俳優・団時朗(だんじろう)さんは、1971年放送の特撮ドラマ『帰ってきたウルトラマン』で主人公・郷秀樹を演じ、日本の特撮史に名を残した俳優です。本名は村田秀雄。かつては団次郎・団次朗という芸名で活動し、1984年から現在広く知られる「団時朗」の名を使用しました。
京都府京都市出身で、平安高等学校を卒業。資生堂のMG5のCMモデルとして注目を集めた後、テレビドラマや映画、舞台へと活躍の場を広げました。『スーパーロボット マッハバロン』『少年探偵団』『ロボット8ちゃん』など、ウルトラマン以外の特撮作品でも存在感を発揮しています。
2023年3月22日、肺がんのため74歳で逝去。2026年現在は、郷秀樹役をはじめとする数々の出演作品とともに、その功績が語り継がれています。ここでは、本名や芸名の変遷、代表作、森次晃嗣さんとの交流、晩年までの歩みを時系列で紹介します。
【本名は村田秀雄】団時朗の旧芸名と京都での生い立ち

団時朗さんの本名は村田秀雄(むらたひでお)です。俳優として活動するなかで芸名の表記が変わり、団次郎、団次朗を経て、団時朗という名前が定着しました。
1949年に京都市で誕生、平安高等学校を卒業団時朗さんは1949年1月30日、京都府京都市に生まれました。高校は平安高等学校(現在の龍谷大学付属平安高等学校)に進学し、1967年に卒業したとされています。
高校卒業後は上京し、モデルとして芸能活動を開始。長身と端正な顔立ちを生かし、資生堂の男性化粧品ブランド「MG5」の広告で注目を集めました。
1968年には資生堂のテレビCMに出演。男性モデルとしての印象的な存在感が、後の俳優活動にもつながっていきます。
団次郎・団次朗から団時朗へ芸名の変遷も団時朗さんを調べる際によく検索されるポイントです。
- 団次郎:初期に使用していた芸名の一つ。
- 団次朗:同じ読み方で使用された別表記。
- 団時朗:1984年から使用した芸名。
いずれも読み方は「だんじろう」です。団次郎と団次朗は別々の俳優ではなく、同一人物の芸名表記の違いです。
1984年以降は団時朗名義で活動し、テレビだけでなく舞台でも実績を重ねました。出演作品の年代によってクレジット表記が異なるため、過去の作品を探す際には「団次郎」「団次朗」という名前も検索対象に含めると見つけやすくなります。
【最大の代表作】『帰ってきたウルトラマン』郷秀樹役で人気を確立
団時朗さんの代表作として最初に挙げられるのが、1971年から1972年にかけて放送された円谷プロダクション制作の特撮ドラマ『帰ってきたウルトラマン』です。
団さんが演じたのは、主人公の青年郷秀樹。怪獣から人々を守るために戦う青年であり、ウルトラマンと一心同体になって地球の平和を守る存在です。
郷秀樹という主人公が残した印象郷秀樹は、自動車修理工場で働きながらカーレーサーを目指していた青年という設定です。怪獣タッコングが出現した際、少年と子犬を助けようとして命を落としますが、その勇気ある行動を認められ、ウルトラマンと一体化して復活します。
その後、怪獣攻撃隊MATの隊員となり、仲間たちとともに怪獣や宇宙人に立ち向かいます。
団さんの演技で印象的なのは、ヒーローとしての強さだけでなく、郷秀樹という一人の青年が抱える葛藤や人間的な弱さも表現していた点です。
変身後のアクションだけでなく、MATの仲間との関係や日常のドラマも作品の魅力を支えていました。
ウルトラマンジャックと郷秀樹の関係『帰ってきたウルトラマン』の主人公は、後年「ウルトラマンジャック」という名称で呼ばれるようになりました。
ここで整理しておきたいのは、団時朗さんが演じた人物の名前は郷秀樹であり、変身するヒーローがウルトラマンジャックだということです。
また、『ウルトラセブン』でモロボシ・ダンを演じた森次晃嗣さんとは別の俳優です。団時朗さんが演じた郷秀樹と、森次さんが演じたモロボシ・ダンは、それぞれ異なる作品の主人公です。
テレビシリーズ終了後も続いた郷秀樹役団さんはテレビシリーズ終了後も、ウルトラマンシリーズの関連作品で郷秀樹を再演しました。
- 2006年:映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』
- 2008年:映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』
- 2012年:映画『ウルトラマンサーガ』
こうした出演は、郷秀樹という人物が単なる1970年代のテレビドラマの登場人物にとどまらず、後のウルトラシリーズにも受け継がれてきたことを示しています。
【出演作品・代表作一覧】特撮から映画・ドラマ・舞台まで
団時朗さんの俳優人生は、郷秀樹役だけでは語り尽くせません。1970年代には複数の特撮作品に出演し、1980年代以降は舞台や一般ドラマ、映画でも幅広く活躍しました。
特に注目したいのは、作品ごとに異なる人物像を演じ分けていたことです。ヒーロー作品では頼れる存在、探偵ドラマでは謎めいた敵役、舞台ではシリアスな人物と、出演ジャンルによって異なる魅力を見せました。
団時朗の代表的な出演作品・経歴年表| 時期 | 作品・出来事 | 役柄・内容 |
|---|---|---|
| 1967年 | 平安高等学校卒業 | 卒業後に上京 |
| 1968年 | 資生堂MG5のCM | モデルとして注目を集める |
| 1971~1972年 | 帰ってきたウルトラマン | 郷秀樹役 |
| 1974~1975年 | スーパーロボット マッハバロン | 村野博士・KSS隊長役 |
| 1975年 | 少年探偵団 | 怪人二十面相役 |
| 1981年 | ロボット8ちゃん | 青井博士役 |
| 1984年 | 芸名を団時朗に変更 | 舞台作品にも続けて出演 |
| 2006年 | ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟 | 郷秀樹役 |
| 2008年 | 大決戦!超ウルトラ8兄弟 | 郷秀樹役 |
| 2012年 | ウルトラマンサーガ | 郷秀樹役 |
| 2023年 | 逝去 | 3月22日、74歳 |
1974年から1975年に放送された『スーパーロボット マッハバロン』も、団さんの特撮出演歴を語るうえで欠かせない作品です。
この作品では村野博士およびKSS隊長を演じました。『帰ってきたウルトラマン』の郷秀樹とは異なり、物語を支える科学者・組織側の人物として登場しています。
巨大ロボットが活躍する作品で、ヒーロー本人を演じるだけでなく、物語の設定や科学的な背景を担う役柄にも対応できる俳優だったことが分かります。
『少年探偵団』では怪人二十面相を演じる1975年放送の『少年探偵団』では、江戸川乱歩作品でおなじみの怪人二十面相を演じました。
この作品で特に印象的なのは、最終回における正体の演出です。それまで謎に包まれていた怪人二十面相の正体が、演じていた団次郎本人であることを明かす趣向が用意されていました。
ウルトラマンで正義のヒーローを演じた俳優が、今度は少年探偵団の宿敵として登場する。この役柄の違いは、当時の子ども向け特撮・テレビドラマにおける団さんの存在感をよく表しています。
『ロボット8ちゃん』では青井博士役1981年に放送された東映の不思議コメディーシリーズ『ロボット8ちゃん』では、青井博士を演じました。
1970年代の硬派な特撮ヒーロー作品とは異なり、コミカルな要素を持つ作品です。団さんはここでも博士役を担当し、作品の世界観に合わせた演技を披露しました。
そのほか、NHK連続テレビ小説『カーネーション』(2011年)、『べっぴんさん』(2016年)、映画『ストレイヤーズ・クロニクル』(2015年)、『棒の哀しみ』(2016年)などにも出演しています。
晩年までテレビドラマや映画への出演を続け、特撮俳優という枠に収まらないキャリアを築きました。
【1984年の改名】団時朗への変更と舞台俳優としての活躍
団さんの経歴における大きな節目が1984年です。この年から団時朗という芸名で活動するようになりました。
芸名の変更と同じ時期に、舞台での出演も目立つようになります。テレビ特撮作品で人気を得た俳優が、演劇の世界でも実績を積み重ねていった時期です。
『ハムレット』でフォーティンブラスを演じる1984年、団さんは片岡孝夫さん主演の舞台『ハムレット』に出演し、フォーティンブラス役を担当しました。
さらに同年には、江守徹さん、日下武史さんらが出演した舞台『Good』や、坂東玉三郎さんの公演『長崎十二景』にも参加しています。
翌1985年には、杉村春子さん主演の『浮巣』をはじめ、森光子さん主演の芸術座公演や森繁久弥さんの座長公演にも出演しました。
こうした舞台出演の積み重ねによって、団さんはテレビの特撮作品で知られる俳優から、舞台でも存在感を発揮する実力派へと活動の幅を広げていきました。
特撮俳優というイメージを超えたキャリア団さんの魅力は、長身や整った容姿だけではありません。作品のジャンルや役柄に応じて、シリアスな演技からコミカルな演技まで対応できる柔軟性も評価されていました。
特撮作品への出演が多い俳優は、代表的なヒーロー役のイメージが強く残りやすいものです。しかし団さんの場合、舞台や一般ドラマへの継続的な出演が、その俳優としての評価を支えていました。
1984年の芸名変更は、単に名前の漢字が変わったというだけでなく、その後の活動歴を整理するうえでも重要な節目です。
【森次晃嗣との交友関係】ウルトラシリーズを通じた俳優同士の絆
団時朗さんと森次晃嗣さんの関係も、ウルトラシリーズのファンにとって関心の高い話題です。
森次晃嗣さんは『ウルトラセブン』でモロボシ・ダンを演じた俳優です。団さんとは出演作品こそ異なりますが、ウルトラシリーズを代表する俳優同士として共演や交流がありました。
森次晃嗣さんが明かした団時朗さんへの思い2023年3月24日、団さんの訃報が伝えられると、森次さんはスポーツニッポンの取材に応じ、突然の別れに対する悲しみを語りました。
森次さんは団さんの病気について以前から聞いていたことや、新型コロナウイルスの影響もあり、ここ数年は会えない時間が長くなっていたことを明かしています。
その際に伝えた「ショックが強すぎます」という言葉からも、長く交流してきた仲間を失った悲しみがうかがえます。
共演者からも寄せられた追悼の言葉団さんの訃報には、ウルトラシリーズで共演した俳優や関係者からも追悼の声が寄せられました。
『帰ってきたウルトラマン』で郷秀樹の恋人・坂田アキを演じた榊原るみさんは、当時はお互いに新人で演技に精いっぱいだったことを振り返り、団さんについて「いつもとてもお優しい、静かな方でした」と追悼しました。
また、俳優の大和田伸也さんも、映画『恐竜を掘ろう』や舞台『マウストラップ』で団さんと仕事をした経験を振り返り、一緒にお酒を飲んだときの姿が印象に残っていると語っています。
こうした関係者の言葉から見えてくるのは、団さんが代表作の知名度だけでなく、共演者や仕事仲間との人間関係においても親しまれていたことです。
【2023年3月22日に逝去】死因・晩年の活動と2026年現在
団時朗さんは、2023年3月22日午前4時14分、肺がんのため東京都内の病院で亡くなりました。享年74歳でした。
所属事務所のアルファエージェンシーが3月24日に訃報を発表し、長年にわたる闘病についても明らかにしています。
2017年夏に肺がんと診断、その後も俳優活動を継続所属事務所の発表によると、団さんは2017年夏に肺がんと診断されていました。
その後も治療を受けながら俳優活動を続けており、病気になってからもユーモアと優しさを失わず、仕事に取り組んでいたと事務所は伝えています。
しかし、2022年末から体調が悪化。回復することなく、2023年3月22日に亡くなりました。
逝去までの重要な出来事- 1949年1月30日:京都府京都市に誕生。
- 1967年:平安高等学校を卒業。
- 1968年:資生堂MG5のCMで注目を集める。
- 1971年:『帰ってきたウルトラマン』で郷秀樹役を演じる。
- 1984年:団時朗名義で活動。
- 2017年夏:肺がんと診断される。
- 2022年末:体調が悪化。
- 2023年3月22日:午前4時14分、74歳で逝去。
- 2023年3月24日:所属事務所が訃報を公表。
団時朗さんは2023年3月22日に亡くなっており、2026年11月現在も故人です。
インターネットで「団時朗 現在」と検索すると、過去の出演情報やプロフィール、作品関連の記事が表示されることがあります。しかし、これらは生前の活動記録や追悼情報であり、現在も本人が芸能活動を続けているという意味ではありません。
一方、団さんが出演した『帰ってきたウルトラマン』をはじめとする作品は、特撮ドラマの歴史を振り返るうえで重要な映像作品として残っています。
とりわけ郷秀樹役は、世代を超えてウルトラシリーズを振り返る際に名前が挙がる代表的な役柄です。団さんの功績は、過去の出演映像や関係者の証言を通じて今後も伝えられていきます。
【団時朗】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:団時朗の本名は何ですか?
A1:本名は村田秀雄(むらたひでお)です。芸名は団次郎、団次朗を経て、1984年から団時朗を使用しました。
Q2:団時朗は『帰ってきたウルトラマン』で何役を演じましたか?
A2:主人公の郷秀樹役です。郷秀樹はウルトラマンと一体化し、MATの隊員として怪獣や宇宙人から地球を守ります。
Q3:団時朗の出身地と卒業した高校はどこですか?
A3:京都府京都市出身です。平安高等学校(現在の龍谷大学付属平安高等学校)を卒業しています。
Q4:団時朗は『スーパーロボット マッハバロン』にも出演していますか?
A4:出演しています。1974年から1975年に放送された同作品で、村野博士・KSS隊長を演じました。
Q5:団時朗の死因は何ですか?
A5:肺がんです。2017年夏に診断を受け、治療を続けながら俳優活動を行っていましたが、2023年3月22日午前4時14分に74歳で亡くなりました。
Q6:団時朗と森次晃嗣はどのような関係でしたか?
A6:ウルトラシリーズで共演した俳優仲間で、作品を通じて交流が続いていました。森次さんは団さんの訃報に際し、会えない期間が長くなっていたことへの悔しさと悲しみを語っています。
団時朗さんは、本名を村田秀雄といい、団次郎・団次朗という旧芸名を経て、1984年から団時朗名義で活動した俳優です。京都市で生まれ、平安高等学校を卒業後、モデル活動を経て俳優としてのキャリアを築きました。
1971年の『帰ってきたウルトラマン』で演じた郷秀樹役は、現在も代表作として広く知られています。しかし、『スーパーロボット マッハバロン』『少年探偵団』『ロボット8ちゃん』などの出演歴を振り返ると、ヒーロー役だけにとどまらない幅広い演技力が見えてきます。
さらに1984年以降は舞台でも活躍し、『ハムレット』をはじめとする作品に出演。テレビ、映画、舞台を横断する俳優として長年活動を続けました。
2023年3月22日に74歳で逝去した団さんですが、2026年現在も郷秀樹という人物を通して、その存在は多くの人に記憶されています。
団時朗さんの出演作品を初めて見る人には、まず『帰ってきたウルトラマン』がおすすめです。俳優としての幅広さを知りたい人は『少年探偵団』や『スーパーロボット マッハバロン』も見比べると、同じ俳優が演じる役柄の違いを楽しめます。
郷秀樹というヒーローを生み出した俳優として、そして特撮の枠を越えて舞台や映画でも活躍した一人の表現者として、団時朗さんの仕事はこれからも日本の映像文化の中に残り続けます。
主な事実確認資料: アルファエージェンシーの訃報発表、TBS NEWS DIG、スポーツニッポン、日刊スポーツ、CDジャーナル、allcinema、国立映画アーカイブの脚本データベース。