箱根駅伝の歴史を振り返ると、日本大学はかつて優勝争いの中心にいた伝統校です。過去の総合優勝は12回。往路優勝13回、復路優勝13回という実績を持ち、大学駅伝界で長く存在感を示してきました。
一方、近年は予選会を経て本戦に出場する時期が続き、かつての強豪としての地位を取り戻せるかが注目されていました。転機となったのが、2026年1月の第102回箱根駅伝です。日大は総合10位に入り、12年ぶりにシード権を獲得しました。
【歴代成績】日本大学は箱根駅伝で何回優勝している?出場回数と強豪時代

日本大学の箱根駅伝における最大の実績は、総合優勝12回です。
東京箱根間往復大学駅伝競走の公式記録によると、優勝回数ランキングでは中央大学、早稲田大学に続く歴代3位に位置しています。
特に1930年代から1960年代にかけては、優勝争いの常連でした。
日大の歴代総合優勝12回日本大学陸上競技部特別長距離部門の公式記録と箱根駅伝公式サイトを照合すると、日大の優勝年度は次のとおりです。
- 1935年:第16回大会
- 1936年:第17回大会
- 1937年:第18回大会
- 1938年:第19回大会
- 1940年:第21回大会
- 1943年:第22回大会
- 1957年:第33回大会
- 1958年:第34回大会
- 1965年:第41回大会
- 1967年:第43回大会
- 1968年:第44回大会
- 1974年:第50回大会
注目したいのは、1935~1943年に6回の総合優勝を果たしていることです。
さらに1957年と1958年には連続優勝。1965年、1967年、1968年にも優勝し、強豪としての地位を確立しました。
最後の総合優勝は1974年の第50回大会です。そこから長い時間が経過していますが、過去12回の優勝という実績は現在も日大の大きな財産です。
日大の箱根駅伝に関する基本記録2026年10月12日現在、日本大学陸上競技部が公表している箱根駅伝の実績は次のとおりです。
- 出場回数:92回
- 開催大会数:102大会
- 総合優勝:12回
- 往路優勝:13回
- 復路優勝:13回
- シード権獲得:50回
ここで注意したいのが、出場回数と大会開催数の違いです。
日大は102大会すべてに出場したわけではありません。出場回数は92回であり、連続出場回数を意味する数字でもありません。
また、シード権獲得50回という数字は、シード制度が導入された第33回大会以降を対象にした集計です。総合優勝12回とは集計の基準が異なります。
【第102回2026年】日大の総合順位・往路成績・復路成績を詳しく解説
2026年1月2日、3日に開催された第102回箱根駅伝で、日本大学は総合10位となりました。
記録は10時間53分56秒。
2025年の第101回大会では総合20位に終わっていたため、順位を10上げる結果となりました。
日本大学が公式発表した大会結果でも、総合10位と翌年のシード権獲得が報告されています。
第102回大会の日大の往路・復路成績2026年の成績を分解すると、次のようになります。
- 往路順位:9位
- 往路タイム:5時間25分00秒
- 復路順位:16位
- 復路タイム:5時間28分56秒
- 総合順位:10位
- 総合タイム:10時間53分56秒
往路では9位とシード圏内で折り返しましたが、復路は16位でした。
往路と復路のタイム差は3分56秒です。
この結果から読み取れるのは、日大が前半で一定の競争力を示した一方、復路では他大学との順位争いで苦戦したという点です。
特に、復路の順位を改善できれば、総合順位をさらに引き上げる余地があります。
近年の日大の箱根駅伝成績過去の大会と比較すると、2026年の10位は近年の成績の中でも大きな前進です。
| 大会・開催年 | 総合順位 | 往路順位 | 復路順位 |
|---|---|---|---|
| 第102回・2026年 | 10位 | 9位 | 16位 |
| 第101回・2025年 | 20位 | 17位 | 20位 |
| 第100回・2024年 | 15位 | 19位 | 18位 |
| 第96回・2020年 | 18位 | 15位 | 19位 |
| 第95回・2019年 | 14位 | 13位 | 17位 |
| 第93回・2017年 | 19位 | 10位 | 19位 |
| 第92回・2016年 | 11位 | 6位 | 15位 |
| 第90回・2014年 | 7位 | 10位 | 10位 |
出典:日本大学陸上競技部特別長距離部門の歴代順位、箱根駅伝公式記録。
2014年には7位に入りましたが、その後は予選会を経て出場する大会も増え、2017年には19位、2025年には20位まで順位を落としました。
それだけに、2026年の10位は単なる順位改善ではありません。
翌年の出場権を自動的に確保できる位置まで戻ってきたことに大きな意味があります。
【区間記録】第102回箱根駅伝で日大の選手はどのような走りを見せた?
箱根駅伝は10人の選手が襷をつなぐ競技です。
総合順位だけでなく、各区間でどれだけ力を発揮したかを見ると、チームの特徴がより明確になります。
第102回大会の日大の区間成績は以下のとおりです。
| 区間 | 選手 | 区間順位 | 区間タイム |
|---|---|---|---|
| 1区 | 山口彰太 | 17位 | 1時間02分08秒 |
| 2区 | キップケメイ | 2位 | 1時間05分42秒 |
| 3区 | 冨田悠晟 | 14位 | 1時間02分30秒 |
| 4区 | 片桐禅太 | 14位 | 1時間02分41秒 |
| 5区 | 鈴木孔士 | 9位 | 1時間11分59秒 |
| 6区 | 山口聡太 | 15位 | 59分19秒 |
| 7区 | 天野啓太 | 9位 | 1時間03分38秒 |
| 8区 | 山口月暉 | 18位 | 1時間06分46秒 |
| 9区 | 中沢星音 | 13位 | 1時間09分33秒 |
| 10区 | 大仲竜平 | 10位 | 1時間09分40秒 |
出典:東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト、第102回大会大学別選手一覧。
2区キップケメイが区間2位の好走特に目立ったのは、3年生のキップケメイ選手です。
各大学のエース級が集まる2区で、1時間05分42秒を記録し、区間2位に入りました。
2区は各校の戦力が集中しやすい重要区間です。ここで上位の走りを見せたことは、日大の競争力を示す材料になりました。
一方、1区は17位、8区は18位という結果でした。
エース級の選手が好成績を残しても、ほかの区間で順位を落とせば総合成績への影響は避けられません。
2026年の結果からは、主力選手の強さに加え、10区間を通して安定した走りを実現することが今後の課題として浮かび上がります。
日大の区間成績と箱根駅伝の歴代区間記録は別物ここは混同しやすいポイントです。
キップケメイ選手の1時間05分42秒は、第102回大会の2区で日大が記録したタイムです。箱根駅伝全体の歴代区間記録ではありません。
日本テレビの大会記録によると、2026年までの2区の歴代区間記録は、城西大学のキムタイ選手が第102回大会で記録した1時間05分09秒です。
日大の区間順位と、箱根駅伝全体の歴代最速記録を分けて確認することが大切です。
また、箱根駅伝では第93回大会から4区・5区のコースが変更されています。
そのため、歴代の総合タイムランキングや区間記録一覧を比較するときは、単純な数字だけでなく、当時のコース条件も考慮する必要があります。
【予選会とシード権】日大はなぜ予選会から本戦に復帰したのか?
日大の近年の歩みを理解するうえで欠かせないのが、箱根駅伝予選会です。
箱根駅伝には、前回大会の上位10校を中心としたシード校と、予選会を突破した大学が出場します。
予選会では各大学の上位10選手の合計タイムが競われ、その成績によって本戦出場校が決まります。
第102回大会の予選会では4位通過2025年に行われた第102回大会の予選会で、日本大学は4位・10時間32分57秒を記録しました。
予選会の上位10校に入り、本戦への出場権を獲得しています。
上位校の記録は次のとおりです。
- 1位:中央学院大学 10時間32分23秒
- 2位:順天堂大学 10時間32分35秒
- 3位:山梨学院大学 10時間32分44秒
- 4位:日本大学 10時間32分57秒
- 5位:東海大学 10時間34分07秒
4位の日大は、3位の山梨学院大学との差が13秒でした。
上位校が接近する中で安定した合計タイムを残し、本戦への切符を手にしています。
2026年のシード権獲得は12年ぶり予選会を突破した日大は、第102回大会で総合10位に入りました。
この結果、翌年の第103回大会では予選会を経ずに出場できるシード権を獲得しています。
日本大学陸上競技部の公式サイトは、このシード権獲得を12年ぶりと説明しています。
2014年の第90回大会で7位に入って以来、シード権を取り戻すまでに長い時間を要しました。
2026年の10位は、日大にとって本戦での順位だけでなく、翌年に向けた強化計画を立てやすくする重要な成果です。
【2026年最新】日大の現在の実力と「古櫻復活」の可能性
2026年10月現在の日本大学陸上競技部特別長距離部門は、「古櫻復活」をスローガンに掲げています。
かつて箱根駅伝で優勝争いを繰り広げた伝統校として、再び大学駅伝界で存在感を示すことを目指しています。
その現在地を知るうえで参考になるのが、2026年10月12日に開催された第38回出雲駅伝です。
16年ぶりの出雲駅伝で8位入賞日本大学は出雲駅伝に16年ぶり、22回目の出場を果たしました。
結果は次のとおりです。
- 大会:第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走
- 開催日:2026年10月12日
- 総合順位:8位
- 総合タイム:2時間08分15秒
- 出場チーム:22チーム
なかでも注目を集めたのが、3区を走ったシャドラック・キップケメイ選手です。
8.5kmの区間で22分56秒を記録し、区間賞を獲得。従来の区間記録を40秒更新する区間新記録を樹立しました。
先頭との差を詰め、8人を抜いてトップに立つ走りを披露しています。
日本大学の公式スポーツニュースでも、この結果は「古櫻復活」に向けた好スタートとして紹介されました。
現在の日大を評価する3つのポイント2026年の成績から、日大の現在の実力を評価する際には、次の3点が重要です。
1. エース級の選手が上位校と競える
箱根駅伝2区で区間2位、出雲駅伝3区で区間新記録を出したキップケメイ選手の存在は大きな強みです。
長距離の主要区間で上位を狙える選手がいることは、チーム全体の戦略にも影響します。
2. 予選会からシード校へ立場を変えた
2026年の箱根駅伝で総合10位となったことで、翌年の第103回大会はシード校として出場できます。
予選会対策に費やしていた時間を、箱根本戦に向けた準備や選手層の強化に振り向けられる点は大きなメリットです。
3. 復路の安定感が今後の課題
第102回大会では往路9位に対して復路16位でした。
総合順位をさらに上げるためには、エースの活躍だけでなく、6区から10区までの安定した走りが欠かせません。
出雲駅伝の8位入賞は明るい材料ですが、6区間45.1kmの大会と、10区間217.1kmの箱根駅伝では求められる能力が異なります。
短い駅伝での好成績が、そのまま箱根での上位進出を保証するわけではありません。
日大が本当の意味で復活したかどうかは、複数の選手が長距離区間で安定して結果を残せるかによって判断できます。
【箱根駅伝日大】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本大学は箱根駅伝に何回出場していますか?
A1:2026年10月12日現在、通算92回です。第102回大会までの102大会のうち92回出場しています。
Q2:日大の箱根駅伝の総合優勝は何回ですか?
A2:総合優勝は12回です。最後の優勝は1974年の第50回大会で、1935年から1943年にかけても複数回優勝しています。
Q3:第102回箱根駅伝で日大は何位でしたか?
A3:2026年の第102回大会では総合10位でした。総合タイムは10時間53分56秒で、往路9位、復路16位です。
Q4:日大は2027年の箱根駅伝に出場できますか?
A4:出場権を確保しています。第102回大会で総合10位に入ったため、第103回大会はシード校として出場します。
Q5:日大の箱根駅伝で最も注目された2026年の選手は誰ですか?
A5:第102回大会では2区で区間2位を記録したキップケメイ選手が注目されました。2026年10月の出雲駅伝でも3区で区間新記録を樹立しています。
日本大学の箱根駅伝は、総合優勝12回という輝かしい歴史と、長い低迷期、そして再浮上への挑戦が重なり合う歩みです。
2026年の第102回大会では総合10位となり、12年ぶりにシード権を獲得しました。
さらに同年10月の出雲駅伝では8位に入り、キップケメイ選手が区間新記録を樹立。チームとしても次につながる結果を残しています。
今後の日大を評価する際には、次の3つを確認するとよいでしょう。
- 総合順位: シード権を維持し、上位10校からさらに順位を上げられるか。
- 往路・復路のバランス: 2026年に課題となった復路の順位を改善できるか。
- 選手層: エースだけでなく、10区間を任せられる選手をどれだけ育成できるか。
歴代の優勝実績だけを見れば、日大は間違いなく箱根駅伝を代表する伝統校です。
しかし、現在の実力を判断するには、直近の総合順位、区間成績、予選会の結果、そして秋の学生三大駅伝での戦いぶりを総合的に見る必要があります。
2026年のシード復帰は、日大にとって復活への重要な一歩です。第103回大会でどこまで順位を伸ばせるか。古豪・日本大学の新たな挑戦に注目が集まります。