大相撲の成績を見るとき、最初に確認したいのが勝敗、番付、星取表の3つです。力士の成績は単純な勝ち星だけで決まるものではありません。15日間の本場所で何勝したのか、どの地位で戦ったのか、どのような決まり手で勝負が決まったのかによって、その評価は大きく変わります。
2026年10月31日現在、日本相撲協会が主催する本場所は年間6回です。次の十一月場所は11月8日から22日まで福岡国際センターで開催されます。また、2026年10月1日には勝負規定の改定も決定され、髷が土俵についた場合の判定にも新たな変更が加わりました。成績の基本から最新のルールまで理解すると、大相撲の記録はさらに興味深くなります。
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> - 要点1: 幕内・十両は15番相撲を取り、原則8勝以上で勝ち越し、8敗以上で負け越しとなる。
> - 要点2: 星取表では○が勝ち、●が負け、□が不戦勝、■が不戦敗。休場や引き分けにも専用の記号がある。
> - 要点3: 日本相撲協会が定める決まり手は82手、非技は5種類。反則負けや不浄負けは別の勝負判定として扱われる。
【基本編】大相撲の成績は本場所の勝敗と番付を分けて見る

大相撲の成績を理解するには、まず本場所の仕組みを知る必要があります。
日本相撲協会は、一月場所、三月場所、五月場所、七月場所、九月場所、十一月場所の年6回、本場所を開催しています。各場所の成績は次の番付編成に反映され、力士の地位や順位が変わります。
本場所は全部で15日間幕内力士と十両力士は、初日から千秋楽までの15日間、基本的に1日1番、合計15番の相撲を取ります。
一方、幕下以下の力士は基本的に1場所7番です。毎日取組が組まれる関取とは異なり、原則として2日に1番程度のペースで勝負します。
この違いは成績を見るうえで非常に重要です。
例えば、幕内で8勝7敗なら勝ち越しですが、幕下で同じように8勝7敗という成績にはなりません。そもそも幕下以下は通常7番しか取らないためです。
幕内力士と十両力士の成績の違い大相撲の番付は、上から幕内、十両、幕下、三段目、序二段、序ノ口という6つの階級に分かれています。
幕内と十両に所属する力士は「関取」と呼ばれ、力士として待遇面でも大きな違いがあります。
幕内の内部には、さらに次の地位があります。
- 横綱
- 大関
- 関脇
- 小結
- 前頭
幕内の成績は、優勝争いだけでなく三役昇進や大関昇進への評価にも関係します。
十両では、幕内昇進を目指す力士と幕下から昇進してきた力士が競い合います。十両上位で好成績を残せば、幕内入りが現実的な目標になります。
つまり、同じ8勝7敗でも、現在の番付や対戦相手、周囲の力士の成績によって次の評価は異なります。
【実践編】大相撲の星取表と勝敗一覧の正しい見方
星取表は、本場所における力士の勝敗を日ごとに一覧表示したものです。
新聞やインターネットの速報、公式サイトで見られる白丸と黒丸の並びが基本となります。
日本相撲協会の公式星取表では、幕内や十両などの力士について、初日から千秋楽までの結果を確認できます。
星取表に使われる7つの記号| 記号 | 意味 | 読み方 |
|---|---|---|
| ○ | 勝ち | 白星 |
| ● | 負け | 黒星 |
| □ | 不戦勝 | 取組をせずに勝利 |
| ■ | 不戦敗 | 取組が成立せず敗北 |
| や | 休み・取組なし | 休場など |
| × | 引き分け | 勝敗が決まらない |
| △ | 痛み分け | 両者の負傷などによる勝負終了 |
特に覚えておきたいのが、□と■の違いです。
対戦相手が休場などで取組を行えなくなった場合、相手には不戦敗、自分には不戦勝が記録されます。
ただし、不戦勝は実際に相手を土俵外に出した勝利とは異なります。成績上は1勝として記録されますが、決まり手がつく通常の勝負とは区別して考える必要があります。
星取表の読み方を具体例で解説例えば、次のような成績があったとします。
○ ● ○ ○ ● ○ ● ○ ○ ● ○ ● ○ ● ○
この場合、白丸が8個、黒丸が7個です。
したがって、成績は8勝7敗となり、勝ち越しが決まります。
一方、7勝8敗なら負け越しです。
星取表を確認するときは、単に白丸と黒丸の数を数えるだけでなく、途中休場や不戦勝・不戦敗がないかも確認してください。
勝敗一覧と星取表は何が違う?星取表は15日間の勝敗の流れを見るのに適しています。
一方、勝敗一覧や取組結果では、対戦相手、勝敗、決まり手などを詳しく確認できます。
例えば、同じ8勝7敗でも、押し出しや寄り切りで勝ったのか、投げ技を中心に勝ったのかで、力士の相撲内容は異なります。
勝敗の全体像を把握するなら星取表、具体的な取組内容まで分析するなら取組結果を見るのがおすすめです。
【番付の仕組み】勝ち越し・負け越しで力士の順位はどう変わる?
大相撲では、本場所の成績が次の番付に大きく影響します。
基本となるのが勝ち越しと負け越しです。
幕内と十両は15番相撲を取るため、8勝以上で勝ち越し、8敗以上で負け越しとなります。
勝ち越し・負け越しの基準| 所属階級 | 通常の取組数 | 勝ち越し | 負け越し |
|---|---|---|---|
| 幕内 | 15番 | 8勝以上 | 8敗以上 |
| 十両 | 15番 | 8勝以上 | 8敗以上 |
| 幕下以下 | 7番 | 4勝以上 | 4敗以上 |
幕内・十両では、次のような成績が代表的です。
- 15勝0敗:全勝優勝の可能性がある成績
- 14勝1敗:非常に優秀な成績
- 12勝3敗:大きく勝ち越した成績
- 10勝5敗:二桁勝利
- 8勝7敗:勝ち越し
- 7勝8敗:負け越し
- 5勝10敗:大きな負け越し
- 0勝15敗:全敗
休場した場合は、実際に取った取組の勝敗と休場数を分けて確認します。例えば7勝3敗5休なら、7勝3敗に5休を加えた成績です。
勝ち越せば必ず大幅に昇進するのか?ここは初心者が誤解しやすい部分です。
勝ち越せば番付が上がる方向に働きますが、勝ち越しの幅だけで昇進幅が機械的に決まるわけではありません。
例えば、8勝7敗と12勝3敗では、どちらも勝ち越しですが、後者のほうが成績面で高く評価されるのが基本です。
ただし、実際の番付は本人の成績だけでなく、同じ地位や周辺の力士の成績、昇進・降格の人数などを踏まえて決定されます。
日本相撲協会によると、番付編成会議は本場所終了後3日以内に開催されます。横綱・大関・十両への昇進力士は会議後に発表され、その他の新番付は次の本場所前に発表されます。
東と西にも順位の違いがある番付には東と西があります。
同じ地位・同じ枚数であれば、一般に東のほうが西より上位として扱われます。
例えば、東前頭三枚目と西前頭三枚目なら、東前頭三枚目が上位です。
そのため、番付を比較するときは、単純に「前頭三枚目」という数字だけで判断せず、東西の区別も確認する必要があります。
【決まり手完全ガイド】八十二手と非技5つの種類を一覧で解説
大相撲の勝敗をさらに詳しく理解するには、決まり手を知ることが欠かせません。
日本相撲協会が定めている決まり手は82手です。
これとは別に、技によって倒すのではなく、力士自身の動作などによって勝負が決まる「非技(勝負結果)」が5種類あります。
決まり手八十二手一覧日本相撲協会の公式分類に沿って整理すると、次の6グループに分けられます。
1.基本技(7手)
突き出し、突き倒し、押し出し、押し倒し、寄り切り、寄り倒し、浴びせ倒し。
2.投げ手(13手)
上手投げ、下手投げ、小手投げ、掬い投げ、上手出し投げ、下手出し投げ、腰投げ、首投げ、一本背負い、二丁投げ、櫓投げ、掛け投げ、つかみ投げ。
3.掛け手(18手)
内掛け、外掛け、ちょん掛け、切り返し、河津掛け、蹴返し、蹴手繰り、三所攻め、渡し込み、二枚蹴り、小股掬い、外小股、大股、褄取り、小褄取り、足取り、裾取り、裾払い。
4.反り手(6手)
居反り、撞木反り、掛け反り、たすき反り、外たすき反り、伝え反り。
5.捻り手(19手)
突き落とし、巻き落とし、とったり、逆取ったり、肩すかし、外無双、内無双、頭捻り、上手捻り、下手捻り、網打ち、鯖折り、波離間投げ、大逆手、腕捻り、合掌捻り、徳利投げ、首捻り、小手捻り。
6.特殊技(19手)
引き落とし、引っ掛け、叩き込み、素首落とし、吊り出し、送り吊り出し、吊り落とし、送り吊り落とし、送り出し、送り倒し、送り投げ、送り掛け、送り引き落とし、割り出し、打っ棄り、極め出し、極め倒し、後ろもたれ、呼び戻し。
以上が決まり手八十二手です。
非技5つは決まり手と何が違う?非技は、通常の技をかけて相手を倒すのとは異なる勝負結果です。
日本相撲協会が定める5種類は次のとおりです。
| 非技 | 内容 |
|---|---|
| 勇み足 | 相手を追い詰めながら自分が先に土俵外へ出る |
| 腰砕け | 相手の技によらず自分の体勢が崩れて倒れる |
| つき手 | 相手より先に手を土俵につく |
| つき膝 | 相手より先に膝を土俵につく |
| 踏み出し | 相手の戦意がない状態などで自分が土俵外へ出る |
例えば勇み足は、相手を土俵際まで追い込んだにもかかわらず、自分の勢いが余って足を土俵外へ出してしまうケースです。
見た目には勝っているように見えても、実際の判定では負けになります。
このように、相撲では相手を倒したかどうかだけでなく、どちらの体が先に勝負規定に触れたかが重要になります。
決まり手別勝敗ランキングから見える相撲の特徴日本相撲協会の公式決まり手ランキングでは、平成25年1月場所から令和8年9月場所千秋楽までの192,672番を対象に集計しています。
その上位を見ると、興味深い傾向が分かります。
| 順位 | 決まり手 | 回数 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 押し出し | 48,502回 | 25.17% |
| 2位 | 寄り切り | 48,007回 | 24.92% |
| 3位 | 叩き込み | 15,881回 | 8.24% |
| 4位 | 突き落とし | 10,492回 | 5.45% |
| 5位 | 寄り倒し | 9,269回 | 4.81% |
特に注目したいのが、押し出しと寄り切りです。
この2つだけで全体の約50.09%を占めています。
つまり、珍しい大技や豪快な投げ技が話題になることはあっても、実際の本場所では基本技による勝負が非常に多いのです。
また、決まり手ランキングは技の成功率や力士個人の勝率を示すものではありません。対象期間中に、その技で勝負が決まった回数と割合を示しています。
特定の力士がどの技を得意としているかを知りたい場合は、力士別の決まり手傾向も確認すると、より深い分析ができます。
【反則負けと2026年最新ルール】不浄負けや髷の判定はどうなる?
大相撲には、決まり手82手や非技5種類とは別に、反則によって勝敗が決まるケースがあります。
代表的なのが禁じ手による反則負けです。
大相撲で反則負けになる主な行為日本相撲協会の解説では、次のような行為が禁じ手として整理されています。
1. 拳で相手を殴る。
2. 相手の頭髪をつかむ。
3. 目などの急所を突く。
4. 両耳を同時に両掌で張る。
5. 前縦褌をつかむ。
6. 喉をつかむ。
7. 胸や腹を蹴る。
8. 相手の指を折り返す。
これらは通常の相撲技とは異なり、競技上の禁止行為です。
特に注意したいのが、まわしのつかみ方です。
まわしは相撲の基本的な攻防に使用しますが、前縦褌をつかむ行為は反則となります。
一方、後ろ縦褌だけをつかんだ場合は、行司の注意によって手を離して持ち替える扱いが基本です。すべてのまわしのつかみ方が同じ反則になるわけではありません。
不浄負けとは何か?不浄負けは、取組中にまわしの前袋が外れて局部が露出することで、当該力士が負けとなるケースを指す通称です。
一般的な決まり手とは異なり、82手にも非技5種類にも含まれていません。
つまり、通常の技による勝利とは別の規則に基づく敗北です。
また、まわしが少し緩んだだけで、直ちに不浄負けになるわけではありません。状況によっては行司が取組を止めてまわしを締め直す対応が取られます。
【2026年10月】71年ぶりの勝負規定改定2026年の大相撲で注目されたのが、頭髪が土俵についた場合の勝敗に関する規則変更です。
日本相撲協会は2026年10月1日の定例理事会で、勝負規定第9条の一部改定を決定しました。
従来は、頭髪が砂についた場合は負けとする一方、相手を倒しながら瞬時に髪がついた場合には負けとしない例外規定がありました。
今回削除されたのは、この例外部分です。
改定後は、技を仕掛けている側であっても、髪が先に土俵につけば負けとなります。
この例外規定は1955年の制定以来続いていたもので、今回の改定は71年ぶりです。
日刊スポーツの2026年10月1日の報道によると、審判部から判定の曖昧さを指摘する提案があり、理事会で認められました。
特に投げの打ち合いでは、どちらが技を仕掛けている側なのか判断しにくい場面があります。髷も体の一部として扱い、判定基準を統一することが改定の趣旨です。
ここで混同してはいけないのが、次の3つです。
- 髪の毛をつかむ: 禁じ手による反則負け。
- 髪が土俵につく: 勝負規定に基づく負け。2026年に例外規定が削除された。
- 不浄負け: まわしの前袋が外れて露出した場合の負け。
いずれも勝敗に関わりますが、判定の根拠は異なります。
【歴代記録の調べ方】通算成績・幕内戦歴・決まり手傾向を比較する
大相撲の魅力は、1場所ごとの勝敗だけではありません。
長年にわたって土俵に立った力士の通算成績を見ることで、その力士がどれほど長く活躍したのかも分かります。
日本相撲協会の公式力士プロフィールでは、主に次の記録を確認できます。
- 生涯戦歴
- 幕内戦歴
- 最高位
- 各段の優勝回数
- 三賞受賞回数
- 金星獲得数
- 決まり手の傾向
- 過去の星取表
生涯戦歴は、初土俵から引退までの全体的な戦歴を示します。
幕内戦歴は、そのうち幕内に所属していた期間の成績です。
この2つを混同すると、力士の実績を正しく比較できません。
例えば、日本相撲協会の公式プロフィールに掲載されている元大関・貴景勝の記録は次のとおりです。
生涯戦歴は441勝254敗116休(60場所)、幕内戦歴は353勝219敗116休(46場所)です。
この数字からも、全体の戦歴と幕内での戦歴が別々に管理されていることが分かります。
歴代力士の成績を比較するときのポイント通算勝利数だけで力士の強さを判断するのは適切ではありません。
比較するときは、次の項目を組み合わせることが大切です。
1.生涯勝利数
長期的にどれほど勝ち星を積み重ねたかを確認できます。
2.幕内勝利数
最高レベルの幕内でどれだけ勝利したかを比較できます。
3.幕内在位場所数
長期間にわたり幕内で戦い続けた実績を評価できます。
4.優勝回数
本場所で優勝争いを制した回数を確認できます。
5.三賞・金星
殊勲賞、敢闘賞、技能賞や、平幕力士が横綱を倒して獲得する金星も重要な実績です。
また、休場数も忘れてはいけません。勝利数だけでなく、何場所出場したのか、どの程度休場したのかを合わせて見ることで、キャリア全体をより正確に評価できます。
日本相撲協会の公式成績はどこで確認できる?最も信頼できる情報源は、日本相撲協会の公式サイトです。
主に次の3つの情報を使い分けると便利です。
- 星取表: 本場所中の勝敗を日ごとに確認する。
- 力士プロフィール: 生涯戦歴、幕内戦歴、優勝回数などを調べる。
- 過去の成績・番付検索: 過去の本場所における番付や成績を調べる。
公式の過去成績・番付検索は、平成25年1月場所から令和8年11月場所までを対象としています。
一方、歴代力士の長期間にわたる記録を調べる場合は、公式プロフィールや歴代力士の記録資料も併用するとよいでしょう。
【大相撲の成績】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:大相撲は何勝すれば勝ち越しになりますか?
A1:幕内と十両は15番相撲を取るため、8勝以上で勝ち越しです。7勝8敗なら負け越しとなります。幕下以下は基本的に7番相撲で、4勝以上が勝ち越しです。
Q2:星取表の白丸と黒丸は何を意味しますか?
A2:白丸の○は勝ち、黒丸の●は負けです。□は不戦勝、■は不戦敗、やは休み・取組なしを表します。×は引き分け、△は痛み分けです。
Q3:決まり手82手と非技5種類は何が違いますか?
A3:決まり手82手は、押し出しや寄り切り、上手投げなど、相手を倒すために使われた技です。一方、非技5種類は勇み足、腰砕け、つき手、つき膝、踏み出しで、通常の決まり手によらない勝負結果を表します。反則負けや不浄負けは、これらとは別の判定です。
大相撲の成績を正しく理解するには、勝ち星だけでなく、星取表、番付、決まり手、通算記録を組み合わせて見ることが大切です。
幕内と十両では15番相撲を取り、8勝以上で勝ち越しとなります。その成績が次の番付編成に反映され、力士の昇進や降格につながります。
また、日本相撲協会が定める決まり手82手と非技5種類を理解すれば、勝負が決まった理由まで詳しく把握できます。反則負けや不浄負け、2026年10月に決定された髷の判定規定の変更も、相撲の勝敗を理解するうえで押さえておきたい知識です。
大相撲の成績を見るときに意識したいのは、次の3つです。
- 勝敗だけでなく、15日間の星取表全体を見る。
- 勝ち越し・負け越しと、現在の番付を照らし合わせる。
- 決まり手や通算成績から、力士の得意な相撲と長期的な実績を分析する。
2026年11月場所をはじめ、今後の本場所でも、こうした視点を持って星取表を確認すれば、優勝争いや番付の変動、力士それぞれの成長をより深く楽しめます。
主な参照資料: 日本相撲協会公式サイトの決まり手一覧・ランキング、星取表、力士プロフィール、年間日程表、相撲規則に関する解説、および日刊スポーツの2026年10月1日付報道。