2023年のドラフト会議では、支配下指名72人、育成指名50人の計122人が選ばれた。指名人数は前年より4人少なかったものの、大学生の即戦力候補、高校生の将来性豊かな選手、独立リーグで実績を積んだ選手まで、幅広いカテゴリーから人材が集まった。
指名人数を球団別に見ると、ソフトバンクが15人で最多。西武が13人、巨人とオリックスが各12人と続いた。一方、ヤクルトは7人で最少だった。
また、全122人のポジション別内訳は投手71人、内野手28人、外野手15人、捕手8人。投手の指名が全体の半数を超え、各球団が投手力の整備を重視したことがうかがえる。
2023年ドラフトの基本データ| 項目 | 指名結果 |
|---|---|
| 開催日 | 2023年10月26日 |
| 参加球団 | 12球団 |
| 支配下指名 | 72人 |
| 育成指名 | 50人 |
| 指名総数 | 122人 |
| 投手 | 71人 |
| 捕手 | 8人 |
| 内野手 | 28人 |
| 外野手 | 15人 |
| 最多指名球団 | ソフトバンク・15人 |
| 最少指名球団 | ヤクルト・7人 |
各球団の1位指名は次のとおり。
| 球団 | 1位指名選手 | 所属 |
|---|---|---|
| 阪神 | 下村海翔 | 青山学院大 |
| 広島 | 常廣羽也斗 | 青山学院大 |
| DeNA | 度会隆輝 | ENEOS |
| 巨人 | 西舘勇陽 | 中央大 |
| ヤクルト | 西舘昂汰 | 専修大 |
| 中日 | 草加勝 | 亜細亜大 |
| オリックス | 横山聖哉 | 上田西高 |
| ロッテ | 上田希由翔 | 明治大 |
| ソフトバンク | 前田悠伍 | 大阪桐蔭高 |
| 楽天 | 古謝樹 | 桐蔭横浜大 |
| 西武 | 武内夏暉 | 國學院大 |
| 日本ハム | 細野晴希 | 東洋大 |
2023年ドラフトの象徴的な場面は、度会隆輝を巡る抽選だった。
ENEOSで活躍していた度会には、DeNA、中日、ロッテの3球団が1位で入札。抽選の結果、DeNAが交渉権を獲得した。
DeNAにとっては、将来の打線を担う野手を最上位で獲得できたことが大きい。度会は入団後、一軍での出場機会を得て、ドラフト時の期待に応えるべく経験を積んできた。
もう一つの注目は武内夏暉だった。
國學院大の左腕には西武、ソフトバンク、ヤクルトの3球団が競合。西武が抽選を引き当てた。武内は大学時代から高い完成度を評価されており、西武が即戦力投手として期待した選手だった。
その後の実績を見ると、この抽選は西武にとって大きな成果となった。
さらに、常廣羽也斗には広島と楽天、西舘勇陽には巨人と日本ハムが競合。広島と巨人がそれぞれ交渉権を獲得している。
1巡目の抽選を外した球団も、外れ1位で有力選手を獲得した。
- ソフトバンク:前田悠伍を3球団競合の末に獲得
- 中日:草加勝をロッテとの競合で獲得
- 日本ハム:細野晴希をロッテとの競合で獲得
- ヤクルト:西舘昂汰を1位で指名
- 楽天:古謝樹を1位で指名
- ロッテ:上田希由翔を1位で指名
特に前田悠伍は、大阪桐蔭の左腕として高校野球ファンからも注目されていた存在。ソフトバンクが獲得したことで、将来の先発投手候補として期待を集めた。
【全122人掲載】2023年ドラフト会議の12球団指名選手一覧

ここからは、2023年10月26日の指名内容を球団別に整理する。
各球団の支配下指名と育成指名を分け、指名順位も付けた。育成選手についても、将来的な支配下登録や一軍定着につながる可能性があるため、全員を掲載する。
セ・リーグの指名選手阪神タイガース(8人:支配下6人・育成2人)
- 支配下1位:下村海翔
- 支配下2位:椎葉剛
- 支配下3位:山田脩也
- 支配下4位:百﨑蒼生
- 支配下5位:石黒佑弥
- 支配下6位:津田淳哉
- 育成1位:松原快
- 育成2位:福島圭音
青山学院大の下村を1位で獲得。大学生投手を中心に、将来性のある内野手や独立リーグ出身選手も加えた構成だった。
広島東洋カープ(8人:支配下5人・育成3人)
- 支配下1位:常廣羽也斗
- 支配下2位:高太一
- 支配下3位:滝田一希
- 支配下4位:仲田侑仁
- 支配下5位:赤塚健利
- 育成1位:杉田健
- 育成2位:佐藤啓介
- 育成3位:杉原望来
常廣、高、滝田と大学生投手を上位で指名。投手陣の将来を見据えた指名が目立った。
横浜DeNAベイスターズ(11人:支配下6人・育成5人)
- 支配下1位:度会隆輝
- 支配下2位:松本凌人
- 支配下3位:武田陸玖
- 支配下4位:石上泰輝
- 支配下5位:石田裕太郎
- 支配下6位:井上絢登
- 育成1位:高見澤郁魅
- 育成2位:清水麻成
- 育成3位:小笠原蒼
- 育成4位:庄司陽斗
- 育成5位:近藤大雅
度会を中心に、投手と野手をバランスよく指名。後に石田裕太郎が一軍で先発投手として実績を残した点も、この年のDeNAの特徴だ。
読売ジャイアンツ(12人:支配下5人・育成7人)
- 支配下1位:西舘勇陽
- 支配下2位:森田駿哉
- 支配下3位:佐々木俊輔
- 支配下4位:泉口友汰
- 支配下5位:又木鉄平
- 育成1位:三浦克也
- 育成2位:村山源
- 育成3位:宇都宮葵星
- 育成4位:田上優弥
- 育成5位:園田純規
- 育成6位:千葉隆広
- 育成7位:平山功太
社会人出身の選手を支配下で複数指名し、育成でも7人を獲得。特に泉口友汰の活躍が、後年の評価を大きく押し上げた。
東京ヤクルトスワローズ(7人:支配下5人・育成2人)
- 支配下1位:西舘昂汰
- 支配下2位:松本健吾
- 支配下3位:石原勇輝
- 支配下4位:鈴木叶
- 支配下5位:伊藤琉偉
- 育成1位:高橋翔聖
- 育成2位:高野颯太
投手に加えて捕手の鈴木叶を指名。捕手を含むポジションバランスを考えた補強だった。
中日ドラゴンズ(10人:支配下6人・育成4人)
- 支配下1位:草加勝
- 支配下2位:津田啓史
- 支配下3位:辻本倫太郎
- 支配下4位:福田幸之介
- 支配下5位:土生翔太
- 支配下6位:加藤竜馬
- 育成1位:日渡騰輝
- 育成2位:菊田翔友
- 育成3位:尾田剛樹
- 育成4位:川上理偉
度会の抽選に敗れた後、草加を1位で獲得。大学生・社会人・高校生・独立リーグから幅広く選手を指名した。
パ・リーグの指名選手オリックス・バファローズ(12人:支配下7人・育成5人)
- 支配下1位:横山聖哉
- 支配下2位:河内康介
- 支配下3位:東松快征
- 支配下4位:堀柊那
- 支配下5位:髙島泰都
- 支配下6位:古田島成龍
- 支配下7位:権田琉成
- 育成1位:寿賀弘都
- 育成2位:大江海透
- 育成3位:宮國凌空
- 育成4位:芦田丈飛
- 育成5位:河野聡太
高校生から社会人まで幅広く指名。横山聖哉を筆頭に、将来の野手陣と投手陣を整備する方針が見られた。
千葉ロッテマリーンズ(10人:支配下5人・育成5人)
- 支配下1位:上田希由翔
- 支配下2位:大谷輝龍
- 支配下3位:木村優人
- 支配下4位:早坂響
- 支配下5位:寺地隆成
- 育成1位:武内涼太
- 育成2位:松石信八
- 育成3位:髙野光海
- 育成4位:藤田和樹
- 育成5位:富山紘之進
複数の抽選に外れたものの、上田希由翔を獲得。高校生捕手の寺地隆成も後年の注目選手となった。
福岡ソフトバンクホークス(15人:支配下7人・育成8人)
- 支配下1位:前田悠伍
- 支配下2位:岩井俊介
- 支配下3位:廣瀬隆太
- 支配下4位:村田賢一
- 支配下5位:澤柳亮太郎
- 支配下6位:大山凌
- 支配下7位:藤田悠太郎
- 育成1位:大泉周也
- 育成2位:宮里優吾
- 育成3位:佐倉俠史朗
- 育成4位:中澤恒貴
- 育成5位:星野恒太朗
- 育成6位:藤原大翔
- 育成7位:藤田淳平
- 育成8位:長水啓眞
12球団最多の15人を指名。前田をはじめ投手の補強に力を入れ、育成でも8人を獲得した。
埼玉西武ライオンズ(13人:支配下7人・育成6人)
- 支配下1位:武内夏暉
- 支配下2位:上田大河
- 支配下3位:杉山遙希
- 支配下4位:成田晴風
- 支配下5位:宮澤太成
- 支配下6位:村田怜音
- 支配下7位:糸川亮太
- 育成1位:シンクレア・ジョセフ孝ノ助
- 育成2位:谷口朝陽
- 育成3位:川下将勲
- 育成4位:金子功児
- 育成5位:木瀬翔太
- 育成6位:奥村光一
武内を獲得したほか、投手を多く指名。支配下と育成を合わせて13人を確保した。
北海道日本ハムファイターズ(8人:支配下5人・育成3人)
- 支配下1位:細野晴希
- 支配下2位:進藤勇也
- 支配下3位:宮崎一樹
- 支配下4位:明瀬諒介
- 支配下5位:星野ひので
- 育成1位:濵田泰希
- 育成2位:平田大樹
- 育成3位:加藤大和
細野を1位で獲得し、捕手の進藤や外野手の宮崎なども指名。野手の層を厚くする狙いがあった。
東北楽天ゴールデンイーグルス(8人:支配下8人・育成指名なし)
- 支配下1位:古謝樹
- 支配下2位:坂井陽翔
- 支配下3位:日當直喜
- 支配下4位:ワォーターズ璃海ジュミル
- 支配下5位:松田啄磨
- 支配下6位:中島大輔
- 支配下7位:大内誠弥
- 支配下8位:青野拓海
12球団で唯一、育成選手を指名しなかった。高校生投手や大学生投手に加え、野手も確保した支配下中心の構成だった。
【2026年最新】ドラフト指名選手のその後の成績と通算WARランキング
2023年のドラフトを振り返るうえで、見逃せないのが指名後の一軍実績だ。
指名当時は1位選手や競合選手に注目が集まった。しかし、実際にプロで価値を生み出した選手を調べると、下位指名から大きく評価を上げた選手がいる。
2026年時点の一軍通算成績を集計したデータでは、指名された122人のうち一軍出場を記録した選手は74人。全体の約60%に当たる。
また、育成指名50人のうち11人が一軍に出場している。支配下指名以外からも一軍戦力が生まれている点は、この年のドラフトを振り返るうえで重要だ。
2023年ドラフト通算WARランキングTOP5WARは、打撃・守備・走塁・投球などを総合的に評価し、選手がチームの勝利にどれだけ貢献したかを表す指標だ。
以下は、2023年ドラフト指名選手の一軍通算成績を集計したサイトに掲載されている簡易WARの比較である。NPBが公式に発表する統一ランキングではなく、算出方法によって数値が異なる点には注意したい。
| 順位 | 選手 | 指名球団・順位 | 一軍通算WAR |
|---|---|---|---|
| 1位 | 泉口友汰 | 巨人4位 | 9.6 |
| 2位 | 武内夏暉 | 西武1位 | 5.9 |
| 3位 | 石田裕太郎 | DeNA5位 | 3.1 |
| 4位 | 度会隆輝 | DeNA1位 | 3.0 |
| 5位 | 中島大輔 | 楽天6位 | 2.9 |
2023年ドラフト4位・NTT西日本
一軍通算328試合、打率.272、15本塁打、14盗塁。
泉口友汰は、2023年ドラフトの成功例を語る際に欠かせない選手だ。
大阪桐蔭、青山学院大を経てNTT西日本でプレーし、巨人から4位指名を受けた。ドラフト当日は1位指名選手ほど大きく取り上げられた存在ではなかったが、プロ入り後に着実に出場機会を増やした。
NPB公式記録では、2024年は66試合、2025年は133試合、2026年は129試合に出場。2025年には打率.301を記録し、2026年も120安打、8本塁打を残している。
通算成績は328試合、307安打、打率.272。内野手として継続的に出場し、攻撃面でも数字を残している。
泉口の存在は、ドラフトの成功を1位指名だけで判断できないことを示す代表例だ。
2位・武内夏暉:西武が3球団競合で獲得した左腕
2023年ドラフト1位・國學院大
一軍通算56登板、25勝19敗、防御率3.17。
武内は2024年に21試合へ登板し、10勝6敗、防御率2.17を記録した。新人として先発ローテーションを担い、即戦力としての評価に応えたシーズンだった。
2025年は12試合、4勝5敗、防御率5.26と苦しんだものの、2026年には23試合に登板して11勝8敗、防御率3.27まで持ち直した。
2026年シーズン終了時点の通算成績は、56試合登板、25勝19敗、防御率3.17、351回2/3。先発投手として一定の実績を積み重ねている。
ドラフト時に3球団が競合した理由を、プロ入り後の成績が裏付けている。
3位・石田裕太郎:DeNA5位から先発ローテーション候補へ
2023年ドラフト5位・中央大
一軍通算53登板、12勝16敗、防御率3.36。
石田裕太郎は、2023年ドラフトの下位指名から台頭した代表的な投手だ。
中央大からDeNAに5位で入団。1位の度会に注目が集まる中、石田は5位という順位からプロでのキャリアをスタートさせた。
NPB公式記録によると、2024年は12試合に登板して4勝3敗、防御率3.97。2025年は21試合で3勝5敗、防御率3.57だった。
そして2026年には20試合に登板し、5勝8敗、防御率2.91を記録。投球回は120回2/3、奪三振117だった。
2026年終了時点の通算防御率は3.36。2026年だけを見ると防御率2.91まで改善しており、投手として成長を示した。
5位指名の投手が一軍で120イニング以上を投げる戦力になったことは、DeNAの指名を評価する材料になる。
4位・度会隆輝:競合1位の期待を背負った外野手
2023年ドラフト1位・ENEOS
一軍通算295試合、打率.260、18本塁打。
度会は2023年ドラフトの顔ともいえる存在だ。
3球団競合の末にDeNAが交渉権を獲得し、社会人野球で培った打撃技術をプロの舞台で発揮することが期待された。
一軍通算成績の集計では、295試合、打率.260、18本塁打。1位指名の重圧を背負いながら経験を積み重ねている。
ただし、WARの比較では4位。ドラフト当日の注目度と、プロで積み重ねた貢献度が必ずしも一致しないことが分かる。
5位・中島大輔:楽天6位から存在感を高めた外野手
2023年ドラフト6位・青山学院大
一軍通算286試合、打率.265、12本塁打、34盗塁。
中島は青山学院大から楽天に6位で指名された外野手だ。
一軍通算286試合に出場し、打率.265、12本塁打、34盗塁を記録。長打力だけでなく、走塁面でも貢献している。
6位という指名順位を考えれば、球団にとって大きな戦力補強となった選手の一人だ。
前田悠伍の指名後の成長にも注目2023年ドラフト1位・大阪桐蔭高
高校生左腕として3球団が競合した注目選手。
前田は高校生ながら1位指名を受けた投手で、ソフトバンク、楽天、日本ハムの3球団が交渉権を争った。
ソフトバンクが獲得した後、プロで経験を積み、2026年時点の集計データでは一軍23登板、13勝2敗、防御率2.64、簡易WAR1.7を記録している。
大学生・社会人の即戦力候補とは異なり、高校生は育成期間を考慮する必要がある。前田のような選手は、数年間の成長曲線を追って評価することが欠かせない。
【球団別ドラフト評価】2023年の指名はどこが成功したのか?
ドラフト会議直後の評価と、数年後の実績は必ずしも同じにならない。
2023年の指名を球団別に比較すると、その違いがはっきりする。
ここでは、一軍での通算WARを合計した独自集計を使い、12球団の結果を比較する。
12球団のドラフト採点・通算WAR比較| 順位 | 球団 | 指名人数 | 一軍出場者 | WAR合計 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 巨人 | 12人 | 7人 | 9.6 |
| 2 | DeNA | 11人 | 8人 | 6.0 |
| 3 | 楽天 | 8人 | 7人 | 5.3 |
| 4 | 日本ハム | 8人 | 3人 | 3.2 |
| 5 | 西武 | 13人 | 7人 | 3.0 |
| 6 | ロッテ | 10人 | 5人 | 1.3 |
| 7 | ソフトバンク | 15人 | 7人 | 0.9 |
| 8 | ヤクルト | 7人 | 5人 | 0.4 |
| 9 | 広島 | 8人 | 6人 | -0.3 |
| 10 | 阪神 | 8人 | 6人 | -0.4 |
| 11 | オリックス | 12人 | 7人 | -1.2 |
| 12 | 中日 | 10人 | 6人 | -1.7 |
出典:2023年ドラフト答え合わせの独自簡易WAR集計。公式のNPB球団別採点ではない。
1位・巨人:泉口友汰の4位指名が最大の成果巨人は12人を指名し、一軍出場者は7人。WAR合計9.6で12球団トップとなった。
最大の要因は泉口友汰の活躍だ。
ドラフト4位という順位から、チームの中心選手に成長したことは、スカウトの評価と獲得戦略が実を結んだ例として注目できる。
また、3位の佐々木俊輔も一軍235試合に出場。上位指名だけに依存しない選手獲得が、集計結果に表れている。
2位・DeNA:度会と石田の両輪が成果DeNAはWAR合計6.0で2位。
1位の度会はもちろん、5位の石田裕太郎が3.1という高いWARを記録した点が大きい。
1位の競合選手だけでなく、5位の投手も一軍で先発として結果を残したことは、指名全体の価値を高めている。
3位・楽天:8人の指名で高い効率楽天は8人という比較的少ない指名人数ながら、WAR合計5.3で3位となった。
特に6位の中島大輔が通算WAR2.9を記録。指名人数が多ければ必ず成功するわけではないことを示している。
4位・日本ハム:指名人数よりも今後の成長に期待日本ハムは8人を指名したが、一軍出場者は3人。WAR合計は3.2だった。
一軍出場者の人数だけを見ると少ないが、細野晴希や進藤勇也など、今後の成長を期待できる選手もいる。
特に高校生指名選手は、プロでの経験を積みながら評価が変わる可能性がある。
5位・西武:武内夏暉の獲得が大きな成果西武は13人を指名し、WAR合計3.0で5位。
武内の活躍は明確な成果だ。2024年の新人シーズンから先発投手として結果を残し、2026年も11勝を記録した。
一方で、他の指名選手がどれだけ一軍戦力として成長するかが、今後のドラフト評価を左右する。
下位球団は失敗だったのか?WAR集計で下位となった球団についても、単純に失敗と決めつけることはできない。
オリックスは12人を指名し、7人が一軍出場を経験している。中日も10人中6人が一軍出場を記録している。
WARは選手の貢献を比較するうえで有用だが、故障、出場機会、ポジション事情、育成期間などをすべて説明するものではない。
例えば、投手の一軍出場が少ない場合でも、二軍での成長や将来の先発候補としての価値は残る。
ドラフト直後の自己採点と2026年の実績は違う興味深いのは、ドラフト直後に各球団が示した自己評価だ。
2023年10月27日の各球団のコメントをまとめた資料では、楽天の今江監督が100点、ロッテの吉井監督が100点満点、ヤクルトの高津監督が99点、中日の立浪監督が80点と自己採点している。
つまり、当日の評価では楽天やロッテ、ヤクルトが高い満足感を示していた。
一方、数年後のWAR集計では巨人がトップ、DeNAが2位となっている。
この差は、ドラフトの評価が時間とともに変化することを示している。指名時の狙いが正しかったかどうかは、入団後の成長と一軍での貢献を見て初めて判断できる。
【プロの結論】2023年ドラフトの本当の勝者は誰だったのか?
2023年ドラフトを2026年の実績から振り返ると、3つの重要なポイントが見えてくる。
1. 1位指名だけでドラフトの成否は決まらない度会隆輝、武内夏暉、常廣羽也斗、西舘勇陽など、1位指名には注目選手が並んだ。
しかし、簡易WARのトップは巨人4位の泉口友汰だ。
さらに、DeNA5位の石田裕太郎も上位に入っている。
これは、ドラフトにおいて上位指名選手の獲得だけでなく、2位以下の選手をどれだけ見極められるかが重要であることを示す。
2. 即戦力と将来性のバランスが重要大学生・社会人選手は、比較的早い段階から一軍で活躍する可能性がある。
一方、高校生はプロでの成長に時間がかかる場合がある。
例えば、武内夏暉は大学生の即戦力左腕として早期に結果を出した。一方、前田悠伍は高校生投手として入団後に経験を積み重ねている。
同じ1位指名でも、選手によって期待される成長期間は異なる。
3. 育成指名にも長期的な価値がある2023年の育成指名は50人。そのうち11人が一軍出場を経験したという集計がある。
巨人育成7位の平山功太、オリックス育成3位の宮國凌空など、育成から一軍に進んだ選手もいる。
育成ドラフトは、支配下登録されていないという理由だけで価値が低いわけではない。
選手の成長を支える環境、指導体制、二軍での出場機会がそろえば、育成指名から一軍戦力に成長する可能性がある。
2023年ドラフトで最も評価すべきなのは、1位指名の華やかさだけでなく、下位指名や育成指名からも一軍で貢献する選手を見つけ出した球団の編成力だ。
【ドラフト会議2023結果】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2023年のプロ野球ドラフト会議では何人が指名されましたか?
A1:合計122人です。内訳は支配下指名72人、育成指名50人でした。12球団のうち、ソフトバンクが15人で最多指名となりました。
Q2:2023年ドラフトで度会隆輝を指名した球団はどこですか?
A2:DeNA、中日、ロッテの3球団です。抽選の結果、DeNAが交渉権を獲得しました。
Q3:2023年ドラフトの1位指名選手は誰ですか?
A3:下村海翔、常廣羽也斗、度会隆輝、西舘勇陽、西舘昂汰、草加勝、横山聖哉、上田希由翔、前田悠伍、古謝樹、武内夏暉、細野晴希の12人です。
Q4:2023年ドラフトで最も活躍した選手は誰ですか?
A4:2026年時点の一軍通算成績を集計した簡易WARでは、巨人4位の泉口友汰が9.6でトップです。2位は西武1位の武内夏暉で5.9、3位はDeNA5位の石田裕太郎で3.1です。
Q5:前田悠伍はどの球団に指名されましたか?
A5:福岡ソフトバンクホークスです。2023年のドラフト1位で、当初の1位入札後の抽選で楽天、日本ハムとの3球団競合を制して交渉権を獲得しました。
Q6:育成ドラフトから一軍で活躍した選手はいますか?
A6:います。2023年の育成指名50人のうち、集計データでは11人が一軍出場を経験しています。巨人育成7位の平山功太や、オリックス育成3位の宮國凌空などが該当します。
Q7:2023年ドラフトで球団別の成績が最も良かったのはどこですか?
A7:一軍通算WARの独自集計では巨人が9.6でトップです。DeNAが6.0、楽天が5.3で続いています。ただし、WARは算出方法によって数値が変わるため、公式の球団別順位ではありません。
2023年10月26日に開催されたプロ野球ドラフト会議では、12球団が合計122人を指名した。
度会隆輝の3球団競合、武内夏暉の西武入団、前田悠伍のソフトバンク入団など、当日は多くの注目選手が話題となった。
しかし、2026年までの実績を振り返ると、ドラフトの評価を決めたのは1位指名だけではなかった。
- 巨人: 4位の泉口友汰が簡易WARトップの9.6を記録。
- 西武: 1位の武内夏暉が通算25勝を記録。
- DeNA: 5位の石田裕太郎が通算防御率3.36を記録。
- 楽天: 6位の中島大輔が通算34盗塁を記録。
- ソフトバンク: 1位の前田悠伍が一軍で経験を積み重ねる。
ドラフト会議は、指名された瞬間に成功か失敗かが決まるものではない。選手の成長、球団の育成方針、出場機会、チーム事情によって評価は変化する。
2023年ドラフトの結果が示したのは、本当に優れたドラフトとは、1位選手を獲得するだけでなく、下位指名や育成選手まで含めて将来の戦力を生み出すドラフトであるということだ。
2026年時点では泉口友汰が最大の成功例として浮かび上がるが、まだキャリアの途中にいる選手も多い。2023年に指名された122人が今後どこまで成長するのか、各球団の育成力とともに引き続き注目したい。