2026年11月現在、大相撲の朝乃山は、左膝の大けがによる長期離脱と三段目への転落を乗り越え、再び幕内上位まで番付を戻した。大きな転機となったのは、2026年秋場所での10勝5敗という好成績だ。東前頭6枚目から5枚上昇し、11月の九州場所では東前頭筆頭に復帰した。
一方、完全復活への道には、まだ越えるべき壁がある。2024年名古屋場所で断裂した左膝前十字靱帯、2026年夏場所で負った左足甲の負傷、そして九州場所直前に報じられた左足首の不安だ。11月1日の共同通信の報道では、左足首の不安は解消したとされ、本人も三役復帰、さらには大関復帰への意欲を示している。
この記事では、日本相撲協会の公式記録、共同通信、日刊スポーツ、富山テレビなどの報道をもとに、朝乃山の現在地、番付の変遷、負傷の経緯、三役・大関復帰の可能性を整理する。
【2026年最新】朝乃山は現在どこまで復活した?九州場所は東前頭筆頭

朝乃山広暉は、2026年九州場所で東前頭筆頭に位置している。
9月の秋場所では東前頭6枚目として土俵に上がり、15日間を戦って10勝5敗。再入幕後、初めての2桁勝利を記録した。
日刊スポーツの報道によると、秋場所では終盤まで優勝争いにも加わっていた。けがから復帰した力士が幕内上位の力士と対戦する位置まで戻ったことは、復活の進展を示す重要な材料だ。
日本相撲協会が10月26日に発表した九州場所の新番付では、朝乃山は東前頭筆頭に昇進。西前頭筆頭には藤凌駕が入った。
出典:日本相撲協会公式記録、2026年10月26日付日刊スポーツ報道
2026年の番付と成績の推移| 本場所 | 番付 | 成績 |
|---|---|---|
| 2026年1月 | 東前頭16枚目 | 9勝6敗 |
| 2026年3月 | 西前頭12枚目 | 8勝7敗 |
| 2026年5月 | 東前頭10枚目 | 7勝5敗3休 |
| 2026年7月 | 東前頭10枚目 | 9勝6敗 |
| 2026年9月 | 東前頭6枚目 | 10勝5敗 |
| 2026年11月 | 東前頭筆頭 | 開催前 |
この推移から見えてくるのは、単発の好成績ではなく、幕内復帰後に番付を段階的に上げてきたことだ。
2026年5月には負傷による途中休場があったものの、7月に9勝6敗で勝ち越し、9月には10勝5敗とさらに成績を伸ばした。
特に注目したいのは、秋場所の結果が九州場所の番付に直結した点だ。東前頭筆頭は、横綱・大関・三役と対戦する可能性が高い幕内最上位の位置である。
ここで上位陣を相手に勝ち星を積み重ねられるかどうかが、次の三役復帰を左右する。
九州場所は11月8日初日2026年九州場所は、11月8日に福岡国際センターで初日を迎える。
10月11日に富山県射水市で行われた秋巡業の射水場所では、朝乃山自身が九州場所について「今年最後の場所、三役復帰のチャンス」という趣旨の意気込みを語っていた。
富山テレビの報道でも、地元出身力士としての期待と、上位進出への本人の意欲が伝えられている。
【左膝の大けが】朝乃山が三段目まで転落した理由と復活への道のり
朝乃山の復活を語るうえで避けられないのが、2024年名古屋場所での左膝の大けがだ。
2024年7月17日の取組で、一山本に押し倒された際に左膝を負傷。翌18日には休場が発表された。
当時、朝乃山は東前頭12枚目。大関経験者として幕内上位への復帰を目指していた時期だった。
日刊スポーツによると、診断は以下のとおりだった。
- 左膝前十字靱帯断裂
- 左膝内側側副靱帯損傷
- 左大腿骨骨挫傷
師匠の高砂親方(元関脇・朝赤龍)は、左膝の前十字靱帯が切れていることを説明。長期離脱が避けられない状況となった。
2024年7月30日に手術、長期リハビリへ朝乃山は2024年7月30日に左膝の手術を受けた。
同年8月、師匠は手術が成功したことと、リハビリを開始したことを明らかにした。当初は2025年初場所での復帰を目指す考えもあったが、回復には時間が必要だった。
その結果、2024年9月、11月、2025年1月と休場が続いた。
番付も急速に下降し、幕内から十両、幕下を経て、2025年春場所には西三段目21枚目まで落ちた。
ただし、ここで注目すべきなのは、朝乃山が過去にも三段目から復帰した経験を持っていたことだ。
2021年には新型コロナウイルス感染対策のガイドライン違反に伴う出場停止処分で大関から陥落。2022年7月には西三段目22枚目で復帰し、7戦全勝で三段目優勝を果たしている。
つまり、今回のけがによる転落は、朝乃山にとって2度目の三段目からの再出発だった。
三段目から幕内復帰までの番付推移日本相撲協会の公式星取表・番付記録をもとに整理
| 時期 | 番付・成績 | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 2024年7月 | 前頭12枚目・3勝2敗10休 | 左膝前十字靱帯断裂 |
| 2024年9月 | 十両3枚目・全休 | 治療・リハビリ |
| 2024年11月 | 幕下筆頭・全休 | 番付下降 |
| 2025年1月 | 幕下41枚目・全休 | 復帰に向けた準備 |
| 2025年3月 | 三段目21枚目・7勝0敗 | 復帰、三段目優勝 |
| 2025年5月 | 幕下14枚目・6勝1敗 | 幕下復帰 |
| 2025年7月 | 幕下筆頭・5勝2敗 | 十両目前へ |
| 2025年9月 | 十両13枚目・12勝3敗 | 十両復帰 |
| 2025年11月 | 十両4枚目・12勝3敗 | 2場所連続12勝 |
| 2026年1月 | 前頭16枚目・9勝6敗 | 3度目の幕内昇進 |
この復帰過程で特筆すべきなのは、2025年3月場所の三段目優勝だ。
朝乃山は復帰場所で7戦全勝。富山県の新田八朗知事も、235日ぶりの土俵復帰と三段目全勝優勝を祝うコメントを発表した。
その後も幕下で6勝1敗、5勝2敗と成績を残し、2025年9月には十両へ復帰。さらに9月場所、11月場所と2場所連続で12勝3敗を記録した。
2026年初場所では東前頭16枚目として幕内に復帰している。
日刊スポーツは、幕内から三段目に2度転落しながら、いずれも幕内に戻った力士として朝乃山を「史上初」と報じた。単なる番付回復ではなく、大相撲史に残る異例の再起となった。
【左足首の最新状況】2026年11月場所前の負傷と稽古の状態
朝乃山の九州場所を占ううえで、もう一つ確認しておきたいのが左足の状態だ。
2024年の左膝の大けがを乗り越えた後も、2026年には別の負傷が発生している。
2026年5月は左足甲のリスフラン靱帯を負傷日刊スポーツの2026年7月の報道によると、朝乃山は5月の夏場所11日目、翔猿との取組で左足甲を負傷した。
診断は左足リスフラン靱帯損傷。約4週間の治療期間を要する見込みとされ、翌12日目から休場した。
この場所の成績は7勝5敗3休。6月に予定されていたパリ公演も休場し、7月の名古屋場所への復帰を優先した。
その後、7月場所には出場し、9勝6敗で勝ち越しを達成している。
ここで重要なのは、2024年の左膝前十字靱帯断裂と、2026年の左足甲のリスフラン靱帯損傷は別の負傷だという点だ。
同じ左脚周辺のけがでも、発生時期も負傷部位も異なる。両者を混同すると、復帰過程を正しく理解できない。
11月1日、左足首の不安は解消したと報道11月1日付の共同通信の報道では、朝乃山は九州場所に向けて福岡市中央区の高砂部屋で調整していた。
報道された内容は次のとおり。
- 押しの確認やてっぽうなどの稽古を実施
- 3日前に痛めた左足首について、不安は消えたと説明
- 11月2日から出稽古を始める意向
- 九州場所では勝ち越し以上を目標に掲げる
この報道は、場所直前の状態を判断するうえで重要だ。
ただし、左足首について具体的な診断名や靱帯損傷の有無が公表されたわけではない。負傷の不安が解消したという直近の状況と、医学的な完全治癒は分けて考える必要がある。
2026年11月1日時点のコンディション整理
2024年の左膝
前十字靱帯断裂などの大けがから復帰し、幕内上位まで番付を回復。
2026年5月の左足甲
リスフラン靱帯損傷による休場を経て、7月場所は9勝6敗。
2026年10月末の左足首
11月1日の共同通信報道では不安は消え、出稽古を始める意向。
九州場所では、勝ち星だけでなく、15日間を通じて足の状態を維持できるかも大きなポイントになる。
【三役復帰の条件】朝乃山は小結・関脇に戻れるのか?
九州場所で朝乃山が東前頭筆頭に昇進したことで、三役復帰は現実的な目標になってきた。
大相撲の三役とは、原則として小結と関脇を指す。朝乃山は2024年5月場所で小結に昇進しているため、今回の九州場所で再び三役に戻れるかが注目される。
東前頭筆頭という番付が持つ意味東前頭筆頭は幕内の上位に位置する。
この番付では、横綱や大関、関脇、小結といった上位陣との対戦が組まれる可能性が高い。
共同通信は11月1日、朝乃山が上位陣と総当たりで対戦するのは、西前頭筆頭だった2024年春場所以来になると伝えた。
つまり、九州場所は単に勝ち越しを目指すだけの場所ではない。
過去に大関として戦った相手や、現在の上位陣とどこまで互角に渡り合えるかが問われる場所になる。
三役復帰に必要な3つのポイント1. まずは勝ち越し以上の成績を残す
朝乃山自身も九州場所について、勝ち越し以上を目標に掲げている。
東前頭筆頭からさらに上を目指すには、負け越しを避けるだけでなく、三役に上がるだけの成績を残したいところだ。
2. 横綱・大関・三役との対戦で白星を挙げる
前頭筆頭は上位陣との対戦が多くなる。
ここで勝ち星を挙げられれば、単なる平幕上位の勝ち越し以上に評価される可能性がある。
3. けがをせず15日間を戦い切る
2024年以降、朝乃山は膝や足の負傷に悩まされてきた。
九州場所では左足首の不安が解消したと報じられたものの、場所中の負担に耐えられるかは別の問題だ。
15日間を通じて安定した相撲を取れることが、継続的な番付上昇につながる。
大関復帰はどこまで現実的?朝乃山は2026年11月1日の共同通信の取材に対し、「大関に戻りたい」と復帰への意欲を示した。
大関復帰は、三役復帰よりさらに高いハードルがある。
一般的には、関脇や小結で直近3場所に合計33勝程度を挙げることが昇進の目安とされる。ただし、これは絶対的な規則ではない。勝利数だけでなく、相撲内容や対戦相手なども審議の材料になる。
興味深いのは、朝乃山自身が最初に大関へ昇進した際の成績だ。
| 場所 | 番付 | 成績 |
|---|---|---|
| 2019年11月 | 小結 | 11勝4敗 |
| 2020年1月 | 関脇 | 10勝5敗 |
| 2020年3月 | 関脇 | 11勝4敗 |
| 合計 | 三役3場所 | 32勝13敗 |
朝乃山はこの3場所で32勝を挙げ、2020年7月場所に大関へ昇進した。
つまり、よく言われる33勝は絶対条件ではない。実際に朝乃山自身が32勝で大関昇進を果たしている。
もっとも、2026年11月現在の朝乃山はまだ前頭筆頭だ。
大関復帰を実現するには、まず三役に定着し、その後も複数場所にわたって高い成績を残す必要がある。
したがって、現段階では大関復帰を目前の目標と見るより、九州場所で三役復帰への足掛かりをつくれるかに注目するのが適切だ。
【高砂部屋と先代朝潮】朝乃山を育てた師弟関係と過去の実績
朝乃山は富山県富山市出身。1994年3月1日生まれで、2026年11月現在32歳だ。
本名は石橋広暉。富山商業高校から近畿大学へ進み、2016年3月場所に初土俵を踏んだ。
所属は高砂部屋。日本相撲協会の公式プロフィールでは、最高位は東大関と記録されている。
得意技は押し、右四つ、寄り。正攻法の四つ相撲を持ち味としている。
先代高砂親方・元大関朝潮との関係朝乃山の成長を語るうえで欠かせない人物が、先代高砂親方の元大関・朝潮、長岡末弘さんだ。
朝潮は2002年に高砂を襲名し、高砂部屋の師匠として朝青龍や朝乃山らを育てた。
2023年11月2日に67歳で亡くなったことが報じられている。
2026年11月1日の共同通信の記事では、朝乃山が翌2日の先代師匠の命日を前に、先代への思いを語った。
入門から大関に育ててもらった恩師に対し、朝乃山は「いい相撲を取って白星を届ける」と決意を新たにしたという。
同じ報道で「大関に戻りたい」と語ったことも印象的だ。
先代が育てた大関として、再び大関の地位を目指す。その言葉には、単なる番付上昇以上の意味が込められている。
朝乃山の過去の優勝・受賞歴朝乃山は大関まで昇進した実力者であり、過去の実績も豊富だ。
日本相撲協会の公式プロフィールによると、主な優勝・受賞歴は次のとおり。
| 項目 | 実績 |
|---|---|
| 幕内優勝 | 1回 |
| 十両優勝 | 1回 |
| 幕下優勝 | 1回 |
| 三段目優勝 | 2回 |
| 殊勲賞 | 2回 |
| 敢闘賞 | 3回 |
| 技能賞 | 1回 |
| 金星 | 1個 |
特に注目されるのは、2019年5月場所の幕内初優勝だ。
西前頭8枚目で12勝3敗を記録し、殊勲賞と敢闘賞も獲得した。
その後、2019年11月に小結、2020年7月には大関へ昇進。初土俵から約4年半で大関に到達した。
大関在位は2020年7月場所から2021年7月場所までの7場所。日本相撲協会の記録では、大関時代の通算成績は51勝24敗30休となっている。
こうした実績を考えると、朝乃山が三役や大関を目指すこと自体に不思議はない。問題は、その実力を現在の身体の状態で再び発揮できるかどうかだ。
朝乃山の復活を判断する3つの基準今後の成績を追う際には、次の3点を確認したい。
- 番付:前頭筆頭から小結・関脇へ昇進できるか。
- 対戦内容:上位陣に対して、得意の右四つや寄りを十分に発揮できるか。
- 身体の状態:左膝、左足甲、左足首に大きな不安を抱えず、15日間を戦えるか。
特に重要なのは、勝ち越しの数字だけで判断しないことだ。
同じ10勝でも、どの相手から勝ち星を挙げたかによって評価は変わる。朝乃山の場合、上位陣との対戦で勝ち越せるかが、三役復帰への大きな判断材料となる。
【大相撲朝乃山】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:朝乃山の2026年九州場所の番付は何枚目ですか?
A1:2026年九州場所は東前頭筆頭です。秋場所で東前頭6枚目から10勝5敗の好成績を残し、5枚番付を上げました。
Q2:朝乃山は2024年にどのようなけがをしましたか?
A2:2024年7月の名古屋場所で左膝前十字靱帯断裂、左膝内側側副靱帯損傷、左大腿骨骨挫傷を負いました。手術と長期リハビリを経て、2025年3月場所に三段目で復帰しました。
Q3:朝乃山は三役や大関に復帰できますか?
A3:三役復帰は十分に目指せる位置まで戻っています。九州場所は東前頭筆頭から上位陣との対戦が見込まれます。大関復帰についても本人が意欲を示していますが、まずは三役に復帰し、安定した好成績を続ける必要があります。
2026年11月現在、朝乃山は東前頭筆頭まで番付を戻した。
2024年名古屋場所での左膝前十字靱帯断裂、2025年春場所の三段目からの再出発、そして2026年秋場所の10勝5敗。ここまでの歩みは、決して平坦ではなかった。
九州場所前の11月1日には、左足首の不安が解消したとの報道もあり、本人は大関復帰への思いを口にしている。
今後の注目点は明確だ。
1. 九州場所で上位陣からどれだけ白星を挙げられるか。
2. 左膝や左足の状態を維持して15日間を戦えるか。
3. 三役復帰後も安定した成績を残せるか。
朝乃山はすでに幕内優勝と大関昇進を経験している力士だ。過去の実績だけで評価するのではなく、現在の番付、対戦相手、相撲内容、身体の状態を総合的に見ることが大切になる。
2026年九州場所は、朝乃山にとって単なる番付回復の続きではない。三役復帰、そして大関再昇進という次の目標に向けて、現在の実力を上位陣に示す重要な15日間となる。
復活を支えてきた富山のファン、そして先代高砂親方への思いを胸に、再び上位の土俵で存在感を示せるか。11月場所の朝乃山から目が離せない。