大相撲の追手風親方は、現役時代に前頭二枚目まで昇進した元力士・大翔山(だいしょうやま)です。本名は山崎直樹。1966年7月7日生まれ、石川県鳳珠郡穴水町の出身で、2026年11月現在は60歳。日本相撲協会の理事を務めながら、埼玉県草加市にある追手風部屋の師匠として後進の育成に取り組んでいます。
現役時代には金星3個、十両優勝1回、幕下優勝2回という実績を残し、1998年10月には追手風部屋を創設。現在は大栄翔、翔猿、日翔志らを擁する相撲部屋へと発展させました。2026年3月には日本相撲協会の理事にも選出され、部屋の運営だけでなく協会全体の仕事も担っています。
【追手風親方の正体】本名・年齢・出身地とこれまでの経歴

追手風親方は、日本相撲協会の公式プロフィールで「追手風直樹」として紹介されています。現役時代の四股名は大翔山で、本名は山崎直樹です。
出身地は石川県鳳珠郡穴水町。生年月日は1966年7月7日で、2026年11月現在の年齢は60歳です。現役時代から現在まで、相撲界で長く活動してきた人物です。
学歴は日本大学経済学部卒業。大学時代からアマチュア相撲で優れた実績を残し、学生横綱やアマチュア横綱など、合計12のタイトルを獲得したことが追手風部屋の公式プロフィールに記されています。
日刊スポーツの2024年の部屋取材でも、大学3年時にアマチュア横綱、4年時に学生横綱となった経歴が紹介されています。学生相撲で実績を積み、大学卒業と同時に角界へ進んだエリート力士でした。
日本相撲協会の公式記録では、1989年1月場所に幕下付け出しで初土俵を踏み、1990年5月場所に新十両、同年9月場所には新入幕を果たしています。初土俵から短期間で幕内まで昇進したことからも、学生時代の実力がプロの土俵でも通用していたことが分かります。
【大翔山の現役時代】最高位は前頭二枚目、金星3個の実績
追手風親方の現役時代を知るうえで欠かせないのが、大翔山として残した戦績です。
最高位は前頭二枚目。横綱や大関がひしめく幕内上位で戦い、横綱を破った力士に与えられる金星も3個獲得しました。三役への昇進こそありませんでしたが、幕内で存在感を示した力士です。
日本相撲協会の公式プロフィールによると、得意技は右四つ、寄り切り、下手投げ。身長181センチ、体重178キロという体格を生かした四つ相撲を得意としていました。
大翔山の主な経歴と成績を整理すると、次のようになります。
| 時期・項目 | 出来事・成績 | 詳細 |
|---|---|---|
| 1966年7月7日 | 誕生 | 石川県鳳珠郡穴水町出身 |
| 1989年1月場所 | 初土俵 | 幕下付け出しで立浪部屋から入門 |
| 1990年5月場所 | 新十両 | 十両優勝1回 |
| 1990年9月場所 | 新入幕 | 幕内で敢闘賞1回、金星3個 |
| 1995年11月場所 | 現役引退 | 最高位は前頭二枚目 |
| 1998年10月 | 追手風部屋創設 | 友綱部屋から独立 |
| 2026年 | 日本相撲協会理事 | 地方場所部長(名古屋) |
注目したいのは、金星3個という実績です。金星は平幕力士が横綱を破った場合に記録される特別な白星であり、通常の勝ち星とは意味合いが異なります。幕内上位で横綱と対戦し、実際に勝利を収めた証しです。
大翔山の主な受賞・戦歴は以下のとおりです。
- 最高位:前頭二枚目
- 生涯戦歴:266勝252敗33休(42場所)
- 幕内戦歴:153勝176敗1休(22場所)
- 金星:3個
- 十両優勝:1回
- 幕下優勝:2回
- 敢闘賞:1回
- 幕内優勝:0回
ここで誤解しやすいのが、前頭二枚目という最高位です。大翔山は小結や関脇に昇進した力士ではありません。あくまで前頭二枚目が自己最高位であり、金星3個という実績がその現役時代を特徴づけています。
また、追手風親方は1995年11月場所を最後に現役を引退しています。引退後は年寄として指導者の道へ進み、1998年に自身の部屋を立ち上げました。
【追手風部屋の創設】1998年10月の独立から現在までの歩み
追手風部屋は、1998年10月1日に追手風親方が友綱部屋から独立して創設した相撲部屋です。師匠は元前頭二枚目の大翔山。現在の所在地は埼玉県草加市瀬崎5-32-22です。
創設当初の所属力士はわずか2人でした。大人数の力士を抱える大部屋とは異なり、少ない弟子とともにスタートした小規模な部屋だったのです。
共同通信のニュース用語解説や日刊スポーツの相撲取材によると、独立後は少しずつ関取を育て、部屋としての基盤を築いていきました。1999年1月場所には、追風海が部屋初の関取となっています。
追手風親方自身も、部屋公式サイトの挨拶で、現役時代に果たせなかった夢を弟子に託していることを明かしています。部屋の目標として掲げているのは、強さだけではなく礼節を重んじ、人間としても成長した力士を育てることです。
その後、追手風部屋は関取を輩出する部屋へと成長しました。特に大きな節目となったのが、大栄翔の活躍です。
2021年1月場所、大栄翔が幕内初優勝を達成。これは追手風部屋にとって初めての幕内優勝力士の誕生でした。創設から約22年を経て、部屋の育成力を示す大きな成果となりました。
また、部屋の特徴として挙げられるのが、四股名に「翔」の文字を使う力士が多いことです。師匠の現役時代の四股名である大翔山に由来する名前の文化が、弟子たちにも受け継がれています。
なお、現在の追手風部屋は、1998年に友綱部屋から独立して発足した部屋です。追手風という名称にはそれ以前の相撲部屋の歴史もありますが、大翔山が師匠となった現在の部屋の創設時期は1998年と整理できます。
【2026年最新】追手風部屋の所属力士19人と注目の関取3人
2026年11月場所の番付では、追手風部屋から19人の力士が番付に掲載されています。そのうち関取は3人。幕内に大栄翔、十両に翔猿と日翔志が所属しています。
日本相撲協会の2026年11月場所の部屋別情報に基づく主な所属力士は次のとおりです。
幕内
- 大栄翔(西前頭四枚目)
十両
- 翔猿(西十両二枚目)
- 日翔志(西十両七枚目)
幕下
- 大喜翔
- 竜翔
- 大森
- 大皇翔
- 大雄翔
- 可貴
- 大斧
三段目
- 大飛翔
序二段
- 薩摩翔
- 大典翔
- 大志翔
- 大翔樹
- 大國
- 大翔
- 大馬翔
- 大翔碧
合計19人で、幕内1人、十両2人、幕下7人、三段目1人、序二段8人という構成です。以下では、特に注目される3人を紹介します。
1.大栄翔:追手風部屋初の幕内優勝力士
大栄翔は埼玉県朝霞市出身で、本名は高西勇人。1993年11月10日生まれです。最高位は関脇で、2021年1月場所に幕内優勝を果たしました。
得意技は突き・押し。力強い突き押しを持ち味とし、幕内優勝1回、殊勲賞5回、技能賞2回、金星6個という実績を残しています。
2026年9月場所は西小結で5勝10敗。11月場所は西前頭四枚目で迎えます。三役復帰と上位進出が今後の注目点です。
2.翔猿:小結経験を持つ技巧派力士
翔猿は東京都江戸川区出身で、本名は岩崎正也。1992年4月24日生まれです。日本大学出身で、2015年1月場所に初土俵を踏みました。
最高位は小結。小柄な体格を生かした機敏な動きと押し相撲で知られ、幕内での活躍を続けてきました。
2026年9月場所は東前頭十四枚目で4勝11敗となり、11月場所は西十両二枚目に番付を下げています。再入幕を目指す場所として、九州場所の成績が注目されます。
3.日翔志:幕下から幕内まで昇進した成長株
日翔志は東京都立川市出身で、本名は沢田日登志。1997年8月14日生まれです。2021年5月場所に初土俵を踏み、2023年11月場所に新十両、2025年9月場所には新入幕を果たしました。
最高位は前頭十七枚目。2026年9月場所は西十両十一枚目で9勝6敗と勝ち越し、11月場所では西十両七枚目へと番付を上げています。
幕下優勝1回、三段目優勝1回、序二段優勝2回という各段での実績もあり、今後の幕内復帰が期待される力士です。
2026年11月場所は11月8日に初日を迎えます。番付上は大栄翔が幕内を守り、翔猿と日翔志が十両で再浮上を狙う構図です。関取3人それぞれに異なる課題があり、師匠としての追手風親方の手腕にも注目が集まります。
【日本相撲協会の理事】2026年の追手風親方の役職と現在の仕事
追手風親方の現在を語るうえで、もう一つ重要なのが日本相撲協会での役職です。
2026年3月23日、追手風親方は日本相撲協会の理事に選出されました。2年に1度の役員改選に伴う選任で、日刊スポーツの報道によると、親方衆の理事候補は定員を超えなかったため、候補者全員が正式に理事となっています。
その後、3月25日の臨時理事会で新しい職務分掌が決定。追手風親方は地方場所部長(名古屋)を担当することになりました。
日本相撲協会の公式職務分掌にも、追手風直樹の名前と担当職務が掲載されています。
地方場所部長は、担当する地方本場所に関する協会業務を担う役職です。追手風親方の場合は名古屋場所に関係する職務を担当します。
ここで注意したいのは、理事と理事長は異なる役職だということです。追手風親方は日本相撲協会の理事ですが、理事長ではありません。理事長は八角親方(元横綱・北勝海)が務めています。
つまり、2026年の追手風親方は、追手風部屋の師匠として力士を育てる立場と、日本相撲協会の理事として組織運営に携わる立場の両方を担っています。
現役時代の実績を土台に、部屋の育成と協会の運営という二つの役割を担うことになった点は、現在のキャリアにおける大きな節目といえます。
【プロの結論】追手風親方の指導力と部屋が成長した理由
追手風親方の歩みを評価する際には、現役時代の番付だけでなく、1998年以降の部屋運営にも目を向ける必要があります。
大翔山としての最高位は前頭二枚目。横綱や大関に昇進した力士ではありません。しかし、大学相撲でタイトル12を獲得し、幕下付け出しから短期間で新入幕を果たした実力者です。金星3個という実績も、幕内上位で戦った経験を裏付けています。
一方、指導者としての特徴は、少人数で始めた部屋を長期的に成長させた点にあります。
日刊スポーツの2024年の取材記事では、部屋創設当初のちゃんこ事情も紹介されています。追手風親方は、独立後の最初の約1年半について、自らちゃんこの作り方を教えていたと振り返っています。
このエピソードから見えてくるのは、相撲の技術だけを教えるのではなく、食事や生活を含めた部屋の日常を整えることも師匠の役割だったということです。大人数ではない環境で、弟子と生活を共有しながら部屋の文化を作っていったことがうかがえます。
追手風部屋公式サイトの親方挨拶でも、指導方針として礼節を重んじる姿勢が示されています。単に勝てる力士を育てるだけでなく、社会人としての振る舞いも含めて育成するという考え方です。
2026年の部屋を評価する際には、次の3点が重要です。
- 第一に、幕内優勝力士を育てた実績。大栄翔が2021年1月場所に優勝し、部屋初の幕内優勝を実現しました。
- 第二に、関取を継続的に育成する体制。2026年11月場所には幕内1人、十両2人の計3人が関取として番付に載っています。
- 第三に、協会運営にも携わる経験。2026年に理事へ選出され、地方場所部長(名古屋)を担当しています。
ただし、部屋の実績をすべて師匠個人の成果として単純化することはできません。力士本人の努力、部屋付き親方や裏方の支援、稽古環境、後援者など、多くの要素が重なって成績につながります。
そのうえで、創設時の2人から2026年の19人へと部屋を成長させ、大栄翔の幕内優勝を実現し、現在も3人の関取を擁していることは、追手風親方の長年の部屋運営を評価する具体的な材料です。
【追手風親方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:追手風親方の本名と年齢は?
A1:本名は山崎直樹です。1966年7月7日生まれで、2026年11月現在60歳。石川県鳳珠郡穴水町の出身です。
Q2:追手風親方の現役時代の四股名と最高位は?
A2:現役時代の四股名は大翔山です。最高位は前頭二枚目で、通算266勝252敗33休、金星3個、十両優勝1回、幕下優勝2回を記録しています。
Q3:追手風部屋には2026年現在どんな力士が所属している?
A3:2026年11月場所の番付では19人が所属しています。関取は幕内の大栄翔、十両の翔猿と日翔志の3人です。そのほか、大喜翔、竜翔、大森、大皇翔、大雄翔、可貴、大斧などが所属しています。
追手風親方は、元前頭二枚目・大翔山として活躍した山崎直樹です。石川県穴水町出身で、日本大学経済学部を卒業。学生横綱などの実績を引っ提げて角界に入り、金星3個を含む戦歴を残しました。
1995年11月場所で現役を引退した後、1998年10月に友綱部屋から独立して追手風部屋を創設。最初は2人だった弟子も、現在は19人にまで増え、大栄翔の幕内優勝という成果も生まれています。
2026年は日本相撲協会の理事に選出され、地方場所部長(名古屋)も担当。師匠としての育成活動と協会役員としての仕事を両立する立場になりました。
今後の注目点は、大栄翔の三役復帰、翔猿の再入幕、日翔志の幕内復帰、そして幕下以下の若手力士から新たな関取が誕生するかどうかです。
追手風親方の歩みは、現役時代の番付だけでは測れません。大翔山として培った経験を部屋づくりに生かし、1998年から積み重ねてきた育成の成果を次世代につなげられるか。2026年以降も、その指導者としての手腕に注目が集まります。
主な確認資料: 日本相撲協会公式「年寄プロフィール」「追手風部屋」「職務分掌」、追手風部屋公式「親方挨拶」、日刊スポーツの部屋取材・2026年理事改選報道、共同通信ニュース用語解説。