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コレオシークエンスとは?意味・採点方法と2026-27年最新ルールを徹底解説

水沢 絵理香 水沢 絵理香 • 更新: • 公開: • 読了約 20 分
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フィギュアスケートの試合を見ていると、選手が音楽に合わせて大きく身体を反らしたり、片足を高く伸ばして滑ったり、氷上でダイナミックなポーズを披露したりする場面がある。こうした振付を採点対象の要素として組み込んだものが「コレオシークエンス(Choreographic Sequence)」だ。

コレオシークエンスは、スパイラルやイナバウアー、スプレッドイーグル、ハイドロブレーディングなど、異なる種類のスケーティング動作を組み合わせ、音楽やプログラムの世界観を表現する要素である。2026-27年シーズンは、コレオシークエンスの基礎点が改定されたほか、新たにコレオスピンも導入され、フリースケーティングの構成にも変化が生じている。

【基本を解説】コレオシークエンスとは?意味と定義、何をする要素なのか

コレオシークエンスとは

コレオシークエンスとは、フィギュアスケートのフリースケーティングにおいて、音楽に合わせた振付を表現するための技術要素である。英語では「Choreographic Sequence」と表記し、競技の採点表では「ChSq」と略される。

ISU(国際スケート連盟)の2026-27年シングル競技テクニカルパネルハンドブックでは、プログラムの振付を高め、音楽に調和させる要素として定義されている。

最大の特徴は、少なくとも2種類の異なるスケーティング動作を組み合わせることだ。単にリンクを移動したり、同じ姿勢で滑り続けたりするだけでは、コレオシークエンスとしての要件を満たさない。

代表的な動作には、スパイラル、アラベスク、スプレッドイーグル、イナバウアー、ハイドロブレーディング、2回転以下のジャンプ、スピンなどがある。これらをステップやターンでつなぎ、ひとまとまりの振付として構成する。

ここで押さえておきたいのは、決められた技をすべて実施する必要はないという点だ。例えば、スパイラルとイナバウアーを組み合わせてもよく、スプレッドイーグルとハイドロブレーディングを中心に構成してもよい。選手や振付師が音楽に合わせて自由に設計できる。

また、コレオシークエンスには決められた滑走パターンがない。リンクのどこを通るか、どの方向に進むかについても自由度が高い。ただし、要素として明確に識別できる構成でなければならない。ISUの規定では、最初の振付動作から最後の振付動作までをテクニカルパネルが認定する。

つまり、コレオシークエンスは単なる休憩時間や自由演技ではない。技術的な動作と芸術的な表現を結び付け、プログラム全体の完成度を高める正式な採点要素なのである。

【構成要素を解説】スパイラル・イナバウアー・スプレッドイーグルの違い

コレオシークエンスを理解するうえで欠かせないのが、実際に組み込まれるスケーティング動作だ。テレビ中継でよく見かける代表的な技を整理しておこう。

1. スパイラル:片足で滑りながら脚を高く伸ばす

スパイラル(Spiral)は、片足で滑走しながら、もう一方の脚を後方や側方などに高く持ち上げる動作だ。上半身や脚のラインを美しく見せることができ、長い滑走を生かした表現に適している。

身体の柔軟性だけでなく、片足でのバランス、エッジコントロール、滑走の安定性も必要になる。音楽の伸びやかな部分に合わせて取り入れられることが多い。

2. イナバウアー:上体を反らして横方向に滑る

イナバウアー(Ina Bauer)は、両足を前後に開き、異なる方向にエッジを使いながら滑走する動作。膝を曲げたり、上体を大きく後方へ反らしたりすることで、独特の美しいシルエットを生み出す。

大きく身体を反らす姿勢が印象的だが、上体を反らすこと自体が必須条件ではない。足の配置とエッジを使った滑走が基本となる。演技の見せ場をつくりやすく、音楽の盛り上がりと組み合わせると強い印象を残す。

3. スプレッドイーグル:両足を開いたまま滑走する

スプレッドイーグル(Spread Eagle)は、両足を左右に大きく開き、両方のブレードを異なるエッジで氷上に置きながら滑る動作だ。

鳥が翼を広げたような姿勢になることから、この名前が付いている。身体の軸を安定させながら大きな弧を描く滑走が特徴で、ダイナミックな振付を演出できる。

4. ハイドロブレーディング:身体を低く倒して滑る

ハイドロブレーディング(Hydroblading)は、身体を氷面に近づけるほど低く倒し、ブレードのエッジを使って円弧を描くように滑走する動作だ。

片手を氷に近づけたり、身体を大きく傾けたりする姿勢が特徴的で、コレオシークエンスの中でも特に迫力のある見せ場になりやすい。低い姿勢を維持する体幹の強さと、エッジを正確に操る技術が求められる。

5. ジャンプやスピンも組み込める

コレオシークエンスは、スパイラルやイナバウアーだけで構成するものではない。ISUの規定では、2回転以下のジャンプやスピンなども組み込める。

ただし、コレオシークエンスの中に入れたジャンプやスピンが、必ず独立したジャンプ要素やスピン要素として別途カウントされるわけではない。規定上、シークエンスに含まれるリスト掲載要素は独立した要素としてコールされず、別の要素枠も占有しない。

一方、2回転を超えるジャンプを実施すると、そのジャンプは独立した要素として認定され、コレオシークエンスはその時点で終了する。こうした細かな判定も、競技規則を理解するうえで重要だ。

【徹底比較】コレオシークエンスとステップシークエンスの違い

フィギュアスケートを見ていると、コレオシークエンスとステップシークエンスを混同しやすい。どちらも音楽に合わせてリンクを滑りながら実施するため、見た目が似ている場面もある。

しかし、競技上の目的と採点基準は明確に異なる。

比較項目 コレオシークエンス ステップシークエンス
略称 ChSq StSq
主な目的 振付や音楽の表現 ステップ・ターンの技術と難易度の表現
主な動き スパイラル、イナバウアー、スプレッドイーグルなど ブラケット、ロッカー、カウンター、ツイズルなど
成立条件 2種類以上の異なるスケーティング動作 規定に沿ったステップやターンの実施
難易度レベル 設定されない レベルB、1、2、3、4
基礎点 固定基礎点3.50点(2026-27年) 認定されたレベルに応じて変化
評価方法 GOEのみ 基礎点とGOE
フリーでの必須要素 ジュニア・シニアともに必要 シニアは必要、ジュニアは不要

ステップシークエンスは技術的な難易度が評価される

ステップシークエンスでは、さまざまなターンやステップを正確につなぎ、どれだけ高度なフットワークを実施できるかが重要になる。

テクニカルパネルは、規定されたターンやステップの種類、組み合わせ、身体の動きなどを確認し、難易度レベルを判定する。レベルはBから4まであり、高いレベルが認定されるほど基礎点も高くなる。

コレオシークエンスは振付全体の完成度が評価される

一方、コレオシークエンスでは、難しいターンを何種類実施したかという数だけで評価されるわけではない。

音楽との調和、独創性、滑らかさ、動きの方向やパターンの多様性、全身のコントロールなどが評価の中心となる。

そのため、ステップシークエンスが「どれだけ高度な技術を使いこなしたか」を示す要素だとすれば、コレオシークエンスは「どれだけ動きで音楽や作品の世界観を表現できたか」を示す要素と理解すると分かりやすい。

なお、シニアのフリースケーティングでは両方が必須だが、ジュニアではステップシークエンスが必須要素に含まれない。コレオシークエンスはジュニアにも必要となる。

【2026-27年最新ルール】コレオシークエンスの変更点とジュニア・シニアの必須要素

2026-27年シーズンのフィギュアスケートでは、シングル競技のフリースケーティングに関する構成と採点に変更が加えられた。

特に注目したいのが、コレオシークエンスの基礎点改定と、コレオスピンの新設だ。ISUの2026-27年テクニカルパネルハンドブックやコミュニケーションでは、新しいシーズンに適用される要件と判定方法が示されている。

変更点1:コレオシークエンスの基礎点が3.50点に上昇

2025-26年シーズンまで3.00点だったコレオシークエンスの基礎点は、2026-27年シーズンから3.50点に引き上げられた。

コレオシークエンスは難易度レベルによって基礎点が変わらない固定基礎点方式であり、今シーズンもその仕組みは維持されている。

変更点2:新たにコレオスピンが導入

2026-27年シーズンから、シングルのフリースケーティングにはコレオスピン(Choreographic Spin/ChSp1)が加わった。

コレオスピンは、音楽やプログラムの振付を引き立てるためのスピン要素である。基本姿勢・非基本姿勢のいずれも認められ、片足または両方のブレードを使いながら、最低3回転を連続して実施する必要がある。

足換えは可能だが、認定に必要な3回転は同じ足で連続して行わなければならない。通常のスピンのように難易度レベルを獲得する仕組みではなく、固定基礎点とGOEで採点される。

コレオスピンの基礎点も3.50点だ。なお、コレオスピンは通常のスピン要素とは別の独立した要素であり、コレオシークエンスと同じものではない。

ジュニアとシニアのフリー必須要素

2026-27年シーズンのシングルでは、ジュニアとシニアの両方でコレオシークエンスとコレオスピンが必要になる。

ISUが公表した2026年10月21日付の競技解説では、シニアのフリースケーティングは11要素、ジュニアは10要素と説明されている。両者の大きな違いは、ステップシークエンスの有無だ。

  • シニア:ジャンプ6要素、スピン3要素、ステップシークエンス1要素、コレオシークエンス1要素。
  • ジュニア:ジャンプ6要素、スピン3要素、コレオシークエンス1要素。ステップシークエンスは必須ではない。

この3つのスピンには、コンビネーションスピン、フライングスピン、コレオスピンが含まれる。つまり、従来の難易度レベルを持つスピンの一部がコレオスピンに置き換わった形だ。

ただし、これはシングル競技のルールである。ペアスケーティングではコレオペアスピンやコレオペアリフトなど、異なる構成要素が設定されているため、競技種目を混同しないようにしたい。

【採点方法と得点】基礎点3.50点とGOEはどう計算される?

コレオシークエンスの採点を理解するには、フィギュアスケートのISUジャッジングシステムにおける「基礎点」と「GOE」の関係を知る必要がある。

基礎点とは、認定された技術要素にあらかじめ設定されている点数のこと。GOEは「Grade of Execution」の略で、実施した要素の出来栄えを評価する点数だ。

2026-27年の基礎点は3.50点

コレオシークエンスは、ジャンプやステップシークエンスのように難易度レベルが付かない。認定されれば、選手全員に同じ3.50点の基礎点が設定される。

採点表に表示される略称は「ChSq1」。末尾の数字の1は難易度レベル1という意味ではなく、要素を識別するためのコードの一部だ。

2026-27年の基礎点とGOEの仕組みを整理すると、次のようになる。

  • 要素名:コレオシークエンス
  • 略称:ChSq1
  • 基礎点:3.50点
  • 難易度レベル:なし
  • GOE:-5から+5まで
  • GOEの得点換算:1段階につき0.50点

通常の技術要素とは異なり、コレオグラフィック要素ではGOEの換算が固定されている。したがって、パネルのGOEが+2なら1.00点が加算され、要素の得点は4.50点となる。

同様にGOEが-2なら1.00点の減点となり、要素の得点は2.50点になる。GOEが-5の場合は1.00点、+5の場合は6.00点が要素の得点となる計算だ。

GOEは何を基準に決まる?

2026-27年シーズンに適用されるISU Communication No.2769では、コレオシークエンスのプラス評価について6つの観点が示されている。

  • 音楽との調和:音楽に合致し、プログラムのコンセプトやキャラクターを反映している。
  • 創造性:振付に独創性がある。
  • 滑らかさ:十分なエネルギー、流れ、実施の質を保ちながら、無理なく滑っている。
  • 方向とパターン:滑走方向やパターンに多様性がある。
  • 明確さ:動作が明瞭で、正確に実施されている。
  • 全身のコントロール:身体全体を十分にコントロールし、演技に集中している。

同コミュニケーションでは、プラス評価の目安として、GOE+1には1項目、+2には2項目、+3には3項目、+4には4項目、+5には5項目以上の充足が示されている。

さらに、+4や+5の評価を付ける場合は、最初の2項目である「音楽との調和」と「創造性」が満たされていなければならない。ミスによる減点が必要な場合は、評価開始時点のGOEも+4を超えられない。

つまり、単に難しい姿勢を披露すれば高得点になるわけではない。音楽に合った動作を、独創的かつ滑らかに、全身を使って表現できているかが重要になる。

実際の得点はどう決まる?

ジャッジは各要素に対して-5から+5までのGOEを付ける。ISUの採点システムでは、最大9名のジャッジによる評価から最高点と最低点を除き、残った評価の平均を算出する。

そのGOEを基礎点に加算したものが各要素の得点となり、プログラム全体の技術点(TES)に加算される。

最終的なフリースケーティングの得点は、技術点(TES)と演技構成点(PCS)を合計し、転倒などによる減点を差し引いて算出される。コレオシークエンスの評価も、この技術点を構成する重要な一部分だ。

【テレビ観戦で役立つ】コレオシークエンスの見分け方とよくある誤解

競技中にコレオシークエンスを見分けるには、選手の動きだけでなく、演技全体の構成にも注目すると分かりやすい。

見分け方1:複数の異なる動作が連続している

スパイラル、イナバウアー、スプレッドイーグルなど、異なる種類の動作を連続して披露している場面は、コレオシークエンスの候補になる。

一つのポーズだけで判断するのではなく、前後の動作も含めて一連の振付として捉えることがポイントだ。

見分け方2:音楽の盛り上がりと動きが一致している

コレオシークエンスは、音楽のフレーズやプログラムの世界観を表現することを目的としている。

そのため、音楽が盛り上がる場面で大きく身体を反らしたり、長い滑走で腕や脚を伸ばしたりする振付が組み込まれることもある。

ただし、必ず演技の最後に実施するという決まりはない。ISUの規定ではステップシークエンスの前後どちらにも配置できる。

見分け方3:採点表で「ChSq1」を確認する

最も確実な方法は、競技後に公開されるジャッジスコアやプロトコルを確認することだ。

採点表に「ChSq1」と表示されていれば、コレオシークエンスが認定されている。「ChSp1」は新設されたコレオスピンを示す。

一方、「StSq4」と表示されていれば、レベル4のステップシークエンスだ。この表記の違いを覚えておけば、テレビ中継で見た動きと実際の採点結果を照らし合わせやすくなる。

よくある誤解:コレオシークエンスは難しい技を多く入れるほど高得点になる?

これは正確ではない。コレオシークエンスは難易度レベルによる基礎点の上昇がないため、難しい動作を追加しただけで基礎点が増える仕組みではない。

評価を左右するのは、音楽との調和や創造性、滑走の流れ、身体のコントロールなどだ。複雑な動作を取り入れても、動きがぎこちなかったり、音楽と合っていなかったりすれば、高いGOEにつながるとは限らない。

反対に、比較的シンプルな動作でも、滑らかさや独創性、音楽表現が優れていれば高い評価を得る可能性がある。技の難しさだけではなく、振付としての完成度を見ることが大切だ。

【コレオシークエンスとは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:コレオシークエンスは何種類の動きが必要ですか?
A1:ISUの規定では、少なくとも2種類の異なるスケーティング動作が必要です。スパイラル、イナバウアー、スプレッドイーグル、ハイドロブレーディングなどを組み合わせます。すべての技を実施する必要はありません。

Q2:コレオシークエンスとステップシークエンスは同じですか?
A2:別の採点要素です。ステップシークエンスはターンやステップの技術的な難易度がレベルBから4まで判定されます。コレオシークエンスは2種類以上の異なる動作を使って音楽や振付を表現し、固定基礎点とGOEで評価されます。

Q3:2026-27年のコレオシークエンスの基礎点はいくつですか?
A3:3.50点です。2025-26年シーズンの3.00点から0.50点引き上げられました。難易度レベルはなく、GOEによって得点が増減します。

Q4:ジュニアでもコレオシークエンスは必要ですか?
A4:必要です。2026-27年シーズンのシングル競技では、ジュニア・シニアの両方でフリースケーティングの必須要素となっています。なお、ステップシークエンスはシニアでは必要ですが、ジュニアでは必須ではありません。

Q5:コレオスピンとコレオシークエンスは何が違いますか?
A5:コレオシークエンスは複数の異なるスケーティング動作を組み合わせる振付要素です。一方、コレオスピンは音楽に合わせて最低3回転を連続して実施するスピン要素です。2026-27年から両方がジュニア・シニアのフリーに含まれています。

コレオシークエンスとは、スパイラルやイナバウアー、スプレッドイーグル、ハイドロブレーディングなど、2種類以上の異なるスケーティング動作を組み合わせ、音楽とプログラムの世界観を表現する要素である。

ステップシークエンスとの最大の違いは、難易度レベルが設定されていないこと。基礎点は固定され、GOEによって実施の質が評価される。

2026-27年シーズンには、コレオシークエンスの基礎点が3.50点に改定され、新たにコレオスピンも導入された。シングルのジュニア・シニアともに、フリースケーティングの構成要素として重要な位置を占めている。

今後、フィギュアスケートを観戦するときは、ジャンプの回転数やスピンの難易度だけでなく、コレオシークエンスにも注目したい。どの動作を選び、どのように音楽につなげ、どれだけ自然にプログラムの世界観を表現しているか。その視点を持つことで、選手の振付や演技構成の工夫、そして採点の意味がより深く理解できるはずだ。

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水沢 絵理香

美容と健康の記事を10年担当。成分表記と公的機関の資料を確認し、効果を断定しない書き方を徹底しています。

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