TOKYO MX前での抗議活動から時間が経過した後、立花氏側は実際に損害賠償請求訴訟を起こしました。
ここで押さえておきたいのは、訴訟の原告と請求内容です。
2020年2月28日、立花氏側は東京地方裁判所に訴状を提出しました。
原告となったのは、次の2者です。
- NHKから国民を守る党(訴訟提起時の名称)
- マツコ・デラックス被害者の会株式会社
後者は立花氏が代表を務める会社で、N国党の支持者82人から損害賠償請求権の譲渡を受けたとしていました。
被告はマツコ・デラックス氏と、番組を放送した東京メトロポリタンテレビジョン株式会社(TOKYO MX)です。
訴訟では、マツコ氏の発言による名誉毀損・侮辱と、TOKYO MXの放送法第4条に関連する注意義務違反などが争われました。
2021年4月15日、東京地裁が下した判決2021年4月15日、東京地方裁判所民事第44部は、原告側の請求をすべて棄却しました。
判決文の主文には、原告らの請求をいずれも棄却し、訴訟費用も原告側の負担とする旨が記されています。
ただし、判決の内容を詳しく読むと、単純に「マツコ氏の発言に問題はなかった」と判断したわけではありません。
裁判所は、発言の一部について、N国党の社会的評価を低下させる内容だったと認定しています。
そのうえで、次の点を検討しました。
1.マツコ氏の発言は意見・論評として行われたものだった
裁判所は、発言が国政政党の選挙活動や政見放送についての評価であり、公共の利害に関する内容だったと判断しました。
2.発言の前提となる事実に裏付けがあった
N国党が参院選で議席を獲得したことや、「NHKをぶっ壊す!」という政見放送が広く話題になったことなどが、意見の前提として認定されました。
3.意見・論評の範囲を逸脱していなかった
裁判所は、発言が公益目的で行われ、前提となる事実の重要な部分に真実性があり、人身攻撃に及ぶなど意見・論評の範囲を逸脱したものではないと判断しました。
その結果、N国党の社会的評価を低下させる部分についても、名誉毀損の違法性は認められませんでした。
また、支持者82人については、発言の対象として個々人が特定されておらず、社会的評価を低下させたとは認められませんでした。
放送法第4条違反は認定されたのか?この騒動で誤解されやすいのが、放送法第4条と裁判所の判断の関係です。
立花氏側は、TOKYO MXに対して、政治的公平性を確保するための注意義務があったと主張しました。
しかし、東京地裁はマツコ氏の発言について不法行為が成立しないと判断したため、それに関連するTOKYO MXの不法行為責任も認めませんでした。
ここで重要なのは、裁判所が放送法第4条の政治的公平性について、あらゆる番組や出演者のコメントに適用される一般的な基準を確定したわけではないという点です。
つまり、今回の判決をもって「TOKYO MXの政治的公平性に問題がないと全面的に認定された」と解釈するのは正確ではありません。
判決の中心は、問題となった発言が民事上の不法行為に該当するかどうかでした。
立花氏は控訴した?裁判はその後どうなった?判決後、立花氏は控訴しない考えを示しました。
2021年4月15日の判決を受け、翌16日の報道では、立花氏が裁判を終結させる意向を示したことが伝えられています。
これにより、マツコ氏とTOKYO MXを相手取った一連の損害賠償請求訴訟は決着しました。
2026年現在、この2019年の発言を巡る訴訟は終了しています。
【2026年最新】立花孝志とマツコの現在の関係・騒動後の動向

2019年の騒動から7年が経過した2026年11月現在、立花氏とマツコ氏の関係を考えるうえで、当時の訴訟と、その後に立花氏を巡って発生した別の問題を混同しないことが大切です。
マツコと立花の対立は現在も続いている?少なくとも、2019年の発言を巡る法的な争いは2021年に決着しています。
その後、両者が再び直接対決したり、同じ問題について新たな訴訟を起こしたりしたという事実は、今回確認できた報道からは確認できません。
したがって、現在もマツコ氏と立花氏が2019年当時と同じ形で対立を続けていると説明するのは適切ではありません。
当時の騒動は、政治団体へのテレビ出演者の批評、政治家による抗議、司法判断という一連の経緯を経て終結した出来事です。
立花孝志の2025~2026年の動向一方、立花氏自身については、2025年以降、新たな刑事事件や経済面の動きが報じられています。
特に重要なのが、兵庫県の告発文書問題に関連する事件です。
2025年11月9日、立花氏は、2025年1月に亡くなった竹内英明元兵庫県議に対する名誉毀損の疑いで逮捕されました。
同月28日には、神戸地検が名誉毀損罪で立花氏を起訴しています。
起訴内容は、2024年12月から2025年1月にかけての街頭演説やSNSなどで、竹内氏が警察の取り調べを受けていた、あるいは逮捕される予定だったとする趣旨の発信を行い、名誉を傷つけたというものです。
これは検察側の起訴内容であり、起訴されたこと自体が有罪判決を意味するものではありません。
2026年に入ってからも、この事件を巡る動きがありました。
- 2026年3月11日:東京地裁が立花氏個人の自己破産手続き開始を決定。立花氏側の公表内容として、負債の届出総額は12億4,400万円と報じられました。
- 2026年7月7日:竹内元県議への名誉毀損事件で、神戸地裁が保釈請求を却下。
- 2026年7月21日:保釈却下に対する準抗告も棄却されました。
- 2026年10月9日付報道:別件の裁判に立花氏が被害者参加制度を利用して出廷したことが報じられ、竹内元県議への名誉毀損事件については勾留が続いていると伝えられました。
これらは2019年のマツコ騒動とは別の問題です。
2026年の立花氏を取り巻く状況を説明する際には、過去のマツコ氏との訴訟と、後年の刑事事件や自己破産を明確に分ける必要があります。
マツコ・デラックスの現在は?マツコ氏は、テレビ番組への出演を続けているタレント・コラムニストです。
2026年9月にも、日本テレビ系「月曜から夜ふかし」への出演と、社会的な話題に対するコメントが報じられています。
ただし、こうした現在のテレビ活動と2019年の立花氏との騒動を結び付ける根拠はありません。
【立花孝志マツコ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:立花孝志とマツコ・デラックスの騒動はなぜ起きた?
A1:2019年7月29日の「5時に夢中!」で、マツコ氏がN国党について「気持ち悪い人たち」などと発言したことが発端です。立花氏は、党への批判だけでなく、投票した有権者を侮辱する内容だと反発し、TOKYO MX前で抗議活動を始めました。
Q2:立花孝志とマツコ・デラックスの裁判結果はどうなった?
A2:2021年4月15日、東京地裁は立花氏側の損害賠償請求をすべて棄却しました。マツコ氏の発言について、公共性・公益目的があり、意見・論評の範囲を逸脱していないと判断しました。立花氏は控訴しない考えを示し、裁判は決着しました。
Q3:2026年現在、立花孝志とマツコの関係はどうなっている?
A3:2019年の騒動に関する訴訟は2021年に終了しています。2026年に報じられている立花氏の刑事事件や自己破産は別の問題です。両者の間で新たな法的対立が続いているという状況ではありません。
立花孝志氏とマツコ・デラックス氏の騒動は、テレビ番組の一つのコメントが政治的な反発を呼び、局前での抗議活動、そして損害賠償請求訴訟にまで発展した出来事でした。
重要なポイントを改めて整理します。
- 発端は2019年7月29日の「5時に夢中!」でのマツコ氏の発言。
- 立花氏はN国党の支持者や有権者への侮辱だとして反発。
- 2019年8月にはTOKYO MX前で3度の抗議活動を展開。
- 2020年2月に損害賠償請求訴訟を提起。
- 2021年4月15日、東京地裁が原告側の請求を棄却。
- 2026年現在、当時の訴訟は終了しており、立花氏には別件の刑事事件などがある。
【プロの結論】この騒動で最も重要なのは、政治的な批判と法的な違法性を区別することです。
テレビ出演者が政党や政治家の活動について厳しい意見を述べることと、その発言が法律上の不法行為に当たるかどうかは別の問題です。
今回の東京地裁判決も、マツコ氏の意見がすべての視聴者にとって正しいと認定したものではありません。公共性のある政治的論評として、法的に許容される範囲だったと判断したものです。
また、放送法第4条の政治的公平性を巡る議論についても、個々の発言だけでなく、番組全体の構成や放送事業者の責任を区別して考える必要があります。
2026年にこの騒動を振り返る際には、次の3点を判断基準にすると、情報を正しく理解できます。
1. 発言の原文を確認する: 切り取られた一言だけでなく、番組内の前後の会話も確認する。
2. 裁判の主文と理由を区別する: 請求棄却という結果だけでなく、名誉毀損の成立要件や公益目的に関する判断を読む。
3. 過去の騒動と現在の事件を混同しない: 2019年のマツコ氏との訴訟と、2025~2026年の立花氏を巡る別件の問題は、それぞれ独立した出来事として捉える。
立花孝志とマツコ・デラックスの騒動は、政治家の情報発信力、テレビの社会的影響力、そして表現の自由と名誉の保護が交差した事例です。
騒動の結末を正しく理解する鍵は、当時の報道だけでなく、2021年4月15日の東京地裁判決文そのものにあります。