栃ノ心の本名はレヴァニ・ゴルガゼ。1987年10月13日生まれ、ジョージアのムツケタ出身で、春日野部屋に所属していた元大相撲力士だ。
2006年3月場所で初土俵を踏み、2008年5月場所で新入幕。身長192センチの恵まれた体格と、右四つからの力強い攻め、豪快な上手投げを武器に番付を上げていった。
2018年1月場所で幕内初優勝栃ノ心の相撲人生で最大の転機となったのが、2018年1月場所だ。
この場所では14勝1敗という好成績を残し、幕内最高優勝を達成。平幕力士による優勝としても注目を集めた。
その後、3月場所で10勝、5月場所で13勝を挙げ、直近3場所で合計37勝を記録。日本相撲協会は2018年5月30日、満場一致で大関昇進を決定した。
欧州出身の大関としては琴欧洲、把瑠都に続く3人目。ジョージア出身力士として、日本の相撲界で大きな存在感を示した。
栃ノ心の経歴・年表日本相撲協会の公式プロフィールによると、栃ノ心の通算成績は681勝615敗106休、102場所。幕内優勝1回のほか、十両優勝3回、幕下優勝2回を記録している。
三賞は殊勲賞2回、敢闘賞6回、技能賞3回。金星も2個獲得した。単に大関まで昇進しただけでなく、長期間にわたり幕内上位で活躍した実力者だったことが数字から分かる。
特に評価したいのは、2013年の右膝の大けがから復活したことだ。一度は幕下まで番付を落としながら、再び幕内最高優勝と大関昇進を実現した。栃ノ心の競技人生は、怪力だけでなく、長期離脱から戻る精神的な強さにも支えられていた。
【Royal Georgia】栃ノ心が手がけるジョージアワインとハチミツの事業

栃ノ心の引退後の仕事を代表するのが、株式会社Royal Georgia(ロイヤルジョージア)だ。
同社はジョージア産ワインやハチミツを日本に紹介し、輸入・販売・卸売りなどを手がけている。2026年10月のスポニチ報道では、栃ノ心が2022年にジョージアワインの輸入・販売などを扱う会社を立ち上げた経緯も紹介された。
日本ジョージア商工会議所の会員紹介にも株式会社Royal Georgiaが掲載されており、元大関・栃ノ心がジョージアから厳選したワインを扱う事業者として紹介されている。
なぜワイン事業を始めたのか?背景にあるのは、ジョージアで過ごした幼少期の経験だ。
2026年10月12日付のデイリースポーツによると、栃ノ心は故郷のムツケタで、幼い頃から祖父と農作業やワイン造りを手伝っていた。家では農作物を育て、家畜を飼い、ワインやハチミツも身近な存在だったという。
祖父からはジョージアワインを日本に広めてほしいという思いを託されていた。現在の事業は、単に利益を得るためのビジネスではなく、故郷の文化を日本に伝えるという個人的な目標とも結びついている。
ジョージアワインの特徴とRoyal Georgiaの役割
クヴェヴリ製法
ジョージアの伝統的なワイン造りに使われる、土中に埋めた大きな素焼きの壺を利用する製法。独特の風味や色合いを持つアンバーワインでも知られる。
ジョージア産ハチミツ
ワインと並ぶRoyal Georgiaの取り扱い商品。ジョージアの農業や食文化を日本に紹介する商品群の一つだ。
ワインの専門知識についても、栃ノ心は引退後にソムリエ資格を取得している。日刊スポーツの2024年1月の報道で、資格取得とワイン販売事業への取り組みが紹介された。
また、2026年2月に開店したGEORGIAN HOUSEでは、クヴェヴリ製法を用いたワインを含め、20〜30種類のジョージアワインを提供するとTime Out東京が紹介している。
輸入販売だけでなく、料理店で実際に飲んでもらう機会を作ることで、ワインの魅力を伝える仕組みも整いつつある。
【GEORGIAN HOUSE】墨田区・本所吾妻橋にオープンした栃ノ心の料理店
2026年2月24日、栃ノ心が手がけるジョージア料理専門店「GEORGIAN HOUSE(ジョージアンハウス)」が東京都墨田区の本所吾妻橋にオープンした。
これまでワインの輸入販売を中心に展開していた事業に、料理と飲食店経営が加わった形だ。日本でまだ馴染みの薄いジョージアの家庭料理を、実際に味わえる場所として注目されている。
GEORGIAN HOUSEの店舗情報
GEORGIAN HOUSE
東京都墨田区吾妻橋2-3-7
本所吾妻橋駅から徒歩約1分
火〜金曜 18:00〜23:00
土・日・祝日 17:00〜22:00
定休日:月曜日
※Time Out東京掲載の店舗情報。営業時間・営業日は変更される場合がある。
ヒンカリ
肉汁を閉じ込めたジョージア風の大きな水餃子。ジョージアを代表する家庭料理の一つ。
シュクメルリ
鶏肉をニンニクの効いたソースで煮込む料理。日本でも知られるようになったジョージアの郷土料理だ。
プハリ
野菜とクルミなどを組み合わせて作る前菜。鮮やかな盛り付けも特徴的。
Time Out東京の2026年2月20日付店舗紹介では、こうした家庭料理のほか、ジョージアワインを20〜30種類用意すると紹介されている。また、店内にはジョージア関連の商品を扱うショップも併設されている。
店舗のコンセプトで注目したいのは、料理だけでなくワインや文化も一緒に体験できることだ。ジョージア料理を食べ、伝統的なワインを飲み、故郷の文化を知ってもらう。栃ノ心が進める事業の方向性が一つの店舗に集約されている。
同店の開店に際して、栃ノ心は自国の文化をもっと知ってもらいたいという思いを語っている。相撲で日本に知られるようになったジョージア出身者が、今度は食文化を通じて母国を紹介する立場になったわけだ。
【ジョージア大使館・千葉県ワイナリー計画】日本と母国を結ぶ次の挑戦
栃ノ心の現在の活動は、会社経営や飲食店だけではない。駐日ジョージア大使館の文化・スポーツ顧問として、両国の交流にも携わっている。
2024年9月29日付のスポニチによると、栃ノ心は同月1日付でジョージア大使館の文化スポーツ・アドバイザーに就任した。
同年9月には東京都墨田区の隅田公園で開催された国際フードフェスティバル「ボナペティ シェフティバル」に参加。ジョージア料理の調理パフォーマンスを披露し、ニンニクを効かせたシチュー料理「ソウズィ」を提供した。
本人によると、料理は完売した一方、ワインは期待したほど売れなかったという。料理と酒を別々に売る難しさを経験したエピソードとしても興味深い。
2027年を目指す千葉県のワイナリー構想さらに注目されているのが、千葉県内で進めているワイナリー計画だ。
2026年10月12日付のスポニチとデイリースポーツの報道によると、栃ノ心は千葉県内に生活拠点を置き、近隣の農地を借りてワイン用のブドウを育てる構想を進めている。
具体的には、2027年にブドウの栽培を始める計画が報じられている。将来的には日本国内にワイナリーを造ることを目指しているが、2026年10月時点で完成したワイナリーがあるわけではない。
ジョージアからワインを輸入して販売するだけでなく、日本でもブドウを育て、ワイン造りに取り組む。実現すれば、輸入・販売・飲食店経営・国内生産までをつなぐ事業展開になる。
ただし、ブドウの栽培には土地、気候、品種選定、収穫までの時間が必要だ。飲食店の経営とは違い、農業には天候や収穫量という不確定要素もある。栃ノ心自身も飲食店経営について、法律や従業員教育など難しい点が多いと話している。
そのため、ワイナリー計画はすでに実現した事業としてではなく、今後の成長を見守りたい新しい目標として捉えるのが正確だ。
栃ノ心の現在の評判は?引退後の栃ノ心に対する注目は、相撲ファンだけにとどまらない。
2026年1月にはTBS系「世界くらべてみたら」に出演し、ジョージアの郷土料理を紹介した。料理を自ら作る姿や、現役時代から変化した外見も話題になった。
また、10月12日のトークショーは満員の観客を集めたとデイリースポーツが報じている。引退から約3年が経過してもファンに覚えてもらえていることを、本人も喜んでいた。
こうした反応から見えるのは、元大関という知名度を保ちながら、料理人、ワイン事業者、文化交流の担い手として新しい評価を得ている姿だ。
もちろん、会社や飲食店の経営が順調かどうかは、売上高や利益などの公開情報がなければ判断できない。テレビ出演やイベントの盛況だけで経営の成功を断定することはできないが、複数の活動を継続していることは確認できる。
【プロの結論】栃ノ心の第二の人生で注目すべき3つのポイント
栃ノ心の引退後の活動を分析すると、単に元力士が飲食店を始めたという話ではないことが分かる。
特に注目すべき点は次の3つだ。
1. 現役時代の知名度を事業の信頼につなげている
元大関という経歴は、日本の消費者にとってジョージアワインや料理を知るきっかけになる。栃ノ心自身が商品の背景や文化を説明できることも、一般的な輸入業者との差別化につながる。
2. 輸入販売から飲食店、国内生産へ事業を広げている
Royal Georgiaで商品を輸入し、GEORGIAN HOUSEで料理やワインを提供する。さらに千葉県でのブドウ栽培を目指す。事業が実現すれば、商品を仕入れて売るだけでなく、体験や生産まで一貫して手がける形になる。
3. スポーツと文化交流の経験を活用している
ジョージア大使館での文化・スポーツ活動や、日本ジョージア商工会議所のPR大使としての役割は、相撲で築いた知名度を国際交流に生かす取り組みだ。競技生活で培った人脈や発信力が、第二の人生の基盤になっている。
一方、今後の評価を左右するのは、ワイナリー計画の進展、飲食店の継続的な運営、輸入商品の販売拡大だろう。元大関という肩書だけでなく、事業を長期的に育てられるかが本当の勝負になる。
【栃ノ心現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:栃ノ心は2026年現在、何をしている?
A1:ジョージアワインやハチミツを扱う株式会社Royal Georgiaの事業、墨田区のジョージア料理店GEORGIAN HOUSEの運営、ジョージア大使館の文化・スポーツ顧問としての活動などに携わっている。
Q2:栃ノ心はなぜ引退した?
A2:2023年1月場所で左肩を脱臼し、腱の損傷によって本来の相撲が取れなくなったため。2023年5月場所中に引退を決断した。
Q3:栃ノ心の現在の体重は何キロ?
A3:2026年7月の東スポWEBの報道によると、本人が約108キロと説明している。現役時代の最大体重は約198キロで、約90キロ減量したことになる。
Q4:栃ノ心の本名は?
A4:レヴァニ・ゴルガゼ。日本相撲協会の公式プロフィールにも記載されている。
Q5:栃ノ心の料理店GEORGIAN HOUSEはどこにある?
A5:東京都墨田区吾妻橋2-3-7にある。都営浅草線の本所吾妻橋駅から徒歩約1分で、2026年2月24日にオープンした。
Q6:栃ノ心は千葉県にワイナリーを造るの?
A6:本人は日本国内にワイナリーを造る目標を掲げている。2026年10月の報道では、2027年に千葉県内でワイン用ブドウの栽培を始める計画が伝えられている。ワイナリー自体はまだ構想・準備段階だ。
2026年現在の栃ノ心は、現役時代の大関という肩書を生かしながら、ジョージアと日本を結ぶ実業家として新しい人生を歩んでいる。
2023年5月場所での引退は、左肩の深刻な故障による苦渋の決断だった。しかし、その後はワインやハチミツの輸入販売、2026年2月のGEORGIAN HOUSE開店、ジョージア大使館での文化・スポーツ活動と、着実に仕事の幅を広げてきた。
約198キロから約108キロへの減量も、現役時代とは異なる生活への変化を象徴している。
そして2027年に向けた千葉県のブドウ栽培計画は、これまでの輸入販売事業から、国内でのワイン生産へ踏み出す可能性を秘めている。
栃ノ心の第二の人生を追ううえで、今後特に注目したいのは、GEORGIAN HOUSEの経営状況、Royal Georgiaのワイン事業、そして千葉県のワイナリー計画がどこまで具体化するかという3点だ。
かつては土俵の上で怪力を見せた大関が、今度は日本とジョージアの文化をつなぐ仕事に挑戦している。栃ノ心の新たな勝負は、まだ始まったばかりだ。
主な参考資料
- 日本相撲協会「栃ノ心 剛史 力士プロフィール」「新大関 栃ノ心 誕生」
- 日刊スポーツ(2023年5月・6月、2024年1月)
- デイリースポーツ(2023年5月、2026年10月12日)
- スポニチ(2024年9月29日、2026年10月12日)
- 東スポWEB(2026年7月31日)
- Time Out東京「GEORGIAN HOUSE」(2026年2月)
- 日本ジョージア商工会議所「株式会社Royal Georgia」会員紹介
- よみうりカルチャー錦糸町「栃ノ心トークショー」開催告知