女子フィギュアスケートの大技「トリプルアクセル」。前向きに踏み切り、空中で3回転半するこのジャンプは、長年にわたって女子選手にとって極めて難しい技として知られてきた。
「トリプルアクセルを五輪で成功させた女子選手は誰なのか?」という疑問に対し、従来は伊藤みどり、浅田真央、長洲未来、樋口新葉、中井亜美の5人が挙げられてきた。しかし、2026年ミラノ・コルティナ五輪では、アメリカのアンバー・グレンも成功。2026年10月現在、失格によって記録が無効になった選手を除けば、五輪でトリプルアクセルを成功させた女子選手は6人となっている。
さらに、2022年北京五輪で成功させたカミラ・ワリエワの記録には、ドーピング違反による失格という特別な事情がある。単純に成功者の名前を並べるだけでは見えてこない、公式記録と実際の演技の違いも押さえておきたい。
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> - 成功者は6人: 伊藤みどり、浅田真央、長洲未来、樋口新葉、中井亜美、アンバー・グレン。
> - 日本女子は4人: 伊藤みどり、浅田真央、樋口新葉、中井亜美が五輪で成功している。
> - ワリエワの記録: 2022年北京五輪で3回転半を成功させたが、2024年のCAS裁定によって大会結果が失格となった。
【結論】トリプルアクセル女子5人は誰?2026年現在は6人

まず、検索されている5人の名前を整理しよう。
2026年ミラノ・コルティナ五輪以前から知られていた5人は、次の選手たちだ。
1. 伊藤みどり(日本):1992年アルベールビル五輪
2. 浅田真央(日本):2010年バンクーバー五輪
3. 長洲未来(アメリカ):2018年平昌五輪
4. 樋口新葉(日本):2022年北京五輪
5. 中井亜美(日本):2026年ミラノ・コルティナ五輪
ここに、2026年の五輪で成功させたアンバー・グレン(アメリカ)が加わる。
したがって、2026年10月時点で有効な五輪記録として整理すると6人になる。
特に注目したいのは、日本女子が4人を占めることだ。世界的にも難度の高いジャンプで、日本の女子フィギュアスケートが長い期間にわたり実績を積み重ねてきたことが分かる。
ただし、ワリエワのように実際にジャンプを成功させながら、後に競技結果そのものが失格となった例もある。ここは通常の成功者リストとは区別する必要がある。
【大会別比較】6人のトリプルアクセル成功記録を年表で整理
6人の実績を五輪開催年と大会別に比較すると、記録の流れが分かりやすい。
| 年・五輪 | 選手・国 | 成功した場面・主な実績 |
|---|---|---|
| 1992年アルベールビル | 伊藤みどり・日本 | 女子初の五輪3A成功。銀メダル |
| 2010年バンクーバー | 浅田真央・日本 | SP1回、FS2回の計3回成功。銀メダル |
| 2018年平昌 | 長洲未来・アメリカ | 団体戦フリーで成功。アメリカ女子初 |
| 2022年北京 | 樋口新葉・日本 | 女子シングルで成功。団体銀メダル |
| 2026年ミラノ・コルティナ | 中井亜美・日本 | SPで成功。個人戦銅メダル |
| 2026年ミラノ・コルティナ | アンバー・グレン・アメリカ | SPで成功。個人戦5位、団体金メダル |
| 2022年北京・参考 | カミラ・ワリエワ・ROC | 団体SPで成功したが、後に大会結果が失格 |
※ワリエワは実際の演技で3Aを成功させたものの、後述する処分によって競技結果が無効となっているため、上記6人の有効な記録には含めていない。
この年表から分かるのは、五輪でのトリプルアクセル成功は、単なる技術力だけでなく、長い競技生活の中で大舞台に挑戦する機会と、その日に技を決める実行力が重なって生まれるということだ。
2026年大会では、中井とグレンという異なる国の選手が同じ大会で成功させた点も大きな特徴となった。
ISUの公式採点記録には、両選手の3Aがそれぞれ独立したジャンプ要素として記載されている。
【歴代6人の実績】伊藤みどりから中井亜美・アンバー・グレンまで
1. 伊藤みどり:1992年アルベールビル五輪で女子初の成功日本女子フィギュアスケートの歴史を語るうえで欠かせないのが伊藤みどりだ。
伊藤は1988年のNHK杯で国際大会における女子初のトリプルアクセル成功を記録した選手として知られる。
そして1992年2月、フランスで開催されたアルベールビル五輪の女子フリーで、この大技を成功させた。
当時の女子フィギュアスケートでは、トリプルアクセルは非常に珍しい技だった。伊藤は競技中に転倒する場面がありながらも、3Aへの挑戦を続けて成功させ、最終的に銀メダルを獲得した。
これは女子選手による五輪初のトリプルアクセル成功として、フィギュアスケート史に残る出来事となった。
国際スケート連盟(ISU)も伊藤を女子トリプルアクセルの歴史を切り開いた選手として紹介している。
2. 浅田真央:2010年バンクーバー五輪で合計3回成功伊藤の後に日本女子の3Aを世界に印象づけたのが浅田真央だ。
2010年バンクーバー五輪では、ショートプログラムで1回、フリースケーティングで2回、合計3回のトリプルアクセルを成功させた。
これは女子選手が1つの五輪大会で成功させたトリプルアクセルの回数として、歴史的な記録となった。
浅田はこの大会で合計205.50点を獲得し、銀メダルを獲得。金メダルは韓国のキム・ヨナだった。
特筆すべきなのは、3Aを単発の大技としてではなく、ショートとフリーの両方に組み込んだことだ。
高難度ジャンプを複数回成功させながら、2つのプログラムを滑り切ることは、技術面だけでなく体力や精神面でも大きな負担を伴う。
浅田の3Aは、女子フィギュアスケートにおける高難度ジャンプの象徴となった。
3. 長洲未来:2018年平昌五輪でアメリカ女子初の成功2018年平昌五輪で歴史を作ったのが、アメリカ代表の長洲未来だ。
長洲は団体戦の女子フリースケーティングでトリプルアクセルを成功させた。
これはアメリカ女子選手として初めての五輪3A成功であり、五輪史上では伊藤みどり、浅田真央に続く3人目の女子選手だった。
アメリカフィギュアスケート連盟の公式選手紹介でも、この記録が明確に記載されている。
長洲はこの団体戦でアメリカチームの銅メダル獲得に貢献した。
個人戦の順位だけでは見えにくいが、団体戦というチームのための舞台で高難度ジャンプを成功させた点も、彼女の実績を語るうえで重要だ。
4. 樋口新葉:2022年北京五輪で日本女子の歴史をつなぐ2022年北京五輪では、日本の樋口新葉がトリプルアクセルを成功させた。
女子シングルのフリースケーティングで3Aを決め、最終的に当初5位の成績を残した。
その後、カミラ・ワリエワの失格に伴う順位変更によって、樋口の公式順位は4位に繰り上がっている。
また、日本代表として団体戦にも出場し、チームの銀メダル獲得に貢献した。
ISUの選手プロフィールでも、樋口が2022年五輪の団体銀メダリストであり、競技会でトリプルアクセルを成功させた選手であることが紹介されている。
伊藤、浅田に続く日本女子の五輪3A成功者として、その実績は大きな意味を持つ。
5. 中井亜美:2026年ミラノ・コルティナ五輪で新たな歴史2026年大会で日本女子の新たな成功者となったのが中井亜美だ。
2026年2月17日の女子ショートプログラムで、冒頭のトリプルアクセルを成功させた。
ISU公式採点表によると、このジャンプの得点は9.71点。基礎点8.00点に、出来栄え点(GOE)1.71点が加算されている。
中井はショートプログラムで78.71点を記録し、首位に立った。
その後のフリースケーティングでは140.45点となり、最終的には合計219.16点で銅メダルを獲得した。
金メダルはアメリカのアリサ・リュウ、銀メダルは日本の坂本花織だった。
中井の成功は、日本女子の五輪3Aの歴史に新たなページを加えた出来事となった。
6. アンバー・グレン:2026年五輪で見落とせない6人目今回の「5人」という検索結果を更新するうえで、最も重要なのがアメリカのアンバー・グレンだ。
グレンは2026年ミラノ・コルティナ五輪の女子ショートプログラムでトリプルアクセルを成功させた。
ISU公式ジャッジスコアには、3Aの基礎点8.00点にGOE2.06点を加えた10.06点が記録されている。
この数字からも、3Aそのものが正式に認定され、得点化されたことが分かる。
一方、ショートプログラム全体では67.39点で13位だった。予定していたトリプルループが2回転になり、要素として得点を得られなかったことが影響している。
フリースケーティングでは147.52点を獲得し、最終順位は5位。団体戦ではアメリカの金メダル獲得にも貢献した。
つまり、グレンは3Aを成功させたにもかかわらず、ショートプログラム全体では上位に入れなかった選手でもある。
この点は、難しいジャンプを1つ成功させることと、プログラム全体で高得点を獲得することが別問題であることを示している。
【ワリエワの記録】北京五輪で成功した3Aはなぜ除外された?
トリプルアクセル女子の歴史を整理するとき、カミラ・ワリエワの存在を無視することはできない。
2022年北京五輪の団体戦女子ショートプログラムで、ワリエワはトリプルアクセルを成功させた。
当時の演技は高く評価され、五輪史上4人目の女子3A成功者として報じられた。
しかし、大会期間中に2021年12月25日に採取された検体から禁止物質トリメタジジンが検出されていた問題が明らかになり、競技結果をめぐる法的手続きが続いた。
その後、2024年1月29日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)はワリエワに対して4年間の資格停止処分を決定した。
ISUは2024年1月30日の公式声明で、資格停止期間の開始日を2021年12月25日とし、その日以降の競技結果を失格とすることを発表した。
この処分には、北京五輪の団体戦と女子シングルも含まれている。
記録の変更によって生じた主な影響は次のとおりだ。
- 北京五輪団体戦:アメリカが金、日本が銀、ROCが銅に変更。
- 女子シングル:ワリエワの4位が失格。
- 樋口新葉:当初の5位から4位へ順位変更。
2024年8月にはISUが団体戦の最終順位を確定。ワリエワの結果を含めない形でメダルの再配分が正式に決まった。
ここで重要なのは、ワリエワが実際に氷上で3Aを成功させた事実と、その競技結果が正式記録として有効かどうかは別問題だということだ。
したがって、五輪で実際に3Aを成功させた選手を広い意味で数える場合はワリエワも含まれるが、失格によって無効になっていない有効な記録として整理する場合は除外される。
この違いを理解しておくと、ネット上で「五輪の3A成功者は何人」とする記事によって人数が異なる理由も分かる。
【世界歴代成功者】五輪以外のISU公認大会では誰が成功している?
ここまで紹介した6人は、五輪でトリプルアクセルを成功させた選手だ。
しかし、女子トリプルアクセルの歴史は五輪だけで完結しない。
ISU公認大会や国際大会まで対象を広げると、成功者はさらに増える。
代表的な選手には、次のような名前がある。
- トーニャ・ハーディング(アメリカ):1991年にアメリカ女子初の競技会3A成功を記録。
- リュドミラ・ネリディナ(ロシア):2002年スケートアメリカで成功。
- 中野友加里(日本):2002年スケートアメリカで成功。
- キミー・マイズナー(アメリカ):2005年全米選手権で成功。
- エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア):2015年世界選手権などで成功。
- 紀平梨花(日本):2016年ジュニアグランプリ・スロベニア大会で成功。
- ユ・ヨン(韓国):国際大会で成功。
2016年のThe Japan Timesは、紀平梨花が国際大会で3Aを成功させた8人目の女子選手になったと報じている。
また、ISUの公式選手プロフィールでも、トゥクタミシェワが競技会でトリプルアクセルを成功させたことが確認できる。
このように、五輪で成功した選手と、ISU公認大会などで成功した選手は同じ集計ではない。
五輪という特別な大会で成功するには、普段の競技会で技を習得しているだけでなく、代表選考を突破し、五輪本番で実際にプログラムに組み込んで成功させる必要がある。
この条件の違いが、世界の歴代成功者と五輪成功者の人数に差が生まれる理由だ。
【回転不足と成功認定】トリプルアクセルの採点はどう決まる?
トリプルアクセルを成功させたかどうかを判断する際、映像だけを見て着氷の成否を決めるのは正確ではない。
フィギュアスケートでは、ジャンプの回転数や着氷時の回転不足について、テクニカルパネルが判定する。
トリプルアクセルは前向きに踏み切るため、空中で3回転半、つまり3.5回転する必要がある。
着氷時に回転が足りない場合は、公式プロトコルに記号が付く。
| 記号 | 判定 | 採点上の扱い |
|---|---|---|
| 3A | 回転が認められた3回転半 | 通常の基礎点とGOEで採点 |
| 3Aq | 4分の1回転不足 | 基礎点は維持され、GOEで減点される場合がある |
| 3A< | 4分の1を超え、2分の1未満の回転不足 | 基礎点が減額される |
| 3A<< | 2分の1回転以上の不足 | 1回転少ないジャンプとして評価 |
ISUの技術判定ルールでは、これらの違いが明確に定められている。
特に注意したいのは、3Aqと3A<は同じ判定ではないということだ。
4分の1回転不足の「q」は、基礎点を維持したままGOEで評価される。一方、「<」が付けば基礎点そのものが減額される。
さらに「<<」の場合は、3回転半のジャンプとしてではなく、1回転少ないジャンプの価値で採点される。
そのため、競技結果を調べる際には、次の3点を確認するとよい。
1. 公式プロトコルに3Aが記載されているか。
2. 3Aの後ろにq、<、<<が付いていないか。
3. 失格などによって大会結果そのものが無効になっていないか。
映像で着氷しているように見えても、回転不足の判定が付けば得点上の扱いは変わる。
また、ジャンプが認定されても、転倒や他のジャンプの失敗によって総合順位が下がる場合もある。
中井亜美とアンバー・グレンの2026年五輪の採点記録は、こうした技術判定とプログラム全体の評価を区別して見る必要性を示している。
【トリプルアクセル女子のプロの結論】人数だけでは分からない本当の記録
今回の歴史を整理すると、トリプルアクセルの成功者を調べる際には、単純な人数比較だけでは不十分だと分かる。
特に押さえておきたいのは3つの視点だ。
第一に、五輪成功者と世界の競技会成功者を区別すること。
五輪で成功した6人は、世界の女子3A成功者全体の一部にすぎない。紀平梨花やトゥクタミシェワのように、国際大会で3Aを成功させながら五輪での成功者には含まれない選手もいる。
第二に、成功したジャンプと正式な競技記録を区別すること。
ワリエワのケースは、その代表例だ。実際の演技で成功しても、後から大会結果が失格となれば公式順位や記録の扱いは変わる。
第三に、3Aの成功と競技全体の成績を混同しないこと。
2026年のグレンは3Aを成功させながら、ショートプログラムでは13位だった。一方、中井は3Aでショートプログラム首位に立ち、最終的に銅メダルを獲得した。
ジャンプの難度、着氷の質、他のジャンプの完成度、スピン、ステップ、演技構成などが総合的に評価されるのがフィギュアスケートだ。
トリプルアクセルは大きな武器になるが、それだけで勝敗が決まるわけではない。
【トリプルアクセル女子5人誰】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、五輪でトリプルアクセルを成功させた女子選手は何人?
A1:ワリエワの失格記録を除くと6人です。伊藤みどり、浅田真央、長洲未来、樋口新葉、中井亜美、アンバー・グレンです。ワリエワの実際の成功演技まで含める場合は7人となります。
Q2:日本女子で五輪のトリプルアクセルを成功させた選手は何人?
A2:4人です。伊藤みどり、浅田真央、樋口新葉、中井亜美です。1992年から2026年まで、異なる世代の選手が大技の歴史をつないでいます。
Q3:カミラ・ワリエワのトリプルアクセルは成功していなかった?
A3:実際には2022年北京五輪の団体戦ショートプログラムで成功させています。ただし、2024年1月のCAS裁定によって2021年12月25日以降の競技結果が失格となり、北京五輪の結果も無効になりました。
「トリプルアクセル女子5人誰」という疑問に対する答えは、2026年の大会結果を反映すると6人に更新される。
- 伊藤みどり:1992年アルベールビル五輪
- 浅田真央:2010年バンクーバー五輪
- 長洲未来:2018年平昌五輪
- 樋口新葉:2022年北京五輪
- 中井亜美:2026年ミラノ・コルティナ五輪
- アンバー・グレン:2026年ミラノ・コルティナ五輪
日本女子は4人、アメリカ女子は2人という内訳だ。
一方、ワリエワは実際に成功させたものの、ドーピング違反による失格で公式記録から除外されるという特別なケースに当たる。
女子フィギュアスケートの歴史を振り返ると、1988年に国際大会で道を切り開いた伊藤みどりから、浅田真央、樋口新葉、そして2026年の中井亜美へと、日本女子が重要な役割を果たしてきたことが分かる。
2026年は中井とグレンの2人が同じ五輪で成功させた節目の大会でもある。今後の女子フィギュアスケートでは、次に誰がこの大技を五輪の舞台で成功させるのかが、新たな注目点となる。
主な事実確認資料: 国際スケート連盟(ISU)の2026年五輪公式採点表・競技結果、ISUの選手プロフィールと公式声明、国際オリンピック委員会(IOC)の北京五輪結果改定資料、米国フィギュアスケート連盟の選手記録、The Japan Timesの女子3A歴史記事、ギネス世界記録。