単純な球速や奪三振数だけでは説明できない。NPB公式の250セーブ達成時の記録記事では、今季最速159キロの直球に加えて、通算防御率1.59、WHIP0.86という安定性が評価されている。
クローザーは、試合の流れが決まる重要な局面で登板する。先発投手のように長いイニングを投げる必要はないが、わずかな失投が勝敗を左右する。したがって、毎回の登板で高い集中力を維持し、走者を出しても失点を防ぐ能力が欠かせない。
マルティネスは中日時代から巨人移籍後まで、複数年にわたってセーブ数を積み重ねてきた。特に2020年から2026年まで7年連続20セーブ以上、2022年から2026年まで5年連続30セーブ以上という名球会の公式発表に記された実績は、短期的な好調ではなく、継続的な能力を証明する材料になっている。
一方で、2026年のポストシーズンでは課題も残った。DeNAとのクライマックスシリーズ第1戦では、同点の9回に決勝本塁打を許した。レギュラーシーズンで42セーブを挙げた投手であっても、短期決戦では一球の結果が重くなる。
本人がシーズン終了後に「まだまだ練習しなければならない」という姿勢を示したことは、今後を考えるうえで重要だ。30歳を迎えた2026年も、本人は体力の低下を過度に意識せず、毎年の練習計画を実行することに集中する考えを示している。
2027年以降の評価ポイントは、大きく3つある。
第一に、継続的なセーブ数の確保。2025年の46セーブ、2026年の42セーブに続き、どれだけ安定して勝ち試合を締めくくれるかが焦点となる。
第二に、健康状態と登板負荷の管理。クローザーはシーズンを通じて高い出力を求められるポジションだ。大きな故障を避けながら、シーズン終盤まで球威と制球を維持できるかが重要になる。
第三に、ポストシーズンでの結果。マルティネスが巨人を選んだ大きな理由は優勝の瞬間を経験することだった。レギュラーシーズンの個人タイトルに加え、クライマックスシリーズや日本シリーズで結果を残せるかが、本人にとっても大きな目標となる。
今後の成績を見る際には、セーブ数だけでなく、防御率、WHIP、与四球、被本塁打、ポストシーズンでの投球内容を合わせて確認したい。これらを総合することで、単なるタイトル獲得回数以上に、守護神としての実力を正確に評価できる。
【巨人ライデル・マルティネス】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ライデル・マルティネスの2026年の成績は?
A1:2026年は57試合に登板し、5勝4敗、42セーブ、3ホールド、防御率1.38を記録した。42セーブでセ・リーグ最多セーブのタイトルを獲得し、3年連続4度目の受賞となった。
Q2:ライデル・マルティネスは通算250セーブを何試合目で達成した?
A2:2026年9月10日の中日戦で達成した。通算411試合目での到達はNPB史上最速であり、外国籍投手としても初めての快挙だった。2026年シーズン終了時点では通算254セーブ、418登板となっている。
Q3:ライデル・マルティネスが中日から巨人に移籍した理由は?
A3:2025年1月の入団会見で、本人は優勝争いができる競争力のあるチームでプレーしたいという思いを説明した。特に、優勝の瞬間を経験したいという目標が移籍を決断した理由として語られている。
Q4:ライデル・マルティネスの巨人での契約は何年?
A4:2025年からの4年契約と報じられている。2026年は2年目であり、契約期間はまだ残っている。具体的な契約条項や詳細な金額は公表情報と報道を区別して確認する必要がある。
Q5:巨人での背番号は何番?
A5:背番号は92。中日時代から使用していた番号を巨人でも引き継いでいる。
Q6:ライデル・マルティネスは名球会に入れる?
A6:通算250セーブという名球会の投手部門の入会資格を満たしている。2026年9月10日に外国籍投手として初めて250セーブに到達した。資格達成と正式な入会手続きは区別して考える必要がある。
ライデル・マルティネスは2026年、57登板、42セーブ、防御率1.38という優れた成績を残し、3年連続4度目の最多セーブを獲得した。さらに9月10日には通算250セーブを史上最速の411試合目で達成。シーズン終了時点では254セーブまで数字を伸ばしている。
中日の育成選手からスタートし、2017年の来日から約9年でNPBを代表する守護神に成長したキャリアは特筆に値する。2025年の巨人移籍も、優勝争いのできるチームでプレーしたいという本人の希望が背景にあった。
2026年10月時点では4年契約の2年目を終え、背番号92の守護神として巨人に在籍している。個人としては名球会の250セーブ条件をクリアし、歴代通算セーブランキングでも上位に進出した。
次の焦点は、2027年以降も高いパフォーマンスを維持できるか、そして本人が望むリーグ優勝・日本一を実現できるかだ。42セーブという数字だけでなく、重要な場面での安定感と大舞台での投球にも注目したい。巨人の優勝を支える最後の一人として、ライデル・マルティネスの次のシーズンは大きな意味を持つ。
主な事実確認資料: NPB公式年度別成績・2026年度表彰記録・250セーブ達成記事、日本プロ野球名球会の公式発表、2025年入団会見の中日スポーツ報道、2026年シーズン終了後のスポーツ報知・デイリースポーツ報道。