2026年3月29日、宝塚音楽学校は第114期生の合格者を発表しました。今回の受験者数は422人で、合格者は40人。競争倍率は10.55倍でした。
日刊スポーツやスポニチなどの報道によると、受験者数・倍率ともに2000年以降で最も低い水準です。前年の11.75倍からさらに低下し、6年連続で今世紀最低記録を更新しました。
ただし、倍率が下がったからといって、入学が簡単になったわけではありません。約10人に1人しか合格できない計算であり、依然として厳しい選抜が行われています。
2026年・第114期生の合格実績
競争倍率10.55倍

受験者数422人
合格者数40人
合格率約9.48%
2026年3月29日発表・第114期生。合格率は40÷422で算出。
合格者の中には、3度目の挑戦で夢を実現した17歳の受験生もいました。また、初めての受験で合格した人もおり、それぞれが異なる道のりを経て合格をつかんでいます。
日刊スポーツの報道では、歌を武器にした男役を目指す受験生や、憧れの舞台を見て受験を決意した受験生の姿も紹介されました。倍率の数字だけでは見えない、受験生一人ひとりの努力が伝わる合格発表となりました。
【倍率推移を比較】2021年から2026年まで6年連続で低下
宝塚音楽学校の倍率を理解するには、単年度の数字だけでなく、過去数年間の変化を見る必要があります。
2021年には17.4倍だった競争倍率が、2026年には10.55倍まで下がりました。わずか6年間で約4割の低下です。
直近7年間の受験者数と倍率一覧出典:日刊スポーツ、スポニチなどの各年度合格発表報道。各年の合格者数は40人。 グラフで見る倍率の変化
特に注目したいのは、2023年から2024年にかけての変化です。受験者数は612人から480人へと132人減少し、倍率も15.3倍から12倍になりました。
2025年も受験者数は470人に減り、2026年には422人となっています。倍率の低下は一時的な変動ではなく、複数年にわたって続いている現象です。
過去最高倍率は48.2倍だった現在の数字と比較するうえで興味深いのが、1994年の第82期生です。当時の競争倍率は48.2倍で、宝塚音楽学校の歴代最高倍率として知られています。
当時の受験者数は1,928人。2026年の422人と比較すると、受験者数には大きな開きがあります。
ただし、過去と現在では募集人数や受験環境、若年人口などが異なります。倍率だけで学校の人気や教育水準を単純比較することには注意が必要です。
【倍率低下の理由】少子化・コロナ禍・宝塚歌劇団の問題を検証
宝塚音楽学校の受験者数が減少している背景には、複数の要因があります。特に議論されているのが、少子化、新型コロナウイルスの影響、そして2023年に発生した宝塚歌劇団をめぐる問題です。
1. 少子化による受験人口の減少最初に考えられるのは、受験対象となる若年人口そのものの減少です。
宝塚音楽学校の募集対象は、年齢や学歴に条件が設けられた女子です。少子化によって対象世代の人口が減少すれば、受験を検討する人数にも影響が及ぶ可能性があります。
ただし、対象人口の減少率と受験者数の減少率は同じではありません。宝塚を志望する割合や、他の進路を選択する若者の増加なども関係します。
2. コロナ禍による受験準備への影響2020年以降のコロナ禍も、受験者数の減少を考えるうえで重要です。
宝塚音楽学校の受験では、声楽やバレエなどの準備が必要です。ところが、感染拡大期にはレッスン環境や移動が制限され、十分な準備ができなかった受験生もいました。
2022年3月のデイリースポーツの報道では、受験対策に携わる声楽家が、地方から通う生徒のレッスン時間確保が難しかった実情を紹介しています。
2021年の受験者数が697人となり、前年の852人から大幅に減少したことも、当時の環境変化と重なります。
3. 2023年の宙組団員急逝と宝塚歌劇団の問題もう一つ、避けて通れないのが2023年9月に発生した宙組団員の急逝です。
この問題をきっかけに、宝塚歌劇団の組織風土やハラスメントをめぐる問題が大きく報じられました。劇団は外部弁護士による調査チームを設置し、2023年11月には調査報告を受けて改善に取り組む方針を公表しています。
その後、宝塚音楽学校の受験者数も減少しました。2024年の第112期生は480人で、前年より132人少ない結果となっています。
当時の報道では、歌劇団をめぐる問題が受験者数の減少に影響した可能性も指摘されました。一方、受験者数の減少をこの問題だけで説明することはできません。少子化やコロナ禍の影響も同時に存在していたためです。
4. 2026年7月、村上浩爾社長が受験者減少について説明2026年7月10日には、宝塚歌劇団の村上浩爾社長が受験者数の減少について報道陣に説明しました。
日刊スポーツによると、村上社長は少子化に加えて、エンターテインメント市場の変化や学校教育の変化などを要因として挙げています。
また、宝塚の魅力をより多くの人に知ってもらうため、舞台の魅力を高めることや、一般の人の目に触れる機会を増やすことの必要性にも言及しました。
2023年の宙組問題が受験者減少の直接的な原因だという見方については、村上社長は異なる認識を示しています。
ここから読み取れるのは、劇団側も受験者減少を単なる人口問題として片付けず、宝塚そのものの魅力を次世代に伝える課題として捉えていることです。ただし、社長の説明は劇団側の見解であり、個々の受験生が志望を断念した理由をすべて説明するものではありません。
【2027年度最新情報】第115期生の募集要項と受験資格
2026年10月31日現在、宝塚音楽学校では2027年度の第115期生募集要項が公表されています。
次回の入学試験に挑戦する人にとって、最も重要なのは募集期間と応募資格です。2026年の倍率が確定している一方、2027年の倍率はまだ発表されていません。
2027年度の募集条件出典:宝塚音楽学校「2027年度生徒募集要項」「入学試験について」。 受験料はいくら?
公式募集要項によると、受験料は次のとおりです。
- 第1次試験:10,000円(税込)
- 第2次試験:20,000円(税込・第3次試験を含む)
両方の試験段階に進む場合、受験料の合計は30,000円です。なお、受験しなかった場合も受験料は返金されません。
試験内容は面接・歌唱・舞踊の3分野宝塚音楽学校の入学試験は、3段階で実施されます。
第1次試験:面接
宝塚会場または東京会場で実施。舞台人としての適性などが審査されます。
第2次試験:面接・歌唱・舞踊
声量、声質、音程、読譜力、リズム感、柔軟性、洋舞の適性などを審査します。
第3次試験:面接
第2次試験の合格者を対象に、最終段階の審査が行われます。
注目したいのは、宝塚音楽学校が受験時点の完成度だけでなく、将来性や幅広い個性、才能、熱意も審査すると公式に説明している点です。
つまり、歌やダンスの技術だけを競う試験ではありません。舞台上で観客に何を伝えられるのか、舞台人として成長する可能性があるのかという視点も重要です。
2027年度の第1次試験は3月21日に東京会場、3月22日に宝塚会場で実施予定です。第2次試験は3月25日・26日、第3次試験は3月28日、最終合格発表は3月29日となっています。
【ネットの反応・炎上・噂の真相】倍率低下で何が議論されている?
宝塚音楽学校の倍率が低下するたびに、ファンや受験生の間では、宝塚の人気や将来性についてさまざまな議論が起きています。
特に2024年以降は、受験者数の減少と2023年の劇団問題が重なったことで、倍率低下の背景をめぐる関心が高まりました。
ネット上で注目される主な論点報道や公開されている反応から整理できる論点は、大きく3つあります。
① 倍率が下がっても宝塚の魅力は変わらないという期待
長年の宝塚ファンにとって、音楽学校は未来のスターが育つ場所です。受験者数が減っても、合格した40人への祝福や、これからの舞台への期待は続いています。
2026年の合格発表でも、受験生が夢をかなえたことや、何度も挑戦して合格したことがニュースとして取り上げられました。
② 受験者数の減少は劇団の問題が原因なのかという疑問
2024年の第112期生の合格発表時には、宙組問題の影響を心配する声や、劇団の改革を求める関心が報道でも取り上げられました。
一方で、2026年7月の村上社長の説明では、少子化やエンターテインメント市場の変化などが重視されています。
③ 倍率が低くなった今こそ挑戦の機会なのではないかという見方
倍率の低下を前向きに受け止める受験希望者もいます。ただし、合格枠は約40人のままです。10倍を超える競争が続いている以上、簡単に合格できるようになったとは考えられません。
こうした反応は、単純な賛否ではなく、宝塚への期待と組織運営への厳しい視線が同時に存在していることを示しています。
噂の真相1:倍率低下は宙組問題だけが原因?2023年の問題が宝塚のイメージや受験希望者の判断に影響した可能性は、当時の報道でも議論されました。
しかし、受験者数の減少はコロナ禍の時期から始まっています。2021年にはすでに17.4倍まで下がっており、2023年の問題だけで一連の変化を説明することはできません。
さらに、2026年には劇団社長が社会環境やエンターテインメント市場の変化を指摘しています。複数の要因が重なっていると考えるのが妥当です。
噂の真相2:倍率が10倍なら以前より簡単に入学できる?2026年は422人中40人しか合格していません。合格率に換算しても約9.48%です。
また、受験者全体の人数が減少したとしても、残った受験生の技術や準備の水準がどう変化したかは、倍率だけでは判断できません。
合格を目指すなら、単純に競争率を見て安心するのではなく、公式の審査項目に沿って準備を進める必要があります。
合格発表の方法も変化しているもう一つ見逃せない変化が、合格発表の方法です。
以前は学校の敷地内に合格者の受験番号が掲示され、春の風物詩として親しまれていました。しかし、2020年以降はオンライン発表に変更されています。
さらに、個人情報保護の観点から合格者の氏名や出身地の報道公開も取りやめられています。2026年も受験番号によるオンライン発表が続きました。
こうした変更は、受験生のプライバシーを守るという観点からも重要な意味を持っています。
【プロの結論】宝塚音楽学校の倍率は数字だけで判断してはいけない
2026年の倍率10.55倍という数字は、宝塚音楽学校を取り巻く環境が変化していることを示しています。しかし、倍率だけを見て学校の価値や受験の難しさを判断するのは適切ではありません。
教育・入試の観点から注目すべきなのは、宝塚音楽学校がどのような人材を求め、どのような能力を審査しているかです。
受験に向いている人の特徴- 歌唱や舞踊を継続して学ぶ意欲がある
- 自分の弱点を理解し、改善する努力ができる
- 面接で自分の考えや熱意を伝えられる
- 舞台人として必要な礼儀や協調性を大切にできる
- 2年間の専門的な教育に真剣に取り組める
特に重要なのは、現時点での完成度だけにとらわれないことです。学校自身が将来性や個性、熱意を審査対象として示しています。
受験前に見直したいポイント一方、倍率が下がったという理由だけで受験を決めたり、短期間の練習だけで十分だと考えたりするのはおすすめできません。
宝塚音楽学校では、声楽、バレエ、モダンダンス、日本舞踊、演劇、ピアノなど、幅広い分野を学びます。入学後も継続的な努力が求められるため、受験そのものをゴールにしない姿勢が大切です。
また、受験対策スクールに通う場合も、知名度や合格実績だけで決めるのではなく、声楽と舞踊の指導内容、個人の課題への対応、継続して通える環境などを比較するとよいでしょう。
宝塚音楽学校の倍率低下は、受験生にとって数字上の変化であると同時に、宝塚歌劇団が次世代の才能をどのように集め、育てていくかという課題にもつながっています。
【宝塚音楽学校倍率】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の宝塚音楽学校の倍率は何倍ですか?
A1:2026年の第114期生の倍率は10.55倍です。422人が受験し、40人が合格しました。2000年以降で最も低い倍率となっています。
Q2:宝塚音楽学校の過去最高倍率は何倍ですか?
A2:1994年の第82期生の48.2倍です。当時の受験者数は1,928人でした。
Q3:2027年度の宝塚音楽学校の倍率は発表されていますか?
A3:2026年10月31日現在、2027年度の第115期生の倍率はまだ発表されていません。願書受付は2026年12月1日から2027年1月25日までで、最終合格発表は2027年3月29日の予定です。
Q4:宝塚音楽学校の倍率が下がった理由は何ですか?
A4:少子化、コロナ禍による受験準備への影響、エンターテインメント市場の変化など、複数の要因が考えられています。2023年の宙組問題との関連も議論されましたが、それだけが原因と確定しているわけではありません。
Q5:宝塚音楽学校に入学するにはバレエや声楽の経験が必要ですか?
A5:入学試験には歌唱と舞踊の審査があります。声量、音程、読譜力、リズム感、柔軟性などが審査対象です。学校は受験時点の完成度だけでなく、将来性や個性、熱意も審査すると説明しています。
Q6:宝塚音楽学校は何年間通う学校ですか?
A6:予科1年、本科1年の合計2年間です。卒業生が宝塚歌劇団に入団する仕組みとなっています。
2026年の宝塚音楽学校の倍率は10.55倍。第114期生は422人が受験し、40人が合格しました。6年連続で今世紀最低記録を更新したことは、宝塚を取り巻く環境の大きな変化を示しています。
受験者数の減少には、少子化やコロナ禍、エンターテインメント市場の変化などが関係しています。2023年の宙組問題をめぐる社会的な議論もありましたが、単一の原因に結び付けることはできません。
2026年7月には村上浩爾社長が、宝塚の魅力を高め、より多くの人に舞台を届ける必要性を説明しました。また、2025年7月の株式会社化を経て、2026年には新たなガバナンス体制の運用も進められています。
次の第115期生の募集は2026年12月1日に始まります。これからの注目点は、受験者数が回復するかどうかだけではありません。宝塚歌劇団が改革を継続し、若い世代から選ばれる舞台であり続けられるかどうかです。
倍率10.55倍という数字の背景には、伝統を守りながら新しい時代に対応しようとする宝塚の転換期が表れています。
2027年度の受験動向と、宝塚歌劇団の改革の進展が、今後も大きな注目ポイントとなりそうです。
主な情報確認先
- 宝塚音楽学校:2027年度募集要項・入学試験・学校概要
- 宝塚歌劇公式ホームページ:改革の取り組み・2026年7月の社長メッセージ
- 日刊スポーツ:2026年3月29日、第114期生合格発表報道
- 日刊スポーツ:2026年7月10日、村上社長の受験者数減少に関する説明
- スポニチ、サンテレビ、デイリースポーツ:各年度の倍率・合格発表報道