新日本プロレスで「キング・オブ・ダークネス」の異名を持ち、圧倒的な存在感を放ってきたEVIL(イービル)。内藤哲也のパレハとして2015年に登場し、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(L・I・J)の一員として活躍した後、2020年には衝撃的な裏切りによってプロレス界の勢力図を揺るがしたレスラーだ。
しかし、2026年のEVILを語るうえで見逃せない大きな変化がある。2026年1月末に新日本プロレスを退団し、現在はWWEのNXTで「NARAKU(奈落)」というリングネームで活動しているのだ。かつて率いたHOUSE OF TORTUREでの活動は、現在の所属状況とは区別して理解する必要がある。
【正体とプロフィール】EVILは何者?本名・年齢・身長・体重を整理

キング・オブ・ダークネスEVILの正体は、静岡県三島市出身のプロレスラー、渡辺高章(わたなべ・たかあき)だ。
EVILは覆面レスラーではなく、独特のダークなキャラクターとリングネームを持つ選手である。新日本プロレス時代には、黒を基調としたコスチュームや不気味な入場演出、大鎌を思わせるビジュアルなどによって、ほかの選手とは異なる世界観を確立した。
基本プロフィールは次のとおり。
- リングネーム:EVIL(イービル)/現在のWWE名義はNARAKU
- 本名:渡辺高章
- 生年月日:1987年1月26日
- 年齢:39歳(2026年11月現在)
- 出身地:静岡県三島市
- 身長:178cm
- 体重:106kg
- デビュー:2011年5月13日
- 得意技:EVIL、ダークネスフォールズ
- 2026年の所属:WWE・NXT
身長178cm、体重106kgという体格は、ヘビー級レスラーとしてのパワーを感じさせるものだ。単純な重量感だけでなく、相手の動きを封じる技術や、試合の流れをコントロールする戦術的なファイトも持ち味としてきた。
また、EVILという名前は単なる悪役の呼称ではない。入場演出から試合運び、対戦相手との因縁までを一貫したキャラクターとして成立させるための重要な要素だった。
得意技として知られるのは「EVIL」と「ダークネスフォールズ」。特にEVILは、相手の後頭部をマットに叩きつける強烈なフィニッシュ技として知られる。名前と必殺技を一致させることで、観客に選手の存在を強く印象づけてきた。
なお、2026年現在のWWE公式プロフィールでも、NARAKUの身長は5フィート10インチ、体重は234ポンド、出身地は静岡県三島市と紹介されている。日本時代のプロフィールとの連続性も確認できる。
【2015年の登場経緯】内藤哲也のパレハとして新日本プロレスに現れたEVIL
EVILのキャリアを語るうえで欠かせないのが、2015年10月の新日本プロレスへの凱旋だ。
当時のEVILは、海外武者修行を経て帰国した渡辺高章だった。2015年10月12日の両国国技館大会「KING OF PRO-WRESTLING」で、内藤哲也のパレハ(相棒・仲間)として登場。棚橋弘至との試合に介入し、内藤と行動を共にする姿を見せた。
この登場で大きな意味を持ったのが、内藤による新しいリングネームの紹介だった。
バックステージで内藤は、彼を「キング・オブ・ダークネス」EVILと紹介。それまでの渡辺高章とは異なる、怪奇派のダークヒーローならぬダークヒールとして新たなスタートを切った。
単なるリングネームの変更ではない。内藤のパレハという立場を利用しながら、キャラクター、外見、試合スタイルを一新した大きな転換点だった。
さらに、2015年11月7日の大阪大会「POWER STRUGGLE」では後藤洋央紀とのシングルマッチが実現。これがEVILとしての凱旋試合となった。
ただし、試合結果には注意が必要だ。試合は後藤が反則勝ちを収めており、内藤の乱入が決着に影響した。EVILが単純に後藤を圧倒して勝利したわけではない。
当時の新日本プロレス公式大会告知でも、両国大会で内藤のパレハとして登場した渡辺高章が、新リングネームEVILに改名し、後藤とのシングル戦に臨むことが紹介されていた。
2015年から2026年までの主要な歩み| 時期 | 主な出来事 | キャリア上の意味 |
|---|---|---|
| 2011年5月 | 新日本プロレスでデビュー | 渡辺高章としてプロレスラー人生を開始 |
| 2015年10月12日 | 内藤哲也のパレハとして登場 | キング・オブ・ダークネスEVILに改名 |
| 2015年11月7日 | 後藤洋央紀と凱旋シングル戦 | 新日本でのEVILとしての本格始動 |
| 2016年 | NEVER無差別級王座を獲得 | シングルプレーヤーとして評価を高める |
| 2017年 | SANADAとのタッグでWORLD TAG LEAGUE優勝 | タッグ戦線でも存在感を発揮 |
| 2018年 | SANADAとのタッグでIWGPタッグ王座を獲得 | 主要タイトルを獲得 |
| 2020年7月 | L・I・Jを裏切りBULLET CLUB入り | 内藤との関係が決定的に変化 |
| 2021年9月4日 | HOUSE OF TORTUREを結成 | 独自のヒールユニットを率いる |
| 2026年1月 | 新日本プロレスを退団 | 長年の新日本所属時代が終了 |
| 2026年5月 | NARAKUとしてNXTのリングデビュー | WWEで新たなキャリアを開始 |
| 2026年10月31日 | NXT Halloween Havocに出場 | Shiloh Hillと対戦 |
2015年の登場から2020年の裏切りまで、EVILは内藤との関係を軸にキャラクターを成長させた。その後は新日本のトップ戦線に食い込み、2026年には海外の大舞台へと活動の場を移している。
【内藤哲也を裏切った理由】ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン脱退の真相
EVILのキャリアにおける最大の衝撃といえば、2020年7月のロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(L・I・J)からの離脱だろう。
内藤哲也のパレハとして登場したEVILは、SANADA、BUSHIらとともにユニットの一員として活動していた。内藤との関係も長く、ファンにとってはL・I・Jを代表する選手の一人という印象が強かった。
ところが、2020年7月11日の「NEW JAPAN CUP 2020」決勝戦で状況が一変する。
EVILはオカダ・カズチカを破って初優勝。その試合後、翌日に対戦する予定だった二冠王者・内藤哲也がリングに現れ、グータッチを差し出した。しかしEVILはこれに応じず、内藤を攻撃。L・I・Jとの決別を示し、BULLET CLUBへの加入を明らかにした。
そして翌7月12日の「DOMINION in OSAKA-JO HALL」では、内藤が保持していたIWGPヘビー級王座とIWGPインターコンチネンタル王座に挑戦。38分を超える試合の末に内藤を破り、二冠王者となった。
新日本プロレス公式の当時の試合映像でも、NEW JAPAN CUP優勝後の裏切りと、翌日の二冠戴冠までの流れが記録されている。
なぜEVILは内藤を裏切ったのかこの裏切りを理解するうえで重要なのは、物語上の野心と現実の契約・人間関係を混同しないことだ。
プロレスのストーリーとして描かれたEVILの変化は、仲間との絆よりも、自分自身が頂点に立つことを優先する方向への転換だった。
内藤のパレハとして支える立場から、自ら内藤を倒して王座を奪う立場へ。この変化によって、EVILはL・I・Jの一員という役割を離れ、団体のトップヒールへと進出した。
実際、内藤を倒して二冠を獲得したことは、単なるユニット移籍以上の意味を持つ。EVILが自分の力で新日本の中心に立つというキャリア上の宣言でもあった。
一方、裏切りの背景に実生活上の確執や内藤との個人的な不仲があったと断定できる公的な証拠はない。リング上の対立は、プロレスのストーリーとして捉えるのが適切だ。
EVILの裏切りが強い印象を残した理由は、敵対関係そのものよりも、長く仲間だった選手が自らの成功のために立場を変えたという構図にある。2015年から積み重ねてきた内藤との関係があったからこそ、2020年の転換は大きなインパクトを生んだ。
【HOUSE OF TORTUREの活動】EVILが築いた極悪ユニットの特徴
BULLET CLUB加入後のEVILは、さらに独自のヒール路線を強めていく。その象徴となったのが、2021年9月4日に誕生したHOUSE OF TORTURE(H.O.T)だ。
結成のきっかけは、SHOのヒール転向だった。YOHとの決別を経てBULLET CLUB入りしたSHOにEVILが接近し、高橋裕二郎、ディック東郷とともに新ユニットを立ち上げた。
HOUSE OF TORTUREという名称は「拷問の館」を意味する。ユニットの特徴は、正面からの技の応酬だけでなく、反則や乱入、凶器の使用、セコンドの介入などを積極的に取り入れる徹底したヒール戦法にある。
EVILはその中心人物として、ユニット全体の試合展開をコントロールしてきた。相手選手が優位に立ったと思った瞬間に介入が入り、試合の流れが変わる。観客の反感を引き出すことも含めて、H.O.Tのスタイルが形成されていった。
HOUSE OF TORTUREが注目された理由EVILの強みは、単に反則を多用することではない。相手の実力を引き出しながら、最後には反則や介入で試合をひっくり返すという、ヒールとしての役割を徹底していた点にある。
観客からブーイングを浴びることも、ヒールレスラーにとっては重要な仕事の一つだ。正統派レスラーが勝利を目指して戦う一方で、H.O.Tは観客の感情を揺さぶり、対戦相手をより魅力的に見せる役割も担っていた。
このような戦い方は好みが分かれる。正面からの技術戦を重視するファンには反則の多さが不満につながる一方、試合の展開や因縁、悪役としての存在感を楽しむファンには強い印象を残す。
なお、2026年1月の新日本退団に伴い、EVIL自身はH.O.Tの現役リーダーではなくなった。HOUSE OF TORTUREの歴史と、EVIL個人の現在の所属を同一視しないことが重要だ。
【2026年最新情報】新日本プロレス退団からWWEのNARAKUへ
2026年のEVILをめぐる最大のニュースは、新日本プロレスからの退団だ。
新日本プロレスは2026年1月26日、EVILとの契約が1月末で満了し、本人との話し合いの結果、退団することになったと発表した。
EVILは2011年のデビュー以来、長く新日本のリングで活動してきた。L・I・J、BULLET CLUB、HOUSE OF TORTUREと複数のユニットを経験し、IWGPヘビー級王座をはじめとする主要タイトルも獲得している。
退団直前の2026年1月4日には、東京ドーム大会でウルフアロンとNEVER無差別級王座を懸けて対戦。敗れて王座を失ったことも、最後の新日本時代を象徴する出来事となった。
WWEではNARAKUに改名退団後のEVILは、海外プロレスメディアでWWE参戦の可能性が報じられていた。その後、2026年4月にはWWEのNXTに登場。従来のEVILというリングネームではなく、NARAKU(奈落)という名前で活動を開始した。
WWE公式情報によると、NARAKUは2026年4月28日のNXTに登場し、5月12日にはルチャドールのリンセ・ドラドとの試合でリングデビューを果たした。試合では勝利を収め、新しいキャラクターとして本格的に動き始めている。
さらに、2026年6月にはNXT王座への挑戦者決定戦でメイソン・ルークを破り、王座戦線にも進出した。その後、王者トニー・ダンジェロとの対戦を経験するなど、NXTで存在感を示している。
そして直近の大きな試合が、2026年10月31日に開催された「NXT Halloween Havoc」だ。NARAKUはシロー・ヒルと対戦したものの、最終的には敗北を喫した。WWE公式の大会結果にも、この試合が掲載されている。
つまり、2026年11月現在のEVILは、新日本プロレスのHOUSE OF TORTUREで活動する選手ではなく、WWE NXTのNARAKUとして新しいキャリアを歩んでいる。
この変化は単なる所属団体の移籍にとどまらない。日本の新日本プロレスで確立した悪役キャラクターを、海外の異なるプロレス文化の中で再構築する挑戦でもある。
今後注目したいのは、NARAKUがNXTでどのような立ち位置を獲得するか、そして日本時代のEVILが持っていたパワーとヒールとしての試合運びを、WWEの舞台でどう発展させるかという点だ。
【DDTとの違い】キング・オブ・ダーク王座はEVILの称号ではない
「キングオブダークネスEVIL」を検索すると、DDTプロレスリングの「キング・オブ・ダーク王座」という言葉も見つかることがある。
しかし、両者はまったく別のものだ。
EVILの「キング・オブ・ダークネス」は、選手のリングネームに付随する異名・キャラクター上の称号である。一方、DDTのキング・オブ・ダーク王座は、2015年に創設された実在のプロレス王座だ。
DDTのキング・オブ・ダーク王座とは?DDTのキング・オブ・ダーク王座は、通常のチャンピオンベルトとは異なる独特のルールを持っていた。
最大の特徴は、王者が大会のダークマッチ、つまり本編開始前の試合を中心に出場するという仕組みだ。さらに、通常の王座とは違い、試合に負けた選手が王座を獲得するという逆転の発想が採用されていた。
この王座から抜け出すには、王座戦で勝利する必要がある。負けることが王座の獲得につながる一方、勝つことが王座から解放される条件になるという、DDTらしいユニークなルールだった。
歴史を振り返ると、初代王者は伊橋剛太。複数回戴冠し、通算6度の王座獲得を記録した。ほかにも宮武俊、星誕期、島谷常寛などが歴代王者として名を連ねる。最後の王者は鈴木大で、王座は2017年12月13日に廃止された。
EVILの称号とDDT王座の比較- キング・オブ・ダークネスEVIL:新日本プロレスで使用された選手の異名・リングネーム。
- DDTキング・オブ・ダーク王座:DDTが管理・認定していた独立したプロレス王座。
- 共通点:「ダーク」という言葉を使い、暗いイメージや独特の世界観を持つ。
- 相違点:EVILはレスラーのキャラクター、DDT王座は試合結果によって移動するチャンピオンシップ。
また、DDTにはKO-D無差別級王座や「KING OF DDT」という大会名・トーナメントも存在する。キング・オブ・ダーク王座と混同しないようにしたい。
EVILがDDTのキング・オブ・ダーク王座を獲得したという事実はなく、名前が似ているからといって両者に直接的な関係があるわけではない。
この違いを押さえておけば、プロレス関連の記事や選手データベースを読む際にも混乱しにくくなる。
【キングオブダークネスEVIL】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:キング・オブ・ダークネスEVILの正体は誰ですか?
A1:本名は渡辺高章です。1987年1月26日生まれ、静岡県三島市出身のプロレスラーで、身長178cm、体重106kgです。2026年現在はWWE NXTでNARAKUというリングネームを使用しています。
Q2:EVILはなぜ内藤哲也を裏切ったのですか?
A2:2020年7月11日のNEW JAPAN CUP決勝後、内藤を攻撃してL・I・Jとの決別を示しました。翌12日には内藤を破り、IWGPヘビー級王座とIWGPインターコンチネンタル王座を獲得しています。ストーリー上は、自らが頂点に立つための野心を示した転換点でした。
Q3:EVILはHOUSE OF TORTUREを脱退したのですか?
A3:2026年1月末に新日本プロレスを退団したため、現在はHOUSE OF TORTUREの現役メンバーではありません。退団以前はユニットを率いるリーダーとして活動していました。
Q4:EVILは2026年現在どこの団体に所属していますか?
A4:WWEのNXTです。2026年にはNARAKUへリングネームを変更し、5月12日にNXTでリングデビューしました。
Q5:EVILの得意技・必殺技は何ですか?
A5:代表的な技はEVILとダークネスフォールズです。特にEVILは、相手の後頭部をマットに叩きつける強烈なフィニッシュ技として知られています。
Q6:DDTのキング・オブ・ダーク王座とEVILは関係がありますか?
A6:直接的な関係はありません。EVILは選手の異名であり、DDTのキング・オブ・ダーク王座は2015年から2017年まで存在した独立したチャンピオンシップです。
キング・オブ・ダークネスEVILは、2015年に内藤哲也のパレハとして新日本プロレスに登場して以来、独自のキャラクターと強烈なヒールファイトでプロレス界に存在感を残してきた選手だ。
2015年の後藤洋央紀との凱旋試合、内藤とのL・I・J時代、2020年の衝撃的な裏切り、IWGP二冠戴冠、そして2021年のHOUSE OF TORTURE結成。これらはEVILのキャリアを理解するうえで欠かせない転換点となっている。
一方、2026年は大きな節目となった。1月末の新日本プロレス退団を経て、WWE NXTではNARAKUとして再出発。10月31日のHalloween Havocにも出場し、海外での新しい戦いを続けている。
今後のEVIL、そしてNARAKUを追うなら、次の3点を押さえておきたい。
- 新日本時代のEVILと、現在のWWEのNARAKUを区別すること。
- HOUSE OF TORTUREの歴史と、2026年以降のEVIL個人の活動を混同しないこと。
- DDTのキング・オブ・ダーク王座は、EVILの異名とは無関係の別の王座であること。
日本の新日本プロレスで築いた「闇の王」という存在感は、NARAKUという新しい名前のもとでどこまで進化するのか。2015年の登場から続いてきたEVILのキャリアは、2026年、国際的な舞台で新たな局面を迎えている。
主な確認資料: 新日本プロレス公式大会情報・選手紹介、WWE公式NARAKUプロフィールおよびNXT大会結果、DDT王座史資料、スポーツナビの2020年大会記録、スポニチ・日刊スポーツの2026年退団報道。