報知映画賞は、1976年に創設された日本映画界を代表する映画賞の一つです。報知新聞社が主催し、ファン投票と選考委員会による審査を組み合わせて、その年に優れた映画作品や俳優、監督を表彰します。妻夫木聡、土屋アンナ、松たか子、豊川悦司、水川あさみなど、現在も第一線で活躍する俳優たちが歴代受賞者に名を連ねています。
2026年は第51回を迎え、10月31日がファン投票の締め切りです。11月に選考委員会が開かれる予定で、年末の受賞発表と12月の授賞式にも関心が集まっています。創設から50年を超えた報知映画賞の歴史、選考基準、歴代受賞者、最新の開催スケジュールまで、公式情報を中心に整理します。
【報知映画賞とは】1976年創設の歴史と報知新聞社が主催する理由

報知映画賞は、スポーツ報知を発行する報知新聞社が主催する映画賞です。1976年に「映画界の発展」を願って設立され、国内外の映画作品や出演者、映画監督などを表彰してきました。
誕生の背景にあったのは、当時の日本映画界が直面していた映画人口の減少です。映画産業が厳しい状況に置かれていた時代に、映画担当記者たちが映画界を盛り上げるために企画したのが始まりでした。
報知新聞社の公式沿革によると、報知映画賞はスポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として誕生しました。単に映画関係者だけで受賞者を決めるのではなく、一般の映画ファンにも投票を通じて参加してもらう仕組みを取り入れた点が大きな特徴です。
第1回の選考会には、作家の池波正太郎氏、劇作家のつかこうへい氏、映画評論家の品田雄吉氏ら14人と、報知新聞社の映画担当記者4人が参加しました。約3時間にわたる討議に読者投票を組み合わせ、作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、新人賞、海外作品賞の7部門を選出しています。
その後、映画界の変化に合わせて表彰部門も拡大しました。第10回に当たる1985年度から監督賞、第42回に当たる2017年度からアニメ作品賞が加わっています。年によっては特別賞も設けられ、映画文化への貢献や作品の社会的意義などを評価する機会も設けられてきました。
報知映画賞が長く続いている理由の一つは、映画ファンの関心と専門家の視点を同時に取り込めることです。映画を実際に鑑賞した人々の支持を選考の入り口に置きながら、最終的には映画や文化に知見を持つ選考委員が判断します。この二段階の仕組みが、賞の独自性を支えています。
【2026年最新情報】第51回報知映画賞の発表時期とファン投票
2026年の報知映画賞は第51回です。報知新聞社が2026年10月1日に公表した開催情報によると、ファン投票は10月1日から始まり、締め切りは10月31日(土)に設定されています。
2026年10月31日現在、受賞結果はまだ発表されていません。公式発表では、ファン投票の結果を踏まえたノミネートを経て、11月に開催する選考委員会で各賞を決定する予定です。
今回の対象期間は、2025年12月1日から2026年11月30日までに有料で一般公開された、または公開予定の新作映画です。つまり、2026年1月から12月までの公開作品だけが対象になるわけではありません。前年12月に公開された作品も対象期間に含まれます。
また、投票はインターネットと郵送の2つの方法で受け付けています。インターネット投票には無料の読売ID登録が必要です。はがきの場合は、投票する部門と作品名・俳優名などを記入して応募する方式です。
2026年の主な表彰部門は次のとおりです。
- 作品賞・邦画部門
- 作品賞・海外部門
- 主演男優賞
- 主演女優賞
- 助演男優賞
- 助演女優賞
- 監督賞
- 新人賞
- アニメ作品賞
さらに、第50回から新設されたBS10プレミアム賞も継続しています。BS10プレミアム賞では、対象となる邦画について、口コミ、オリジナリティー、映像、ストーリー、演技という5項目から評価・感想を投稿する仕組みが採用されています。
この賞は、従来の報知映画賞の表彰部門とは別に、視聴者や映画ファンのレビューを取り入れる取り組みです。2026年も映画を観た人の評価を集める企画が実施され、映画賞への参加方法が広がっています。
なお、2026年の具体的な受賞発表日や授賞式の日程は、10月31日時点で確定した情報として公表されていません。11月の選考委員会以降に発表される公式情報が、今後の確認ポイントです。
【選考基準と仕組み】ファン投票だけでは受賞者は決まらない
報知映画賞を理解するうえで特に重要なのが、ファン投票と選考委員会の役割分担です。
インターネットやはがきで集めた投票は、受賞者をそのまま決めるための人気投票ではありません。投票結果を選考に反映させる一方、最終的な受賞者は選考委員会が審査して決定します。
報知新聞社が公表している選考方法は、次のような流れです。
第1段階:ファン投票
映画ファンが対象期間内の作品や俳優、監督などに投票します。俳優賞や監督賞では、対象となる作品名も記入する必要があります。
第2段階:ノミネート候補の選定
報知映画賞事務局が、ファン投票の最上位となった作品や個人を含めて候補を選びます。原則として作品部門は15作品、アニメ作品賞は5作品、個人部門は10人がノミネートされます。
ここで注目したいのは、ファン投票の最上位者が必ず受賞するわけではない点です。最上位の作品や人物は候補に含まれますが、それだけで受賞が確定する仕組みではありません。
第3段階:選考委員会による最終審査
ノミネートされた候補を対象に、選考委員会が審査を行い、各部門の受賞者を決定します。
2026年の公式発表で紹介されている選考委員は、次の方々です。
- 浅川貴道氏(読売新聞東京本社編集局文化部映画担当)
- 荒木久文氏(映画評論家)
- 見城徹氏(幻冬舎代表取締役会長)
- 藤田晋氏(サイバーエージェント代表取締役会長)
- 松本志のぶ氏(フリーアナウンサー)
- YOU氏(タレント)
- LiLiCo氏(映画コメンテーター)
- 渡辺祥子氏(映画評論家)
- 報知新聞映画担当
選考委員には映画評論家だけでなく、新聞社の文化担当者やエンターテインメント分野に関わる人物も参加しています。映画を専門的に評価する視点と、幅広い読者層に届く作品を見極める視点が組み合わされている点が特徴です。
また、新人賞には独自の応募条件があります。2026年の投票規定では、原則として本格デビューから3年以内の俳優や監督が対象です。海外作品に出演した日本人俳優や、海外作品を演出した日本人監督も対象に含まれます。
一方、公式に公開されている選考方法には、各評価項目の具体的な配点や数値化された採点表までは示されていません。そのため、ファン投票の得票数だけから最終結果を予測することはできません。
この点が、一般的な人気投票と報知映画賞を区別する大切なポイントです。
【歴代受賞者一覧】妻夫木聡・土屋アンナ・松たか子らの受賞記録
報知映画賞の歴代受賞者を見ると、日本映画の時代ごとの変化や、俳優たちのキャリアの節目が浮かび上がります。
1976年の第1回では、『犬神家の一族』が作品賞を受賞しました。主演男優賞は藤竜也、主演女優賞は秋吉久美子、新人賞は原田美枝子です。
2000年代には、妻夫木聡や土屋アンナ、松たか子など、現在も広く知られる俳優が受賞しています。2010年には豊川悦司、2020年には水川あさみが主演賞を獲得しました。
近年では、2023年に『月』の横浜流星、2024年に『正体』の横浜流星、2025年に『国宝』の吉沢亮が主演男優賞を受賞しています。
主な受賞記録を整理すると、次のようになります。
| 年度・回 | 主な受賞者・作品 | 受賞部門・注目点 |
|---|---|---|
| 1976年・第1回 | 『犬神家の一族』、藤竜也、秋吉久美子、原田美枝子 | 作品賞、主演男優賞、主演女優賞、新人賞 |
| 2004年・第29回 | 妻夫木聡、松たか子、土屋アンナ | 妻夫木聡が主演男優賞、松たか子が主演女優賞、土屋アンナが新人賞 |
| 2009年・第34回 | 松たか子 | 『K-20 怪人二十面相・伝』『ヴィヨンの妻』で主演女優賞 |
| 2010年・第35回 | 豊川悦司 | 『今度は愛妻家』『必死剣鳥刺し』で主演男優賞 |
| 2020年・第45回 | 水川あさみ | 『喜劇 愛妻物語』で主演女優賞 |
| 2025年・第50回 | 『国宝』、吉沢亮、北川景子、李相日 | 作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞など |
ここで一つ、松たか子の受賞歴について整理しておきたい点があります。
松たか子は2004年の第29回報知映画賞で、『隠し剣 鬼の爪』の演技により主演女優賞を受賞しています。一方、『K-20 怪人二十面相・伝』と『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』で主演女優賞を獲得したのは、2009年の第34回です。
同じ主演女優賞でも、2004年と2009年に異なる作品で評価されています。松たか子の公式受賞歴にも第29回と第34回の受賞記録が掲載されています。
妻夫木聡と土屋アンナは2004年の第29回にそろって受賞しました。妻夫木聡は『ジョゼと虎と魚たち』『きょうのできごと』『69 sixty nine』の演技で主演男優賞を獲得。土屋アンナは『下妻物語』『茶の味』で新人賞に選ばれています。
豊川悦司は2010年の第35回で、『今度は愛妻家』と『必死剣鳥刺し』の演技が評価され、主演男優賞を受賞しました。複数の作品を通じた俳優の表現力が評価された事例です。
水川あさみは2020年の第45回で、『喜劇 愛妻物語』における主演演技が評価されました。同作は足立紳監督による作品で、水川は主人公の妻・チカを演じています。
こうした受賞歴は、単に過去の栄誉を振り返るだけのものではありません。俳優がどの時期に、どのような作品で新しい評価を獲得したのかを読み解く手掛かりにもなります。
【主演男優賞・主演女優賞・新人賞】歴代の名演から見える報知映画賞の特徴
報知映画賞の中でも、特に検索される機会が多いのが主演男優賞、主演女優賞、新人賞です。それぞれの受賞記録を比較すると、賞が評価してきた俳優の幅広さが見えてきます。
主演男優賞:妻夫木聡と豊川悦司の受賞例
妻夫木聡の2004年の受賞は、複数の作品で異なる役柄を演じた実績が評価された例です。『ジョゼと虎と魚たち』では繊細な人間関係を描く物語の中心を担い、『きょうのできごと』『69 sixty nine』でも異なる人物像を表現しました。
一方、2010年の豊川悦司は、『今度は愛妻家』と『必死剣鳥刺し』という作風の異なる2作品で主演男優賞を獲得しています。現代の夫婦を描くドラマと時代劇という対照的な作品が対象になった点も興味深いところです。
近年の主演男優賞では、横浜流星が2023年と2024年に2年連続で受賞しました。2023年は『ヴィレッジ』『春に散る』、2024年は『正体』での演技が評価されています。2025年には『国宝』の吉沢亮が初受賞しました。
主演女優賞:松たか子と水川あさみの受賞例
主演女優賞では、松たか子の2004年と2009年の受賞が印象的です。2004年の『隠し剣 鬼の爪』と、2009年の『K-20 怪人二十面相・伝』『ヴィヨンの妻』では、それぞれ異なる人物像を演じています。
2020年の水川あさみは『喜劇 愛妻物語』で受賞しました。同作では、夫婦の生活をコミカルかつ現実的に描く物語の中で、強さと人間味を併せ持つチカという役柄を演じています。
その後の受賞者を見ると、2023年は綾瀬はるか、2024年は石原さとみ、2025年は北川景子が主演女優賞を獲得しています。幅広いジャンルの作品と演技が評価されていることが分かります。
新人賞:次世代の俳優や監督を発見する部門
新人賞は、これからの映画界を担う人材に光を当てる部門です。土屋アンナは2004年に『下妻物語』『茶の味』で受賞しました。その後も多彩な作品で活躍し、俳優としての存在感を確立しています。
歴代の新人賞受賞者には、2003年の石原さとみ、2005年の沢尻エリカ、2006年の松山ケンイチ、2007年の夏帆、2009年の岡田将生や満島ひかりなどがいます。
新人賞は俳優だけに限定された部門ではありません。監督が受賞するケースもあり、2026年の公式規定でも本格デビューから原則3年以内の俳優・監督が対象とされています。
新人賞の価値は、その年の活躍を評価するだけでなく、今後のキャリアを考えるうえでの一つの指標になることです。ただし、受賞したことだけで将来の成功が保証されるわけではなく、その後どのような作品に参加し、表現の幅を広げていくかも注目されます。
【報知映画賞の発表時期と授賞式】11月下旬から12月の流れを解説
報知映画賞の受賞結果は、例年11月下旬から12月初旬にかけて発表される傾向があります。公式の開催案内では11月の選考委員会を予定しており、その後に各賞の受賞結果が公表されます。
ただし、発表日は毎年固定されているわけではありません。実際の過去の発表日を見ると、次のような違いがあります。
- 2023年11月28日:第48回の受賞結果を発表。
- 2024年11月26日:第49回の受賞結果を発表。
- 2025年12月2日:第50回の受賞結果を発表。
2025年は12月に入ってから受賞者が発表されました。そのため、「報知映画賞は必ず11月に受賞者が決まる」と考えるのは正確ではありません。11月を中心とした選考を経て、発表が12月にずれ込む年もあります。
授賞式は原則として12月に開催されます。受賞者には賞状と賞金、そしてイラストレーターの和田誠氏がデザインしたブロンズ像が贈られます。賞金の贈呈は第16回から始まりました。
2025年の第50回では、12月15日に都内で表彰式が行われました。BS10では同日18時から表彰式の模様が放送され、受賞者や監督へのインタビューも紹介されています。
一方、式典の開催方法は社会状況などによって変わることがあります。2020年の第45回では、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から表彰式が開催されませんでした。毎年の基本的な流れは12月の授賞式ですが、例外も存在します。
2026年の第51回については、11月の選考委員会と受賞発表が次の注目点です。12月の授賞式についても、具体的な開催日や放送予定は報知新聞社などの公式発表を確認する必要があります。
【プロの結論】報知映画賞は受賞結果だけでなく選考過程にも価値がある
報知映画賞を読み解く際に注目したいのは、受賞者の知名度や人気だけではなく、作品と俳優がどのような過程で評価されたのかという点です。
1976年の創設時から続く読者参加型の仕組みは、映画ファンの支持を選考の入り口に置くものです。一方、最終決定を選考委員会に委ねることで、単純な投票数の競争にならないようにしています。
この構造を理解すると、報知映画賞の情報をより正確に読み取れます。
まず、ファン投票の順位と受賞順位を混同しないこと。投票で最上位になった人物や作品が、そのまま受賞するわけではありません。ノミネートされた段階と最終受賞は分けて考える必要があります。
次に、受賞年度と対象作品の公開時期を確認すること。報知映画賞は年度ごとに対象期間が設定されているため、映画の公開年と受賞年が必ずしも一致しません。松たか子の2004年と2009年の受賞記録のように、同じ俳優が複数の年度で異なる作品を評価されるケースもあります。
さらに、主演賞と新人賞を同じ基準で比較しないこと。主演賞は作品の中心人物としての演技が評価される一方、新人賞はキャリアの初期段階にある俳優や監督を対象とします。各部門の趣旨を踏まえて歴代受賞者を見ると、映画賞としての役割が理解しやすくなります。
そして、2026年のように新しい賞が加わったり、ファン参加の方法が広がったりする動きにも目を向けたいところです。第50回からのBS10プレミアム賞は、作品を観た人のレビューを評価に取り入れる新しい試みです。
映画賞は受賞者を決めるだけのイベントではありません。その年にどの作品が支持され、どのような演技や表現が評価されたのかを記録する文化的な役割も持っています。歴代受賞者の一覧を通して、日本映画の流れを読み解くことにも意味があります。
【報知映画賞】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:報知映画賞はいつ発表されますか?
A1:例年11月下旬から12月初旬にかけて受賞結果が発表されます。2023年は11月28日、2024年は11月26日、2025年は12月2日でした。2026年は11月に選考委員会が予定されていますが、具体的な発表日は10月31日時点で公表されていません。
Q2:報知映画賞の受賞者はどのように決まりますか?
A2:ファン投票の結果を参考に、報知映画賞事務局が候補者・作品をノミネートし、その後、選考委員会が最終的な受賞者を決定します。ファン投票だけで受賞が確定する仕組みではありません。
Q3:報知映画賞の歴代受賞者には誰がいますか?
A3:妻夫木聡、土屋アンナ、松たか子、豊川悦司、水川あさみなどがいます。近年では横浜流星、石原さとみ、吉沢亮、北川景子なども受賞しています。作品や年度ごとの詳しい記録は報知新聞社の公式「過去の受賞一覧」で確認できます。
Q4:報知映画賞の授賞式はいつ開催されますか?
A4:原則として毎年12月に開催されます。2025年の第50回は12月15日に都内で表彰式が行われました。2026年の具体的な開催日は、主催者の正式発表を確認してください。
Q5:報知映画賞の新人賞はどのような人が対象ですか?
A5:2026年の公式投票規定では、原則として本格デビューから3年以内の俳優や監督が対象です。海外作品に出演した日本人俳優や、海外作品を演出した日本人監督も対象に含まれます。
報知映画賞は、1976年に報知新聞社が創設した歴史ある映画賞です。ファン投票を選考の入り口としながら、最終的には選考委員会が受賞者を決定する仕組みを採用しています。
歴代受賞者には、妻夫木聡、土屋アンナ、松たか子、豊川悦司、水川あさみなど、幅広い世代の俳優が名を連ねています。2025年の第50回では『国宝』が作品賞・邦画部門を受賞し、吉沢亮が主演男優賞、北川景子が主演女優賞に選ばれました。
2026年の第51回は、10月31日にファン投票が締め切られ、11月に選考委員会が開かれる予定です。受賞発表は11月下旬から12月初旬、授賞式は12月が例年の流れとなっています。
報知映画賞を楽しむなら、受賞者の名前だけでなく、対象作品、公開年度、ノミネートの経緯にも注目するのがおすすめです。歴代受賞者を振り返ることで、日本映画の変遷と、次の時代を担う俳優や監督の動向をより深く理解できます。
2026年の第51回でどの作品と俳優が選ばれるのか。50年を超える歴史を持つ映画賞の新たな受賞記録に注目が集まります。
主な参照資料: 報知新聞社「報知映画賞とは」「過去の受賞一覧」「第51回報知映画賞ファン投票要項」、松たか子公式サイトの受賞歴、AOI Pro.の受賞発表、2025年第50回受賞発表資料。