2026年10月下旬のBWF世界ランキングでは、中国と韓国が上位を占める一方、日本からも複数のペアがトップ15入りしている。
特に注目したいのは、福島由紀・松本麻佑組と岩永鈴・中西貴映組だ。両ペアは日本女子ダブルスの国際的な競争力を支える存在となっている。
2026年10月27日時点の日本勢の世界ランキング世界ランキングの上位30組に入っている日本勢は7組。主な順位とポイントは次のとおりだ。
| 世界順位 | ペア | BWFポイント |
|---|---|---|
| 3位 | 福島由紀/松本麻佑 | 95,906 |
| 5位 | 岩永鈴/中西貴映 | 74,414 |
| 11位 | 中出すみれ/髙橋美優 | 58,640 |
| 13位 | 鈴木陽向/山北奈緒 | 56,327 |
| 14位 | 廣田彩花/櫻本絢子 | 56,120 |
| 15位 | 廣上瑠依/保原彩夏 | 53,800 |
| 23位 | 大澤佳歩/田部真唯 | 47,550 |
出典:2026年10月27日更新のBWF世界ランキング集計。ポイントはペア単位。
世界ランキング1位は中国の劉聖書(リュウ・シェンシュ)・譚寧(タン・ニン)組で114,167ポイント。2位は韓国のペク・ハナ・イ・ソヒ組で100,434ポイント、4位はマレーシアのタン・パーリー・ティナー・ムラリタラン組で87,250ポイントとなっている。
福島・松本組は95,906ポイントで、世界2位との差は4,528ポイント。トップ争いに十分手が届く位置にいる。
一方、岩永・中西組も5位につけており、日本勢が世界の上位争いに複数の選択肢を持っていることが分かる。
BWF世界ランキングのポイントはどう決まる?ランキングを見るうえで理解しておきたいのが、ポイントの算出方法だ。
BWF世界ランキングは、単純な通算優勝回数や生涯獲得ポイントではない。
基本的には、直近52週間に出場した国際大会の成績を基準に算出される。大会のグレードや勝ち進んだラウンドによって獲得ポイントが異なり、11大会以上に出場した場合は、ポイントの高い10大会分がランキングに反映される仕組みだ。
つまり、出場大会の数だけを増やしても順位が上がるとは限らない。
重要なのは、上位大会でどこまで勝ち進めるか、そして前年の好成績を翌年も維持できるかという点だ。
前年の大会で獲得したポイントがランキング対象から外れるタイミングでは、今季の結果が前年を下回ると順位が落ちる場合もある。
この仕組みを理解すると、同じペアでも大会ごとにランキングが変動する理由が見えてくる。
【日本ランキング比較】福島・松本、岩永・中西ら注目ペアの実力

BWF世界ランキングと日本バドミントン協会の国内ランキングは、別々の指標だ。
国内ランキングは、日本協会が発表する国内競技のランキングで、国際大会の加算ポイントなども掲載される。世界ランキングのポイントと同じ尺度ではないため、数字を直接比較して優劣を判断することはできない。
日本協会が発表した2026年10月9日付の女子ダブルスランキングでは、福島・松本組が10,400ポイントで最上位の掲載ポイントを記録している。
注目5ペアのランキング比較| ペア | BWF世界順位・ポイント(10月下旬) | 日本ランキング掲載ポイント(10月9日) |
|---|---|---|
| 福島由紀/松本麻佑 | 3位・95,906 | 10,400 |
| 岩永鈴/中西貴映 | 5位・74,414 | 7,260 |
| 志田千陽/五十嵐有紗 | 40位・36,289 | 8,730 |
| 廣田彩花/櫻本絢子 | 14位・56,120 | 7,310 |
| 保原彩夏/廣上瑠依 | 15位・53,800 | 6,330 |
出典:日本バドミントン協会の2026年10月9日付国内ランキング、BWFの10月26日付世界ランキング。志田・五十嵐組は7月末にペアを解消しているため、世界順位は旧ペアの記録として掲載。
福島由紀・松本麻佑:世界の頂点を狙う日本の中心ペア
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95,906ポイント/2026年10月下旬
日本勢の筆頭に位置するのが、福島・松本組だ。
両選手はそれぞれ異なる所属先で活動しながら、国際大会では強力なペアとして結果を残している。
2026年はフランスオープンでの優勝が大きな実績となった。世界トップクラスの相手に対しても勝ち切る力を示し、世界ランキング3位を維持している。
また、2026年8月に発表された世界選手権の日本代表エントリーにも名を連ねており、代表の中心的なペアとして位置づけられている。
岩永鈴・中西貴映:安定した国際大会の戦績
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74,414ポイント/2026年10月下旬
岩永・中西組は、世界ランキング5位という高い位置につける日本の有力ペアだ。
2026年のフランスオープンでは準決勝まで進出。準々決勝では志田千陽・平本梨々菜組との日本勢対決を制した。
さらに、9月に開催された愛知・名古屋アジア大会では、女子ダブルスで銅メダルを獲得。女子団体でも日本の銀メダル獲得に貢献した。
世界ランキングだけでなく、国際総合大会でも実績を積み上げている点が強みだ。
廣田彩花・櫻本絢子:経験と再浮上への期待
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56,120ポイント/2026年10月下旬
廣田・櫻本組は世界ランキング14位。トップ10への復帰を視野に入れられる位置にいる。
フランスオープンでは2回戦で志田・平本組と対戦し、21-13、21-16で敗退した。
一方、10月下旬の世界ランキングでは前週の20位から14位へ上昇している。短期間での順位変動は、国際大会での成績がランキングに大きく影響することを示す例だ。
保原彩夏・廣上瑠依:世界15位の実力派ペア
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53,800ポイント/2026年10月下旬
保原・廣上組も、世界トップ15に入る実力を持つ。
2026年8月に発表された世界選手権の日本代表エントリーにも選ばれており、国際舞台で日本を支える存在だ。
フランスオープンでは1回戦で敗退したものの、年間を通じて安定して世界ランキング上位に位置することが、今後の代表争いでも重要になる。
【フランスオープン2026】女子ダブルスの結果と日本勢の戦績
2026年10月20日から25日にフランスのトランブレ・アン・フランスで開催されたフランスオープンは、女子ダブルスの日本勢の実力を確認できる大会となった。
大会はBWFワールドツアーのSuper 750。日本勢は複数のペアが上位進出を果たし、福島・松本組が見事に優勝した。
決勝:福島・松本組がマレーシアの強豪を逆転で撃破10月25日の決勝で対戦したのは、マレーシアのタン・パーリー・ティナー・ムラリタラン組。
第1ゲームは10-21で落としたものの、第2ゲームを21-17で取り返し、最終ゲームも21-16で勝利した。
- 第1ゲーム:10-21
- 第2ゲーム:21-17
- 第3ゲーム:21-16
日本バドミントン協会の大会公式結果にも、この逆転勝利が掲載されている。
特筆すべきは、世界ランキング上位のマレーシアペアに対し、第1ゲームを落とした後も試合を立て直したことだ。
決勝のような大舞台では、相手の攻撃に対応する修正力と、終盤での得点力が勝敗を左右する。福島・松本組の優勝は、ランキングだけでは測れない試合運びの強さを示した。
準決勝・準々決勝の日本勢の結果福島・松本組は準決勝でもインドネシアのレイチェル・アレシア・ローズ/フェビ・セティアニングラム組を21-18、21-15で下した。
一方、岩永・中西組はマレーシアのタン・パーリー・ティナー・ムラリタラン組と対戦し、17-21、20-22で敗退。惜しくも決勝進出を逃したが、ベスト4という結果を残した。
主な日本勢の最終結果は次のとおり。
| ペア | 最終結果 |
|---|---|
| 福島由紀/松本麻佑 | 優勝 |
| 岩永鈴/中西貴映 | 3位 |
| 鈴木陽向/山北奈緒 | ベスト8 |
| 志田千陽/平本梨々菜 | ベスト8 |
| 髙橋美優/中出すみれ | 2回戦敗退 |
| 廣田彩花/櫻本絢子 | 2回戦敗退 |
| 保原彩夏/廣上瑠依 | 1回戦敗退 |
日本勢の結果を見ると、優勝した福島・松本組だけでなく、岩永・中西組も表彰台に立ったことが大きい。
また、鈴木・山北組や志田・平本組といった新しい組み合わせがベスト8に進出しており、今後の国際大会に向けた選手層の広がりも感じられる。
【2026年日本代表】女子ダブルスの顔ぶれと新しいペアの動き
2026年の日本代表を理解するうえでは、ナショナルチームの選手登録と、実際の国際大会に出場するペアの組み合わせを分けて見る必要がある。
日本バドミントン協会が公開する2026年の女子ナショナルチームには、岩永鈴、中西貴映、福島由紀、松本麻佑、保原彩夏、廣上瑠依、鈴木陽向、髙橋美優、中出すみれ、山北奈緒らが名を連ねている。
世界選手権2026に出場した女子ダブルス日本協会が8月15日に発表した世界選手権の女子ダブルス代表ペアは以下の4組だった。
- 福島由紀/松本麻佑
- 中西貴映/岩永鈴
- 保原彩夏/廣上瑠依
- 大澤佳歩/田部真唯
この4組が世界選手権の日本代表としてエントリーされた。
10月29日には鈴木陽向・山北奈緒組が追加選出さらに10月29日、日本バドミントン協会は2026年日本代表の追加選出を発表した。
女子ダブルスでは、NTT東日本所属の鈴木陽向・山北奈緒組が追加選出されている。
フランスオープンでもベスト8に入った2人にとって、世界ランキング上昇と代表活動の両面で重要な動きとなった。
こうした追加選出からも、代表の顔ぶれはシーズンを通じて固定されるわけではなく、競技成績や選手の状態などに応じて変化することが分かる。
志田千陽・五十嵐有紗組は現在どうなっている?
・
2026年10月下旬の旧ペア世界順位は40位
このペアについては、ランキングだけを見ていると誤解しやすい。
志田・五十嵐組は2025年に結成されたペアで、2026年7月31日にペア解消を発表した。
所属先とマネジメント会社の発表では、競技に対する考え方や今後の方向性を踏まえて決断したと説明されている。
その後、志田は新たなパートナーとして平本梨々菜と組み、2026年9月24日にはフランスオープンへのエントリーが発表された。
フランスオープンでは、志田・平本組は2回戦で廣田・櫻本組を破り、準々決勝では岩永・中西組と対戦。1-2で敗れたものの、ベスト8に進出している。
ここで押さえたいのが、ペア解消後も旧ペアの世界ランキング記録がすぐに消えるわけではないという点だ。
BWFランキングは過去52週間の成績を対象とするため、志田・五十嵐組のように解消したペアでも、過去の大会成績が残っている間はランキングに表示されることがある。
したがって、ランキング表に名前があることだけで、現在も同じペアで活動していると判断するのは正確ではない。
【女子ダブルス日本代表の歴代ペア】五輪メダルから2026年の新世代へ
日本女子ダブルスの強さは、特定の選手だけで築かれてきたものではない。
歴代のペアが国際大会で結果を残し、その経験が次の世代へと引き継がれてきた。
歴代の代表的な女子ダブルスペア2012年ロンドン五輪:藤井瑞希・垣岩令佳
日本女子ダブルスが初めてオリンピックのメダルを獲得した歴史的なペアだ。決勝で中国ペアに敗れたものの、銀メダルを獲得した。
2016年リオ五輪:髙橋礼華・松友美佐紀
通称「タカマツ」。日本バドミントン界にとって忘れられない存在であり、女子ダブルスで日本初のオリンピック金メダルを獲得した。
2021年東京五輪:福島由紀・廣田彩花、永原和可那・松本麻佑
通称「フクヒロ」「ナガマツ」。世界ランキング上位の日本ペア2組が出場し、国内外から大きな注目を集めた。両ペアとも準々決勝で敗退したが、日本の女子ダブルスの層の厚さを示した。
2024年パリ五輪:志田千陽・松山奈未
通称「シダマツ」。初出場のオリンピックで銅メダルを獲得し、日本女子ダブルスの存在感を改めて示した。
歴代ペアから見える日本の強みこれらの歴代ペアに共通するのは、個々の技術力だけでなく、長期間にわたってパートナーとの連携を磨いてきたことだ。
女子ダブルスでは、前衛と後衛の役割分担、攻撃のタイミング、相手の配球への対応など、2人の意思疎通が勝敗を左右する。
そのため、実績のある選手同士を組み合わせれば必ず強くなるわけではない。
志田・五十嵐組の解消後に志田が平本と新ペアを結成したことも、選手個人の能力とペアとしての相性が別の要素であることを示している。
2026年の日本女子ダブルスは、福島・松本組などの実績あるペアと、新たな組み合わせに挑戦する選手が共存する段階にある。
【プロの結論】2026年の女子ダブルスはランキングだけでなくペアの継続性に注目
2026年の日本女子ダブルスを評価するうえで、注目すべきポイントは3つある。
1つ目は、世界ランキング上位の維持だ。
福島・松本組は世界3位、岩永・中西組は世界5位。日本から2組が世界トップ5に入っている状況は大きな強みだ。
特定のペアに依存せず、複数のペアが国際大会で上位進出できることは、代表全体の競争力にもつながる。
2つ目は、新ペアの成長速度だ。
志田・平本組や鈴木・山北組など、新しい組み合わせの成績にも注目したい。
ペア結成直後は連携の完成度に差が出やすいが、国際大会を経験することで戦術や試合運びが磨かれていく。
3つ目は、ランキングと実際の活動状況を区別することだ。
世界ランキングには過去の成績が反映される。ペア解消や新パートナーとの活動開始があっても、すぐにランキングへ反映されるわけではない。
ランキングの数字だけで現在の代表ペアを判断するのではなく、直近の大会エントリーや日本協会の発表を合わせて確認することが大切だ。
この3点を押さえると、単なる順位の上下だけでは見えない、日本女子ダブルスの勢力図が理解しやすくなる。
【バドミントン女子ダブルス】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年のバドミントン女子ダブルスで世界ランキング日本勢1位は誰ですか?
A1:福島由紀・松本麻佑組です。2026年10月27日時点で世界ランキング3位、95,906ポイントを獲得しています。日本勢の最上位ペアとして活躍しています。
Q2:2026年の日本ランキングで最もポイントが高いペアは?
A2:日本バドミントン協会の2026年10月9日発表分では、福島由紀・松本麻佑組が10,400ポイントで最上位の掲載ポイントを記録しています。
Q3:岩永鈴・中西貴映組の世界ランキングは何位ですか?
A3:2026年10月下旬の世界ランキングでは5位です。74,414ポイントを獲得しており、フランスオープン2026でもベスト4に進出しました。
Q4:志田千陽・五十嵐有紗組は現在も活動していますか?
A4:2026年7月31日にペア解消を発表しています。その後、志田千陽は平本梨々菜と新ペアを結成し、10月のフランスオープンに出場しました。
Q5:フランスオープン2026の女子ダブルスで優勝したのは誰ですか?
A5:福島由紀・松本麻佑組です。10月25日の決勝でマレーシアのタン・パーリー・ティナー・ムラリタラン組を10-21、21-17、21-16で破り、優勝しました。
Q6:日本女子ダブルスの歴代オリンピックメダリストは誰ですか?
A6:代表的なペアは、2012年ロンドン五輪銀メダルの藤井瑞希・垣岩令佳組、2016年リオ五輪金メダルの髙橋礼華・松友美佐紀組、2024年パリ五輪銅メダルの志田千陽・松山奈未組です。
Q7:BWF世界ランキングと日本ランキングは何が違いますか?
A7:BWF世界ランキングは国際大会の成績を基準に世界全体で順位を決める指標です。日本ランキングは日本バドミントン協会が発表する国内ランキングです。集計対象やポイント体系が異なるため、両者のポイントを直接比較することはできません。
2026年のバドミントン女子ダブルスでは、福島由紀・松本麻佑組が世界ランキング3位、岩永鈴・中西貴映組が5位と、日本勢が世界トップクラスで競い合っている。
フランスオープン2026では福島・松本組が優勝し、岩永・中西組もベスト4に進出。日本女子ダブルスの国際競争力を改めて示した。
一方、志田千陽の新ペア結成や鈴木陽向・山北奈緒組の代表追加選出など、次の世代につながる動きも見逃せない。
今後の勢力図を判断する際には、次の3つを確認しておきたい。
- BWF世界ランキング: 世界での現在の競争力を把握する。
- 日本ランキング: 国内での実績やポイントの動きを確認する。
- 直近の大会結果とペア構成: 現在活動している組み合わせと実際の勝敗を確認する。
2026年の日本女子ダブルスは、実績あるペアの世界上位争いと新ペアの台頭が同時に進むシーズンとなっている。福島・松本組が世界トップ3からさらに上を狙えるか、岩永・中西組がトップ5を維持できるか。そして新しい代表ペアがどこまで成長するか。今後の国際大会でも、日本勢の戦いから目が離せない。